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人助けは嵐の予感

作者: 嘉月夜弥

「こんなとこに大きなゴミが…」


 今日はゴミの日でここゴミ捨て場?っていうか学校の裏庭でそれはないか。誰かが掃除でもして置き忘れてったのかな。…なんて現実逃避してる場合じゃない。


 これ真っ黒で確かにゴミ袋っぽく見えるけど、ゴミじゃない。学ラン着てる人だった。


 見逃しそうもないほど大きなものが落ちてるのに、誰も気付かなかったのかな。みんな視力大丈夫?心配になってくるよ。

 そういう私も、コンタクトつけてないと何も見えないけど。裸眼だと視界に自然とモザイクかかっちゃうけど。


 そんなものを偶然にも私が発見してしまうなんて…。今日の蟹座の運勢って最下位だったっけ?もしくは厄日?


 周りに人は見当たらないし、私がここを素通りしても誰にも文句は言われない。

 頭の中には知らない振りと見捨てるという選択肢しかない。どっちもやることは変わらないけど、なぜか矢印が行ったり来たりしてる。つまり、どうするべきなのか迷っている。

 正解は知らない振りだと思う。だってなんか面倒事っぽいし。だけどこういう時に限って神様は見てるんだよね。だから悪いことはできない。



「ふぅ…」


 私は溜め息をつきながら、目の前に見える背中を揺する。もちろん、足で。土足で。外にいるんだから許されるよね。神様はきっと心が広いから、細かいことは気にしないはず。善行はすることに意味があるって聞くし。



「あのー起きてください。こんなとこで寝てたら、人様の迷惑になりますよ。現に私の行く道を塞いでますから。まあ、跨げば通れますけど」


 声を掛けながら足で何度かつんつんとしていると、一瞬だけぴくっと体が揺れた。ぱっと見たところ、怪我をしている様子はない。だけど、ここに寝転んでいるということは、体調でも悪くて倒れたのかな。


 私は屈んでうつ伏せに倒れている人物を仰向けにした。どことなく顔は赤く、呼吸も荒い。額に手を当ててみると、かなり熱かった。


 私にはこの巨体を保健室まで運ぶ力はないし、ここは近くにいる先生でも呼んでくるのが無難かな。

 だけど、そうなると事情を聞かれて、私が見つけたことも知られる。そうなったら面倒なんだよね。早く帰りたいし。なんか恩着せがましいとか思われたくないし。それにチキンだし…。


 だからといって病人をこのまま放置することはさすがの私にもできない。

 私は彼の上半身を起こすと、座らせるような形で壁に凭せ掛けて、近くの水道でポケットに入っていたハンカチを濡らした。

 ハンカチを常備していて初めてかも。お手洗いの時以外に役立つとは。あ、これ使っちゃったやつだけど、ちゃんと洗えば大丈夫だよね?


 私は水で濡らしてきたハンカチを彼の額に乗せた。それが冷たくて気持ちがよかったのか、苦しそうだった表情が和らぐ。



「もうちょっと待ってて」


 私は眠ってる彼に向かって、そう声を掛ける。それに反応してか、彼の瞼がぴくぴくと動いた。もうすぐ目が覚めそうだし、これならもう大丈夫かな。


 後は、誰かにここを通ってもらえるように誘導すれば、人助けとしての最低限の役目は完了。いいことをするとなんだか達成感があるね。


 ハンカチに添えていた手を離そうとすると、不意に手首を掴まれた。まだ起きてないはずの彼の手がぐいっと私を引き寄せる。



「だれ…だ…」


 彼は意識がまだはっきりしていなくて、ほぼ無意識に私の腕を掴んだみたい。

 私は顔がバレる前に立ち去ろうと、掴まれていない方の手で宥めるように彼の頭を撫で、眠気を誘ってみる。


 不思議とそれが効いたのか、彼の半開きだった瞼がゆっくりと閉じていく。私はその様子を確認してから、そっと彼から手を引いてその場を離れた。

 あんな簡単に眠ってしまうとは、私の手はゴッドハンドだったのか。


 それから私は、女子の話し声がする方に向かって、「うそー!こんなとこにイケメン!!」と叫んだ。私の声はなかなかいい感じに響き渡った。


 それだけで?と思うかもしれないけど、この学校の女子をなめてはいけない。イケメンの希少価値は驚くほど高い。イケメンと聞けば、彼氏がいようと関係なく女子は食い付く。これ、常識。


