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白の魔術師  作者: Marlowe
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旅の共

処女作となりますので、未熟な文であることをご理解の上でお読みいただければ幸いです。(アドバイス歓迎!)

基本的に通勤時間に携帯より更新を行う予定ですので、申し訳ありませんが更新頻度は低いです。


比較的暖かい土地に雪が降った。

深夜から降ったそれは昼過ぎに止み、翌朝には見事に路面を凍結させた。

彼女はいつものように水を汲みに外へ出て、間もなく……


程なくして少年は家の前に昏倒している祖母を発見する。

すぐに最寄りの村の医者を呼ぶが、彼女の意識が戻ることは無かった。


少年はその数年後、旅に出た・・・








「なぁ、お前ってゲイなの?」


「はぁ!?」


心当たりが微塵もないことを聞かれ、青年──ディアは慌てて過去の行動を振り返る。

一月程前、今いるような酒場で出会い意気投合して共に行動している質問の主――ナカとはそのような事は一切ないし、他にもやはり思い当たることは無い。


「え、なんでそんな事聞くに到ったわけ?」


「いやだってお前、あんな可愛い子がお前のこと気にかけてるに、何で逃げるのさ」


ここ数日で何度も投げかけられた質問だ。

前の質問に確たる根拠がないことに安堵しつつ、こちらも何度も返している回答を嘆息と共に吐き出す。


「だからあの子怖いんだって……」


「何が怖いんだよ。あんな見るからに清楚なお嬢様〜って子が。」


確かに、相手は見るからに身なりもよい、清楚で可憐な女性だ。

ディアとて好みか好みじゃないかと言われれば、とても好感のもてる相手だ。


「まぁ良さそうな子だけど……」


「だろ?」


「でも彼女、俺のことあからさまに警戒って言うか、敵視してるって言うか……」


ナカはそれを聞き大げさにため息をつく。

これもここ数日で何度も見た光景だ。


「だからお前あんなに優しく話しかけて来てくれてるのに何でそう思うのかな」


「何でってそう感じるからだよ。

ナカ、俺先に乗合場に行ってるから後でな。」


突然後半が早口になり、焦ったようにその場を後にするディアをナカは呆然と見送る。

口を挟む間すら与えなかった彼は、明らかに自分が食べたものより高額な硬貨を一枚、卓上に残していった。

道中、路銀が足りなくては自分に泣きついてきたことがあった彼に、本来ならそんな大盤振る舞いをする余裕は無いはずだ。何故急にそんなに慌てて出て行くのかな と一人ごちてディアの残した料理に手を伸ばすと、聞き覚えのある声に話しかけられた。


「こんにちは、ナカ。ディアはまたどこかへ行ってしまいましたね…」


その声は静かだが、にぎやかな酒場にもかかわらずナカの耳にははっきりと響いた。

真っ白生地に赤のラインが入ったな上等なロープに身を包んだ女性は、困ったような悲しそうな笑みを浮かべる。

見るからに大事に育てられてきたであろう箱入りそうな彼女は、人にそのように接された経験があまりないのだろう。

彼女のその顔に、ナカはディアに対して軽くはない怒りを覚えつつ笑顔で空いた席へ彼女を促す。


「何でも急ぎの用事があるらしくてな。良ければ一緒にどうだい?」


「良いのですか?」


「もちろん」


「ありがとうございます」


ぱっと花が咲いたように笑顔になる女性。

ナカの心に温かい気持ちが広がる。


(どこをどうやって見たらこの子が怖いんだか…)



良いところのお嬢様であることは間違いないが、当初の予想ほど世間を知らないわけではないし、庶民の自分にも快く接してくれる。

現に、「高貴なお方達」は好まないこのような酒場に来て、自分と席を共にまでしてくれる。


女性は通りかかった店員に声をかけると飲み物と食事を注文して、食事の邪魔にならないよう腰まで伸びる長いブロンドの髪を一つに結んだ。

間もなく、女性に飲み物が届けられたタイミングで、ナカは意を決して話を切り出した。


「なぁイーリス、なんでディアを追っかけてるんだ?」


すると女性──イーリスは飲もうと持ち上げたグラスをテーブルに戻し、眉尻を下げて口にした。


「……気になるとこがありまして。」


「気になること?」


「はい…」


それだけ言うとイーリスは黙り込む。

それは拒絶ではなく、言葉を選んでいるようであった。

その様子を見てナカは心の中でため息をつく。


(望みなしかぁ……。)


それほど相手のことを知っているわけではない。

そもそもまともに落ち着いて話したのも今が初めてだ。

初めて会ったとき──それこそイーリスがこちらに話しかけてくる前から気になっていた。

そう。一目惚れというやつだ。

だがそれはディアも同じだったのか、彼もイーリスが視界に入った瞬間からいつもと様子が違っていた。

それなのにディアはイーリスが近づいてきた途端にどこかへ行ってしまった。

イーリスは会うたびに声をかけてくる。その度ディアはどこかへ行ってしまう。

どこまで奥手なんだか という微笑ましい思いと共に、決して小さくは無い嫉妬心がナカを支配する。

いつも、イーリスはディアに用事があるようなのだ。


(俺とあいつでなーにが違うんだろうなぁ。あいつとイーリスなんて挨拶すらしたことがないのに)


ナカは次の言葉を覚悟を決めて待った。

実際にはものの数秒だったかもしれないが、ナカにとってはとても長い沈黙のあと、彼女は戸惑いながら言葉を発する。


「うまく、表現できないのですが…」


「うん」


「彼のことが心配で……」


「うん(母性本能かぁ……。)」


「こう、良くない雰囲気がするのです」


「うん(あいつ確かにちょっと頼りなさげだもんなぁ……)」


「混沌というか……」


「うん(……)」


「負の力というか……」


「うん(……ん?)」


「そういった好ましくないものを感じるんです」


「うん(あれ?なんかちょっと違う?)」


「そういう気をまとった方って大抵何かに取り付かれたりしているのですが」


「うんうん」


「ナカさん、何か彼に特殊な行動とか、気になることとかありませんか?」


「なんだそういう事だったんだ」


「え?」


「いやいや、気にしないで」



安堵から思わずにやけそうになり、考えるふりをして口元に手をあてる。

まだ望みはある、と俄然やる気の湧いた彼は饒舌になり、


「俺の見る限りでは、特に変な印象は受けないよ。でも俺とあいつ、ちょうど一ヶ月くらい前に知り合ったばっかりだから、なんとも言えないかなぁ」


「そうだったんですか。仲がよさそうにお見受けしたのでもっと長いのかと思いました。」


そして


「うん。酒場で知り合って、たまたま行く方向が一緒だったから一緒にいるだけで、付き合いは短いのよ」


「なんだか自由な感じで素敵な旅ですね」



大胆になった。


「うん。俺たちマジスナに行くんだけど、もしイーリスもそっちの方向に行くなら一緒にどうだい?」




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