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第一話

 

 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢


 その昔、銀のドラゴンは、砂漠の国に住む人間の女に一目で恋に落ちた。


 人間の女も銀のドラゴンが好きになり、金のドラゴンとなって二匹の龍の恋が叶った。


 しかし、銀のドラゴンの妻であった白のドラゴンは裏切りを知ると、怒り狂った。大地を揺るがし、嵐が吹き荒れ、世界は混乱してしまう。


 困った神は、白のドラゴンの怒りを鎮めるため、金のドラゴンと銀のドラゴンをそれぞれ砂漠の地方の東の国と西の国に引き離し、守り神とさせた。


 それでも白のドラゴンの怒りはおさまらなかったため、神は、白のドラゴンを対国の守り神とさせた。


 もしも再び、東と西の国が交わる時があれば、災いを起こし、お互いの国を滅ぼすことを許すことで、合意をとることとなった。


 それから何千年も、砂漠で渇ききっていた東のメリムダ国と西のサンドリア国に、雨が降るようになった。


 守り神となった銀のドラゴンは嵐をよび、金のドラゴンが雨を降らせていると、言い伝えとして受け継がれている。


 そして、白のドラゴンの怒りを再び甦らせないように、お互いの国の王家は交流を断絶するようになった。


 

 ♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 


 

 時は近未来。世界が温暖化で砂漠化が進行する中、砂漠地方にあるメリムダ国は、昔から雨がよく降っている。


 雨の恩恵により、メリムダ国では椰子の木や南国の花々がよく育ち、作物は豊かに実り、文明はどんどん進歩していった。


 メリムダ国が化学物質を合成し、浮遊石の発明に成功をしたのは、30年前だ。


 浮遊石ができたおかげで、車やバイク、船などの乗り物か、エンジンを使用しなくとも、浮くことができるようになった。


 メリムダ国の第一姫である、カトレアは、今年で17才、高等学校の2年生だ。城から勝手に浮遊石を持ち出しては、秘密基地で小型の飛行船を改造している。


「ようし!良い感じだわ!これで、また浮くようになったわ。修理完了!」


 カトレアは、煤がついた頬を拭い、ふわふわの巻き毛を揺らしてガッツポーズをとる。


「まさか、またお忍びで出かけるつもり?」


 クラスメイトのサラは、面倒臭そうに口を開く。


 サラは武器屋の一人娘で、艶やかな黒髪が似合う、涼しげな美人に見えるが、彼女の銃の狙いは百発百中。腕利きの銃使いであることがカトレアの耳に入り、お忍びの仲間に誘い出された。


「行かないなら、何のために、修理したっていうのよ!なにせ、前回、飛行船を飛ばして城下町で、野鳥に襲われた無念を晴らしたいと思わないの?」


 カトレアは、オレンジ色の瞳を上気させて、頬を膨らませる。カトレアは、おてんばで好奇心旺盛なので、姫として城に閉じ込められているのが毎日物足りなく思っていた。


 飛行船を改造しては、サラなど仲間を呼び、城の外に出ては、野鳥に攻撃されて撃ち落とされることを繰り返していた。


 なにしろ、最近10年の間に、世界は砂漠化されてきているため、動物たちは餌を求めて人間の領域に入って攻撃を仕掛けてくるようになった。


 空も獰猛な野鳥類で、危険な地域と警戒されていた。


「カトレア姫が作ったよれよれの飛行船なんて、野鳥たちがうようよ出てきたら、ひとたまりもないわよ」


 サラが小馬鹿にするように言うのも、無理はなかった。


「それを、サラが銃で撃ち落としてくれたら、いいのよ!何のために、苦労して一緒に改造してきたのよ」


「まあ、それは、金くれるから、やってただけよ」


「!お金のため?サラには、ロマンはないの?国の外がどうなっているか、興味あるでしょ?」


「いや、私は、金しか信用してないから、金が一番。外の国なんて、禁じられているのに行くほど、強いロマンも好奇心もないね」


 サラは、さらりとカトレアの言葉をかわして言った。実のところ、カトレアが払う駄賃が目当てでずっとついているだけだった。それが、最近はくされ縁になりつつあった。


「はあ。じゃあ、今回のお忍びで、1000払うわ!どう?」


「いや、今回は、隣の国に行くんだろ?銃の値段もいれて、5000は貰いたい。リスクありすぎ」


「うーー、いいわ、、そのかわり、絶対途中で引き返さないでよ」


「まあ、飛行船が落ちない限りはね」


 カトレアは、お金で解決すると安堵して頷いた。お金でもなんでも、とにかく城の外へと抜け出したいのだった。


「ようし、じゃあ、決行は、今週の日曜日、お父様もお母様も、会議と遊会でいないからちょうどいいわ」


「こんな姫じゃあ、王も王妃も大変ね」


「大変なのは、隔離されるように城に閉じ込められている私よ!自由がほしい!」


「自由と危険は、紙一重よ」


「それはそうね、、ランドンも連れて行かないとね」


 カトレアは、サラの忠告に素直に頷き、同じくクラスメイトで剣の達人であるランドンをどう誘い出そうか作戦を考えた。


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