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異世界でスローライフを(願望)  作者: シゲ
11章 帝国満喫
309/444

11-22 シュバルドベルツ帝国 アインズヘイルの領主

肉欲と狂乱の宴!

よそ様の家にもかかわらず行われた別名『兎舞』が無事に終わり……精魂尽き果て、次の日ベッドから起き上がることができなかったものの、無事に……無事に終わりを迎えてから数日。

俺は光ちゃんを連れて帝都の城、ガルシアの元を訪れていた。


真+αの元から光ちゃんを連れ出す際は大変だった……。

一度宿に寄って光ちゃんに同行を頼むと、真達に一応伝えに行くというので冒険者ギルドについていったのだ。


そこで真に『何故兄貴が光ちゃんとお出かけに……!』と、問われたので馬鹿正直に『光ちゃんは男なんだけどちょっと問題が起きちゃってそれの報告に皇帝ガルシアに会うんだ』などとツッコミどころ満載な事をいう訳にもいかず、かといって前回の買い物で仲が良くなったと警戒されているのか、理由を言わねば止めはしないものの納得はしない様子だったのだ。


で、どうなったか結果を言うと……勘違いされた。

光ちゃんが女の顔をして『……私、大人の男性の魅力にやられちゃいました』とか言うもんだから、ひと悶着起きそうだった……。


だが、場所が冒険者ギルドで良かったよ。

ミルクとココアが『自動狂化(オートバーサク)』しそうだった三人の首根っこを掴み、『からかうのはよしなさいな』『そうよ。純粋な男の子には可哀想よ』と、『え!? からかってたの? なんだよ光ちゃん可愛いなあ』『てへへ。何もされていませんよ。アクセサリーを作ってもらう予定だったんです。皆さんには内緒だったので……完成したらお披露目しますね!』なんていう茶番で済んだのだが、おかげで光ちゃん用にアクセサリーを作らねばならなくなった……。


さらに言えば、生きて帰らさねばならないと保証も取り付けられたわけだ。

まあ、皇帝の元に連れていくとわかればそりゃあ保険くらいは打つわな。

俺に突き出す気はなくとも、どうなるかなんてわからないし……こんな異世界で一人で生きてきたのなら、尚更警戒して当たり前だろう。


で、なにやら血色のいいガルシアがしっかりと時間を取ってくれたわけだ。

まあ、抗議での妨害もなくなったので仕事もしやすくなったのだろう。


「そうか……最近抗議の声が聞こえぬと思ったら、解決してくれたのだな。礼を言おう」

「ああ。まあ故意じゃなく事故のようなものだからな。光ちゃんに罪をつけるなよ」

「わかっておる。そもそもは余が招いた不満であろう。奴らとはしっかりと話し合いの場を作る予定だ。それにしても……貴様、本当に男なのか……?」


皇帝に『抗いがたき可愛い俺様テンプティングテンプテーション』をかける疑いを持たせぬように前もって知らせておいたのだが、疑い深いな……。

まあ、傍目から見れば女の子だもんなこの子。

きょとんとしているが……上手いもんだ。


ウェンディ達やシシリアに伝えた際も驚いていたし、光ちゃんの女の子っぷりは筋金入りだからな。

……まあ、変態度も筋金入りだがね。

どこぞの領主と同じくらいだとかは……言えないよ。

……言えるわけないだろう。


なんで宿に行ったら俺が買ってあげたあの格好で迎えてきたのだろうか……。

思わず扉を開いてすぐに閉じ、先に男だと伝えておいた皆が一瞬何を見たのかわからずに困惑していたので、落ち着かせるために俺だけ中に入って正座させて説教をしてしまったからな……。


「証拠が見たいなら別室にでも行くか? 俺は構わねえぜ?」

「……やめておこう。余はその男のように何でもいけるわけではないからな。男のシンボルを見る趣味はない」

「おい。とんでもない勘違いを起こしてんじゃねえ」


俺だって女の子だけだっつの。

大丈夫だから俺を抱きしめるなウェンディ。

大丈夫だから俺の袖を掴まないでくれミゼラ。

それと、にやにやするなよ光くん(・・)