 私の声を聞いた誰かがイケメンに釣られて来てくれるはず。これでもう安心。あっ…そういえば、イケメンだったかな?確認してなかったけど、雰囲気的にイケメンだったよね?あの…もし違ってても許してください。キレられたりしませんように。






 そんな出来事から数日が経ち、今この学校ではある噂で持ちきりになっていた。



「本当に信じらんないんだけどー」

「今まで誰に告白されても断ってたのにどうして…?」

「誰のものにもならないんじゃないの?そう思って仕方なく諦めたのに、何で私じゃ駄目だったわけ!?」


 なんでも学校中の女子から圧倒的な人気を誇るイケメン、海藤(カイドウ) (リク)という人に、最近彼女ができたらしい。

 いや、それよりすごい名前。海も陸もあって壮大だよ。地球制覇しちゃってるよ。でもきっと名前負けとかしてないんだろうな、いいな。


 彼は過去にどんな可愛い子に告白されても、どんな美人に誘惑されても、それを受け入れたことがないと噂で聞いたことがある。好きな人以外とは付き合わないという、その誠実さが彼の人気に拍車を掛けたらしい。


 健全すぎてびっくり。今時の男子高校生なら、そんなチャンスは逃すまいと、飛び付いちゃうと思ってたのに。


 まあ、だから狙っていた女子は大騒ぎ。付き合って1週間は経っているにもかかわらず、その興奮は未だ収まっていない。



「よりによってあの女とか、最悪なんだけど」

「黒髪が好きだったのかなー?」

「それはあるかも!今まで告白して振られた女子って、ギャル系とか派手な子ばっかりだったしね」

「だったらその路線で攻めればよかったー!」


 しかもその相手というのが、密かに彼を狙っていると有名だった、栗山(クリヤマ) 明菜(アキナ)という子だったみたい。


 いや、それ知られている時点で密かにじゃないよね?とか思ったけど、本人にはバレていないからセーフなんだって。でもこの話、女子の間では結構有名だったんだけどな。


 彼女は背が高くて足が長くて、まるでモデルみたいな美人らしい。でもどうして彼女はよくて他の美人は駄目だったのかって、みんなはそれを疑問に思ってるみたい。

 だからっていくら考えても仕方ないのに。気になるなら本人に聞いちゃえばいいのにね。まあ…言えないけど、チキンだし…。



 そんな賑やかなクラスの女子を眺めながら、お菓子を食べるのが最近の朝の恒例になっている。



「もぐもぐ…」

「あんたは朝からよく食べるわね」

「…(アイ)ちゃんも食べる?」


 そう言って呆れた顔で私の頭を撫でるのは親友の愛ちゃん。とっても大人っぽくて姉御肌で私の憧れ。



「これ、美味しいよ?」

「…はいはい。華穂(カホ)は呑気なんだから。噂とか少しは気にならないの?」

「んー気にならなくはないけど、気にしたって結局他人事かなって。それならお菓子を食べてる方が楽しいよ?」

「お菓子って、あんたは子供か。遠足を楽しんでる小学生か」


 いくら噂話をしたってお腹は膨れないし、エネルギーを使ってお腹が空くだけ。それなら好きなお菓子を食べて、時間を有意義に使うべきでしょ?



