森林へようこそ
シリーズとしては2話目です
後にキャラクターのビジュアル出せたらと思います。
死んだかなぁ……死ん、いやっ、生きてる!!!!
森林の茂みから、なんとか一命を取り留めたユーゴが目を覚ます。
少し腕を掠った程度で済んだようで、特にこれと言った目立った外傷はなく、難なく体を起こすことができた。
「森……?」
目の前に広がる緑は荒廃しかけているこの世界では珍しく、ましてやガスマスクなしでも呼吸が苦しくないのは妙であった。
もしかして、この森林は誰かが収めている国とかだろうか?いや、それにしては人の気配がなさすぎる。
「はぇ……どうしよう。ここどこなんだ……二人は!?」
周りを見渡すも見えるのは緑の茂みと高々と背を伸ばしている木々達。それに散らばったであろう機体の破片がところどころに散乱している。
二人の無事が心配なユーゴは早速探そうと思ったが、この森林に一人きり……しかも今まで一度も訪れなかった得体の知れない地帯……。
何が起こるかわからない状況に足がすくみはじめ、ユーゴはその場にうずくまったまま動かなくなってしまった。
「え゛〜〜〜っっっどぉ〜〜〜すれば〜〜〜?!?!僕力なんて持ってないのに、何かに襲われたりしたら、、、」
死。彼の頭にはその一つのみが浮かぶ。彼は弱かった。王の器でありながら、それに至るまでの力を一切持っていないのだ。
その不安も相まり、より一層動けずにその場に縛られていた。
――「ったーーーい!!!」
派手に木の枝に引っ掛かっていたのはオリヴィエ。近くには大きな壊れた機体も引っ掛かっている。膝に少し大きく怪我が見え、安全に歩けるかどうかわからない状態だ。
「たたた……」
彼女も少し姿勢を起こしながら周りを見渡すと、何か枝の先にポツンとしたものが見えた。
「鳥の雛!わ、待って、おどかせるつもりはなくて……!」
すぐ退こうとするも、そこは地面から数メートル離れており、この膝の怪我のまま降りるのには無茶があることがわかる。
「どうしよ……」
「何か大きな音がすると思ったら……」
すると地面の方から声がする。それは男の子の声と言えばそうで、女の人の声だと言えばそうとも聞こえる不思議な声だった。
不定期更新です