表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

しいな ここみ様主催企画参加作品


朝、目を覚まし立ち上がろうとした僕は木から落ちかけた。


腰に付けていた命綱のお陰で、命綱が結ばれていた枝の下にぶら下がっている。


僕の悲鳴で落ちた事を知った友人たちが、またかよって顔をしながら引っ張り上げてくれた。


僕たちは幼稚園児の頃からの幼馴染、高校2年生の今、夏休みの思い出を作ろうと森林公園の一番デッカイ欅の古木(こぼく)の上にツリーハウスを作り、生活している。


当然だけど森林公園を管理している市に許可を貰ってだよ。


と言っても、少子化の影響で僕たちが生まれる前の30年ほど前から森林公園を利用する人が殆んどいなくなった所為で、市も放置していたから直ぐ許可してくれた。


古木の上にツリーハウスを建て生活を始めて3日目に、市の側を流れる川の上流の山間部に地球温暖化の影響による大雨が降り川が増水。


その所為で森林公園の中を流れる支流でバックウォーター現象が発生して、川が氾濫した。


それで森林公園の中は推定2メートルくらいの水で覆われている。


まぁ僕たちはツリーハウスに、約2週間分の食料やミネラルウォーターを運び上げていたから、孤立してるけどそれほど困ってない。


むしろトイレが楽になったと喜んでいる。


水に覆われなければ、チョット離れたところにある森林公園のトイレまで行かなくちゃならなかったからね。


だから木から落ちたからって死ぬような事は無かったんだけど、死ぬ。


木の下が水だけだったら良かったんだけど、森林公園が水で覆われたら、彼奴等も支流の川岸から公園内に進出して来た。


地球温暖化で元々の生息地から北上して来た鰐たちが。


今も水の中から落ちなかった僕を忌々しいって顔をした鰐が、睨んでいる。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