「でも本当に意外だわ…。いくら栗山が美人だからって、あの海藤が付き合うとは思わなかった」

「えーそうなの?」

「そうよ。まあ他人がどうこう言うことじゃないけど、栗山は見た目に反して中身がね…。プライド高くて、すぐ人をバカにするっていうか、なんかもったいないって感じの子よ」

「じゃあ一目惚れしたんじゃない?黒髪ロングの清楚系美人なんでしょ?見た目がタイプだったとか」

「まあ…そうかもしれないわね。でもその見た目だけだったら、あんたも当てはまるけど?」

「…私?どこが?」

「そうやって机にだらーってしてなければの話よ。黒髪で長くて綺麗じゃない?目鼻立ちもはっきりしてて顔整ってるし。まあ、どっちかって言えば、美人ってよりは可愛いって感じだけど」

「わあー!愛ちゃんに褒められた!!いつもだったら、鼻塞いでならお菓子食べてよしとか、下手したら生命の危機を感じる鬼畜なことしか言われないのに」

「あんた何気に失礼ね。素直に喜びなさいよ」

「…わーい!嬉しいな〜」

「よろしい。でもまあ、雰囲気は本当によく似てるわね…」


 愛ちゃんは顎に手を当てて、私をじっくりと見てくる。いくら女の子だとしても美人にそんなに見つめられたら、照れるじゃないか。





 お、美男美女のカップルを発見。なんかみんなに注目されてるみたい。さすが目の保養。



「あそこにいるの海藤くんと栗山さんだよ」

「本当だ。栗山さんのあの自慢気な顔見て?自分のものだって見せびらかして、かなりムカつくんだけど」

「性格悪すぎないあの人。そういえば付き合ったきっかけ、なんか弱ってるところを栗山さんに助けられて、その優しさに海藤くんが惚れたって噂よ」

「…何それー?弱ってるところって、なんか落ち込んでたりでもしたのかな?それを慰めてもらったとか?」

「さあ、どうなんだろう。詳しいことはよく知らないけど、それがきっかけで付き合ったんだってさ」



 おお、つまりあの2人が噂のカップルなんだ。モテる人と付き合うのは妬みも多いだろうに、愛でそれを乗り越えたんだね。でも馴れ初めまで広がっちゃうとは、有名人はみんなが放っといてくれないから大変だ。


 私はここ最近のお気に入りである、いちごみるく味の飴を舐めながら、廊下をスキップしている。後ろの方から「ジャンプしてないで普通に歩けー」って先生の声が聞こえるけど、関係ないよね。


 あ、でもこの前「お前のスキップは上に跳ねてるだけで、前に進んでないからやめとけ」とか不思議なことを担任の先生に言われたっけ。でも、スキップって気持ちいいし、人よりちょっと遅いけど一応進んでるから別にいっか。


 今はもう帰るところなんだけど、その前に忘れずに裏庭のチェック!先生から許可をもらって野菜の苗を植えさせてもらったんだよね。家庭菜園みたいで楽しいし、食べられる日が来るのが待ち遠しい。



 鼻歌を歌いそうなほど上機嫌だった私は、そんな2人の横を通りすぎようとして、目に入ってきたものに驚き、思わず「あー!」と叫んでしまった。


 近所迷惑になるほど叫んだ私に、2人は訝しむような視線を向ける。でも、私の目は美人さんが手にしてるものに釘付け。


 あれは私の数少ない女の子らしいピンク色のハンカチ!バレンタインデーに3倍返しを狙ってあげたお返しに、お父さんからホワイトデーにもらったハンカチ!

 私の名前である華穂のイニシャル「K」が刺繍で入ってて、私の持ってるハンカチの中では高級品のもの。それをなぜか美人さんが持ってるなんて…。



「急に叫んでなにかしら?」

「…俺たちに何か用か?」


 ハンカチを指差したまま固まる私に、2人はどことなく冷たい視線を向けてくる。なんなんだこの空気は。ああ、私が引き起こしたのか。

 でも、美人さんが私のハンカチを使い回してるとは思わなかったから、びっくりしちゃったんだよ。私のハンカチ使っても御利益とかないよ?



