書籍化作家が絶対にやってはいけない7の事項
ごきげんよう、みかみてれんです。
初めてのエッセイ投稿となります。
さて、今年も夏がやってまいりましたね。
『書籍化作家が絶対にやってはいけない7の事項』の季節ですね!!(ムリヤリ)
まず最初に)
ここではプロットの書き方や、
小説の書き方などは一切お話いたしません。
皆さまは恐らく、
自分の小説が世界で一番面白い、
あるいは世界で自分にしか書けない作品だ、
あるいは世界で一番自分好みである、と確信していらっしゃることでしょう。
書籍化するほどの皆さまに今さら創作論を語る必要性を感じえません。
釈迦に説法です。
今から語ることは、わたしが先輩作家方に教えていただいたことに、
わたしなりの解釈を加えて、読みやすく編集した活動報告を、
さらに自分の解釈を加え直して、改めて投稿するものです。(ややこしい)
※あくまでも個人の意見です、と恐らく役には立たない予防線を張りつつ……。
長い前説はこの辺りにして始めます。
よろしくお願いしまーす!
1)書籍化打診があったことを報告しない
そもそも企画というのは非常に不安定なものです。
つい先日も、連載二日前に漫画の掲載が取りやめという事件がありましたね。
出版業界は、そういうものなんです。
決定事項だと思って安心してはいけません。そういうものなんです。
GOサインが出るまで黙っていることに不安な気持ちはわかります。
一刻も早くお伝えしたい気持ちもわかります。すごくわかります。
ですが、それは読者様のためにはなりません。それでポシャってしまうと、一番がっかりするのは読者様なんです。
ついでに他の編集部も「ああ、これはもう売約済みなんだ」といって声をかけてくれなくなっちゃいます。
お会いしたり、お話を聞けるチャンスを自ら潰してしまう結果にもなります。
編集さんには、営業さんや編集長などと協議した結果の、計画というものがあります。
公表していいですよーと編集部から許可されたとき以外は、しないようにしましょう。
2)契約内容を喋らない
情報の漏洩は、信用問題に関わります。
仲間内でも、基本的には喋ってはいけません。
あなたがネットでポロッと「書籍化きたよー」って『印税率』だとか『契約内容』だとかをしゃべっているその人の素性は、本当に知っていますか?
その人は本当に味方だと言えますか? その人の住所や電話番号、通っている学校や会社など、知っていますか? 信用できます?
もしその人が口がとても軽かったら、事前に情報が出てしまって、書籍化が取りやめになってしまったらどうします?
人を信じるな! と申しているのではありません。気をつけよう、ということなんです。
もし打診があったことをどうしても報告したいのなら、同じく書籍化したらしき作家にのみしましょう。できれば同レーベルの先輩がいいですね。
その人が喋ったらその人のことを巻き添えにできます。その人としても炎上はしたくないでしょうから、絶対に黙っています。
そう、互いに心臓を差し出すのです。
(調査兵団のカッコいいポーズをしつつ)
3)ツイッターとか活動報告で、編集さんや絵師さんの不満を言わない
作家として活動する以上、あなたは社会人です。
最終的に商業出版となる書籍化は仕事です。つまりはビジネス。
今まで行っていた趣味での執筆とは大きく変化し、様々な事情や利害、意見が複雑に影響してきます。
よって、作者の意見が全て通るわけではないのです。
(もちろんそれは出版社にもイラストレーターさんにも言えることです)
その様な、皆さまで協力しあって貴方の作品を世に出そうとしている中で、
貴方が一人SNSや活動報告等の公の場で不満を漏らしていればどうなるでしょうか?
なかなかこう、難しい話になっちゃいますよね。はい。
なによりも、編集さんや絵師さんに関する『愚痴』を公の場で書き記したところで、
それで得られるのは、あなたのファンからの共感と慰めのみだったりします。
実行力はなにひとつないのです。
では、その気持ちをどうやれば落ち着かせることができるのか。
それは事項で解説いたします。
4)孤独にならない
これは2と3の延長戦上にあります。
誰か絶対にお手本を作りましょう。
できれば同レーベルの仕事仲間を。
それがダメなら、別レーベルでも『作家』の知り合いを作ってください。
孤独というのは、なかなかにつらいものです。
孤独になると良からぬ考えが頭をよぎります。
ひとりで思い悩みすぎてツイッターでぶち撒けたり、活動報告で辺りに喧嘩を売ったりします。
仕事仲間にそれらを吐くだけなら、ただの『愚痴』で済みます。
ですが、ひとたびネットで言ってしまえば、それは『問題』へと変わります。
いいですか? 絶対に悩みを共有できる作家の仕事仲間を作ってください。
頼られて嫌な先輩作家はおりません。だからといって、馴れ馴れしい口調で「チュース」って話しかけるのは違いますが! ブン殴るぞ!