「ふむ……しかし、その力使えるな……。軍に赴きお主が鼓舞するだけで兵力を増大出来るわけか……」


軍事利用ね……。

まあ、強大な力を持った流れ人が自分の領土にいれば当然と言えば当然か。

王国でも隼人は爵位を頂いているし、あれだっていわば取り込んだようなものかもしれん。


「言っとくけど、そんな面倒な事はするつもりはねえぞ? ばれた時が面倒くさい」

「なあに、余も可能性の話をしたまでだ。強制する気もない。ただまあ……大金は稼げるうえにある程度の地位も手に入れられるがな」


忘れていたが、そういえばここ実力至上主義の国だったな。

実際ガルシアのいう事も事実だろう。

下手に武器開発や調練などをするよりも効果的だろうしな。

もし仮に光ちゃんが大金を得たい、地位を向上させたいと考えているのであれば、どちらにも有益な事だろうし、俺が口をはさむ話ではないな。


「はあ……ガルシアよ。軍事力を強化するのは構わないが、それでどうするつもりだ?」

「ふっふっふ。自衛を整えるのは当然として、今更王国に喧嘩を売るもよし。砂漠地帯を増やすのも悪くはないでしょう姉上」

「……言っておくが、王国には我の友であるアイリスもいるし、こやつもいる。それと……ロウカクならばやめておけ。失職、または処刑台送りになるぞ」

「もともと冗談ではありますが……なぜロウカクが駄目なので?」

「あの国は守護龍がいるのでな。はっきり言うが、兵士をどれだけ強化しようとも死にに行かせるだけだ。……今思い出しても、無事だったことに鳥肌が立つ」


あー……気持ちはわかる。

もう一度龍種と戦えと言われても、俺はNOを叩き付ける事だろう。

嫌な事って、一度きりだから! って気合を入れれば出来るもんだが、それが常になると拒絶反応が凄いよな……。


まあ、虫の大群と戦うのとどちらがいいかと言われれば、龍種を選ぶ俺ですが。

虫は見る事すら出来ないが、龍は見る事は出来るしね。

どっちも死にそうならば、見ることが出来る方を選ぶよね。


「ふむ……? まあ冗談なので本気に取られても困るのですが……ただ、王国に関してはまた別問題で、争う可能性はありますからな」

「ほう……それは――」

「どおおおおおおん!!!!」


甲高い声、子供じみた所業。

人払いをしていた扉を無遠慮に開け、外にいた兵士さん達が困った様子を見せるが、ガルシアが手を振るとすぐさま部屋の外へと出ていく。

その代わりに入って来たのは……小さな小さな知り合いであった。


「やっほうガルシア! 元気してる? 相変わらずおっぱいが好きなのかい? 美を分からない器の小さな悲しい男だね君は!」

「……相変わらずだなオリゴールよ。その失礼極まりない態度、頼みごとをしに来たものとは思えんな」

「馬鹿言うんじゃないよ。ボクの礼儀はボクらしくある事さ! およ? あれれ? お兄ちゃんだ! わーい! なんでいるの? はっ! もしかしてボクがここに来るのを知って先回りかい? よっしゃあ! 子作りしようぜ!」

「しねえよ」

「冷たい! でも好き! お兄ちゃんに滅茶苦茶にされたい! ガルシアとかどうでもいいから宿でネチョい事しようぜ!」


もうやだこのめげない変態。

うちの子達は慣れているのかすまし顔だが、慣れているはずがない光ちゃんが『え?』『ええ?』『まぁ』と、わざとらしく口元を押さえて驚いた顔をしていた。

……違うぞ? 手を出してなんかいないぞ?

そいつ見た目ロリだが、俺より年上だからな?