「そ、それ…」


 もしかしたら私のじゃないかなー?人助けのために泣く泣く手放したけど、本当はいらなかったわけじゃないんだよね。

 いや、間違いだったら申し訳ないけど、一応大切にしてたものだし、ちょっと高いやつだし。返してくれるなら返してほしいなー…なんて。



「このハンカチがなに?」


 私がハンカチの話題に触れると、美人さんはもっと鋭い目付きで私を睨んできた。綺麗な人の怖い顔は迫力があって、もっと怖いよ。目力半端ないよ。視線だけで殺されるよ、愛ちゃん助けてー。



「いやー…なんていうか、そのハンカチ可愛いなって思っただけで…。あはは…」


 私は美人さんのあまりの迫力に、それってあなたのですか?なんて質問をすることもできず、終いには媚びてしまった。

 どうせ私はチキンですよ。言いたいことも言えないような女ですよ!


 私の発言に美人さんは警戒していた雰囲気がなくなり、隣のイケメンさんの胸に体を寄せながら笑った。



「…そう?ありがとう。これ気に入ってるのよ。私たちを引き合わせてくれた大切なものだからね」


 美人さんが同意を得るようにイケメンさんを見ると、イケメンさんも微笑んで頷いた。



「そうですか…」


 なんかよくわからないけど、付き合うことにそのハンカチが一役買ったのかな?御利益とかないと思ってたけど、なんかあったみたい。だから使い回されてたのね。



「ここに「K」っていう刺繍が入ってるでしょ?」

「あ…はい」

「私のものだってわかるように特別に入れてもらったの。栗山の「K」をね」

「……」


 つまり、私のだってアピールしたいのね。名字のイニシャルが入ってるのが証拠だって。

 でもね、一般に売られてるそのハンカチは、白色だけしかないんだよ。ホワイトデーの限定品として売られていたけど、刺繍が入ってるものなんて1つもないんだよ


 それなのに私がピンク色の刺繍入りを持っている理由は、そのブランドのデザイナーがお父さんの親友だったから。親友の娘のためにって、特別に女の子らしいピンク色を作ってくれて、名前のイニシャルを刺繍で入れてくれたんだ。


 だから、自信を持って言える。それは私のだ!返せ、泥棒!…ただし、心の中で。


 なんか絶対返してくれなさそう。説明しても信じないだろうし、争うのも面倒だよね。よし、残念だけど諦めよう。お父さん、ごめんなさい。ハンカチは魔女の手に落ちました。美人だから誘惑されちゃいました。



