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吸血鬼。The Vampyre.  作者: ジョン・ウィリアム・ポリドリ博士 Dr.John William Polidori/萩原 學(訳)
ポリドリ博士の日記
40/52

6月7日

6月7日--起床。 腰が痛く、節々がだるい。 朝食をとり、目録に目を通した。

June 7.—Up at ——. Pains in my loins and languor in my bones. Breakfasted—looked over inventory.


夕食時にバイロン卿に会う。父とシェリーに手紙を書く。船頭付きの英国式端艇に、バイロン卿と一緒に乗った。聞かされた事では、ナポレオンのせいで子を授かったとか。シェリーに再会。

Saw L[ord] B[yron] at dinner; wrote to my father and Shelley; went in the boat with L[ord] B[yron]; agreed with boatman for English boat. Told us Napoleon had caused him to get his children. Saw Shelley over again.

[シェリーの近くに住んでいたポリドリが、手紙を出すことがあったというのは、些か不審なことだ。挑戦状はついに送られたのだろうか? おそらくそうだろう。そしておそらく、ポリドリが「シェリーに再会」したとき、詩人は愚かなことを笑い飛ばしたのだろう。……船頭の「ナポレオンが彼に子供を作らせた」という発言は、ナポレオンの兵士募集に応じるために子供を授かりたかったという意味だろう。]

[It seems rather curious that Polidori, living so near Shelley, should now have had occasion to write to him; ought we to infer that the challenge was now at last sent? Perhaps so; and perhaps, when Polidori "saw Shelley over again," the poet laughed the whole foolish matter off.—The boatman's statement that "Napoleon had caused him to get his children" means, I suppose, that he wanted to rear children, to meet Napoleon's conscriptions for soldiers.]

訳注 ナポレオンの百日天下から1年も経っていないこの時期に産まれた子というのは、出征して帰ってこれなくなるのを恐れて仕込んだ子という意味であろうか。ジュネーブ人ならフランス側についた筈だが、ナポレオン率いるフランス大陸軍はワーテルロー会戦で、イギリス・オランダ・プロイセン及びドイツ諸侯国連合軍に敗北した。ので、この船頭はその敗残兵か、参戦しなかった卑怯者という事になり、その事を敵陣に居たかもしれないイギリス人に話すというのは、些か無謀の振舞いに見える。

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参考文献

Wikisource: The Vampyre
翻訳の底本にした単行本の電子書籍版。原典影印つき
Internet Archive: The New Monthly Magazine 1819-04-01: Vol 11 Iss 63
初出の掲載誌影印本。些か読みにくいのが難点
The New Monthly Magazine 1819-05-01: Vol 11 Iss 64
ポリドリ博士の抗議が掲載された5月号
The Vampyre (in Short Ghost and Horror Collection 011)
LibriVox にある朗読
The diary of Dr. John William Polidori
The diary of Dr. John William Polidori
作者の甥ロセッティが編集発行した日記。編者による序文つき
The Vampyre as a literary war on the image of Greece
The Byron Society に収録されたKonstantina Tortomani さんの論文
Peter Cochran’s Website – Film Reviews, Poems, Byron…
バイロン研究家、ピーター・コクラン氏のサイト。バイロン卿の手紙あり
The Vampyre;A New History
Nick Groom による吸血鬼の歴史
Polidori’s ‘The Vampyre’: Composition, Publication, Deception
Nick Groom 2021年の論文
POLIDORI'S THE VAMPYRE
The University of Queensland, Australia Contact Magazine
ハムレット
第1幕第2場
Wikipedia
メドヴェジャ Medvegja
Arnold Paole
コシツェ
天国 (イスラーム)
パウサニアス (地理学者)
Jean Marc Jules Pictet-Diodati
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