池袋にて
今日は以前から楽しみにしていた御出掛けの日です。
それはそれは楽しみにしておりました。
三本の指に入るであろうあの人と一緒に、池袋に向かいました。
池袋に行くのは生まれて初めての事であります。
それはそれは楽しみにしておりました。
綺麗な魚を眺めて満足しておりましたが、途中で胸のざわめきを感じました。
これは悪い兆候です。
私はとても不安になりました。
これから私の住まいまで電車に揺られて帰らなければいけないのです。
私は自分の体がもたないことを悟りました。
私の目からは悲しみが溢れだし、颯爽と歩いていましたが、私を気にかける者は一人も居ませんでした。
私は電車に乗りながらぶつぶつと一人で喋り、何とか一瞬一瞬を堪え忍びました。
家に着いた時の事はあまり覚えてはいません。
私はまた振り出しに戻ってしまうのでした。
さいころをふる事さえ許されないのでした。