「…だからこれは私のなの。間違っても自分のだなんて見え透いた嘘はつかないでね。どこから話を聞き付けたのか、そんな人たちばかり現れて大変なのよ」

「…けどこれが明菜のだってことはわかった。もう持ち主は探していない」

「ええ…」

「これに「K」が入ってることもそうだが、目を覚ました時、傍にいてくれたのがその証拠だ」

「そうね」

「…苦しんでたあの時、俺を癒してくれた優しい手に惹かれたんだ」

「そんな…私は当然のことをしただけよ」

「明菜にとっては当然のことかもしれないけど、俺はすごく嬉しかったんだ」

「陸……」


 あの…私のこと途中から完全に忘れてません?2人の世界に入ってません?まあ、別にいいんだけど。帰るタイミング逃して気まずいこと以外には問題ないし。


 ハンカチばっかりじっと見てた私に気付いて、一応忠告してくれたのね。でも、もう潔く諦めたからその親切いらなかったんだけど。



「なんか…すみませんでした」


 とりあえず謝っておこう。この甘い雰囲気に私のことなんか簡単に忘れ去ってそうだけど。

 そう言って頭を下げると、いちゃいちゃしていた2人のうち、イケメンさんの方が少し驚いた顔で私の方を振り返った。



「その甘い香り…」

「あ、飴舐めてるのバレちゃいました?最近ハマってるんですけど、これ美味しいんですよ!いちごもみるくも濃厚で。ご迷惑お掛けしたお詫びにどうぞ」


 イケメンさんは嗅覚が敏感っぽくて、飴の甘い香りを嗅ぎ付けたみたい。授業中にこっそり舐めてても、先生は近くに寄らない限り気付かないのに。



「はい、どうぞ」


 私は美人さんとイケメンさんの手に、それぞれ1つずつ飴を乗せる。イケメンさんの手に飴を乗せて、手を引いた時、なぜかばしっと腕を掴まれた。

 びっくりして、思わず「わお!」と大袈裟なリアクションを取ってしまった。突っ込まれない分、余計に恥ずかしい。っていうか、なんかデジャブ?前にもこんなことなかったっけな?



「その時計…」


 さっきからイケメンさんは、何かを発見する度に呟いていて、なんだか謎解きをしている探偵さんみたい。



「あ、この時計知ってるんですか?結構前に可愛い雑貨屋さんで見付けたんです。レア物かと思ってすぐ買っちゃったんですけど、意外とそうじゃなかったんですかね?」


 私にはちょっと高かったけど、これはもう運命だと思って、奮発して買っちゃったんだよね。だけど、男のイケメンさんが知ってるってことは、結構出回ってるのかな。なんか残念。



「陸、それがどうかしたの?」

「あ…いや、別に…」


 そんなことを考えていると、イケメンさんの隣から人を殺せそうなあの視線を感じた。美人さんが怒っている原因に気付いて、私は慌ててイケメンさんの腕を振り払う。



「じゃあそろそろ私行きますね。あ、お幸せにー」


 私はにっこり笑ってそう言うと、今度こそ裏庭にダッシュした。暗くなってしまう前に、野菜の成長具合を確認しないと。



「…なんか変わった子だったわね。他の子みたいに陸のことを狙ってたのかしら。ふふっ…でもあの子には悪いけど、陸はもう私のものなのにね」

「…あいつ……」

「…どうかしたの、陸?もう行きましょう」

「……」


 そんな私の後ろ姿をイケメンさんがじっと見つめていたことに、「ミニトマト、もう赤く熟したかな」なんて呑気なことを考えていた私は気付かなかった。





 その翌日、衝撃のニュースが流れた。なんと昨日までラブラブだったあの有名なカップルが破局したらしい。付き合ったという話題から別れたという話題まで、相変わらず学校を賑わしている。


 自分にもチャンスが巡ってきたと喜ぶ女子を尻目に、まず私が思ったことは「じゃあもうあのハンカチ返してくれるかな」だった。

 この前は絶対に無理だと思ったけど、今ならもしかしたら返してくれるかも。御利益のないハンカチなんていらないだろうし。





 その日の放課後、裏庭の手入れをしていると、あの時のイケメンさんが私のハンカチを持って現れた。

 わざわざ返しにきてくれるなんて、なんて親切な人なんだ!と感激していると、なぜか両手を掴まれて叫ばれた。



「…好きだ!」

「はい…?」


 え…?一体どうした?もしかして美人さんと別れて自暴自棄になってるのかな。とりあえず、誰でもいいから付き合って、寂しさを紛らわしたいみたいな。


 この状況についていけない私を置き去りに、イケメンさんは必死に愛の言葉を叫んでくる。

 勘違いしていただけなんだとか、俺が探していたのはお前だとか、意味不明なことばかり言っている。

 ああ、そっか。彼女さんと別れたことが、精神的にダメージ大きかったんだね。頭がおかしくなっちゃうくらいには。


 あの…だからって何でこんなことになってるのかな?私が欲しかったのはハンカチであって、決してこのイケメンさんではない。なのに何が、どうしてこうなった?



 なぜか私の目の前に現れた厄介な人物。


 平穏な日々になんだか嵐の予感……?






 《End》




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