これは後述しますが、「慣れ合え!」ということではありません。違います。ノーです。
友達である必要はありません。必要なのは『仕事仲間』です。
5)amazonなどの販売サイトへのリンクは、活動報告に貼っちゃダメです
規約にもしっかりと載っているのですが、意外と知れ渡っていないらしいので、ここに記載します。
なろうでは宣伝に関するタブーが多いです。
有名なのは、販売サイトへのリンクを貼ってはダメ―、とかですね。
おおよそ先人に習えば、なにをしてもいいか、というのはわかると思います。
ですが、新しいなにか活動をするときに、これが本当にやっていいことかどうか、というのは、なろうユーザーでは判断がつきづらいものですね。
なので、もし活動報告で宣伝を行なう場合は規約をしっかり読み、
こちらに「http://syosetu.com/site/syoseki/」書籍化に関してのガイドラインというものもございますので、
それを確認してなお判断が難しい場合は、運営にメールを出して相談いたしましょう。
なろうでデビューしたわたしたちです。
自分たちの勝手な判断でなろう運営さまにご迷惑をおかけしないように、努めたく思います。
6)開業届とか出しておきましょう
とりあえず、『開業届』と『青色確定申告申し込み』は行なっておきましょう。
最寄りの税務署でできます、すぐできます、印鑑持ってって一時間もかからないぐらいです。
作家は『経費』として扱える範囲が非常に広いため、必ず『領収書』を残し、
大きな箱なりを用意し、そこに日々の領収書を詰め込んでおきましょうー。
年度末が大幅に楽になりますよー。
わたしは専門家ではありませんので、詳しい話は省きます!
7)名刺・サインをしっかりと作っておいたほうが気が楽
名刺は言うまでもないことですが、意外と作ってない人がいます。
書籍化作家としてデビューするなら持っておいたほうがいいものだと思います。
なぜなら、他の方々は皆さま持っているからです。
そして、当然のように名刺を差し出してくるのです。
そのときにただ受け取るだけだと「あ、なんかすみません……」って気分になります。
これは本当です。何枚も何枚も受け取るだけだと、「なんかごめんなさい……」って気分になってくるんです!
なので、名刺を作ったほうが『精神衛生上』いいことだと、わたしは思います
サインも同じです。
サインというのは、ある日突然求められます。
編集部から本が送られてきて『じゃあ来週までサイン書いて送ってね』って言われます。
まだデビュー前だとしても、○○文庫○周年企画だから、ということで、
デビュー前なのに、サインを書けと求められます。本当にあった怖い話です。
でもでも、サインを部屋でこねくり回して作るのって大変ですよね。
絵書き畑や、デザイナーさんだったらまだしも。
なのでこれは、必要経費として考えて、ウェブで依頼しましょう。
プロが自分だけのサインを一万円弱で作ってくれます。一生使うものですし。
サイン、名刺、忘れても構いませんが、それを貫き通すためには鋼の精神力が必要です。
わたしは持ち合わせていないので、デビュー前に作っておきました。
サイン書くの楽しい!
最後に、みかみてれんから)
この短編はもともと活動報告に書いてあった記事を、ブラッシュアップしたものです。
2014年8月1日に書いたものでした。
ここ一年で小説家になろうの現在も、ずいぶんと様変わりをしましたね。
プロ作家の方々もどんどんとなろうに流入してくる昨今、
こんなわたしができることはなんだろうと改めて考えたときに、
やはりこれからプロになる方々に、お節介をすることだと思い、改めて記事を投稿させていただきました。
小説家になろう作家には、新人賞でのいわゆる同時受賞者のような『同期』といったものが、基本的には存在しておりません。
様々な賞コンクールは開催しておりますが、顔合わせの授賞式が行なわれる賞ばかりではありません。
そうなんです、わたしたちは誰に学ぶこともできなかったのです。
二十代三十代の、社会人経験者さんがスカウトされたのなら、基本的には大丈夫だと思います。
しかし、学生さんが社会を知らないままスカウトされるということも、ここではありえるのです。
小説家になろうから、これから作家として活動していこうと思っている皆さま。
みかみてれんから、お願いです。
どうか、『独り』にはならないでください。
独りでは、自分のやっていることが正しいのか、悪いのか、いつかは判断がつかなくなってしまいます。
信頼できる『仕事仲間』を、そして尊敬できる『仕事の先輩』を作ってください。
そうすれば、大抵の問題は解決します。
先輩はあなたが悩んだことと同じことを悩んできました。相談ができます。
仕事仲間はあなたが衝突している物事に対して、同じ目線で悩んでくれます。愚痴が言えます。
どちらも、あなたの心の負担を大幅に軽減することでしょう。
なろうでは簡単です。メッセージをひとつ送るだけで繋がれます。
ここは本当にすごいサイトなんです。
いつでも相談できる仕事仲間を見つけ出してください。
これは「慣れ合い」とは違います。
別に無理して飲みに行く必要なんてありません。
作家はやはり、己は己、人は人、の世界です。
ですが作家もまた、社会人です。
たとえば、編集者さんのうっかりで受賞パーティーの招待状が届かなかったとします。
そのときに同じレーベルの仲間に「そういえば招待状来た?」などとおっしゃっていただければ、自分に届いていないことが確認できるでしょう。
相談できる仕事仲間とはその程度のものです。その程度のものでいいんです。
ですが、それだけのことで、ずいぶんと気持ちは楽になるのです。
長々と語ったことなんて、ようはそれが言いたかっただけみたいなもんなんです!
互いに良かったところ悪かったところを厳しく精査し合いながら、
社会人として、モラルを、マナーを守って、より良い作家業をエンジョイしてください!
わたしからは、以上です。
ご質問やご意見等は、メッセージなどで、いつでも受け付けております。
初めてのエッセイ、緊張しました。
ご清聴ありがとうございます、みかみてれんでした!
Twitter:Teren_mikami