「む……むむむ? なんだチミは。どことなく嫌な予感がするじゃないか!」

「え? あ、私ですか?」

「そうだとも! きみはお兄ちゃんとどういう関係なんだい!」

「私はイツキお兄ちゃんの……」

「お兄ちゃん……? おいお兄ちゃんどういうつもりだ! コレンちゃんに飽き足らずまだ妹を増やす気か!! ボクだけじゃ足りないってのか!」

「どうもこうもねえよ。増やしたつもりは一度もない! お前を妹にした覚えもない!」


コレンだって別に妹という訳でもないし……。


「いや待てよ……。妹がこれで三人になったという事は、やはりお兄ちゃんは妹好きという事が証明されたわけだ! お兄ちゃん……駄目だよ。私たち兄妹だよ……プレイが捗りますな!!」

「捗らせるな!」

「イツキお兄ちゃん……そういうのが好きなの? しょうがないなあ……」

「違うから……なにもしょうがなくないから……」


どこをどうしてどうなったらしょうがないのだろうか。

しょうがないとどうなるのかは……深淵だろう。


「ん? んんん? ちょっと待った。君よく見たら男の子じゃないか。なーん……だ!? お兄ちゃんちょっと待てよ。弟もいけるのかい!!? 凄いやお兄ちゃん! 器が大きしゅぎる!」

「もうお願いだからその口を閉じろオリゴオオオル!」


強制的に手を口に当てて黙らせる。

これ以上こいつを野放しにさせちゃいけないと本能が訴えかけてきていた。

だがこいつ、押さえた手に唇を突き出してきやがる……。


「まじかよ……男って気づきやがった」

「も? もがーも。もがもごもごもごごもごもごもがもが(ん? まあね。ボク程になれば造作もないさ)」

「遠慮なくしゃべるなよ……唾液付いたじゃねえか……」

「ん? お兄ちゃんの匂いが濃厚だったぜ!」

「変態がっ!」

「そうだともっ!」

「……茶番は終わったか? 一応言っておくが、余は暇ではない。こんな茶番に付き合うために時間を作ったのではないぞ」


おお……皇帝を前にしておきながら皇帝を放置するという不敬罪にされても文句が言えないことをしてしまった。

まあ、実際にされたら文句は当然言うし、抵抗もするのだが。


「オリゴールよ。貴様、用があってきたのだろう」

「まあね。用が無かったらこんなおっぱいマニアの前になんか来るもんか」

「はあ……すまんがお主らはまた今度だ。報告ご苦労であった」

「ん、ああ……わかった」


どうやらここから先は王と領主での話し合いらしい。

俺達は一般人なので話し合いには参加するなと……。

まあ、俺の本題である光ちゃんと貧乳支持者については報告も終わったし、俺達は謁見の間を後にして帰路につくことに。


「あ、アクセサリー作ってもらわないと!」

「……はいはい覚えてるよ」


シシリア邸に帰ったら、こんな豪華な家にずっと泊まってずるい! と騒がれつつ、一応全力でアクセサリーは作っておいた。



「で……経過はどうなのだ?」

「砂漠の国ロウカク、エルフのイグドラ大森林、ギゴショク共和国は約束を取り付けたよ。皆ボクに協力してくれるってさ。ありがたい限りだね」

「まあ……王国に恨みを持つ者は多いからそうであろう。イグドラは……事が事ゆえ理解できる。だが、保守的なロウカクまでもが貴様に落とされたか……」

「それはお兄ちゃんのおかげだね。いやあ、まさかこっちにお兄ちゃんがいるとは思わなかったよ」


もしかしたらこっちでも有利に働いてくれたりしてないかな……なんて、それは都合が良すぎるか。


「それで……帝国はどうなんだい? 正直な話、ここが一番重要なんだけど」

「話を聞いた際は何を世迷言をと思ったがな……。いいだろう。我が帝国もお前の計画の一端に乗ってやる」

「……ありがとう。これでアインズヘイルの悲願がかなうよ」


国力的に大きな帝国が味方に付いてくれた事は本当に重要で、この計画の要にもなる。

……良かった。これで可能性が随分と上がったかな。


「……悲願か。だが、まだ最大の問題が残っているだろう」

「まあね。そっちはタイミング次第だね……。まあ、ここまで来たんだ。どうなろうともやってやるさ」

「はっ。まあ、余が協力するのだ。成功するだろう。それにしても貴様……先ほどと随分と様子が違うな」

「そりゃあお仕事モードだからしっかりもするさ。お兄ちゃんがいたからついテンションが上がりすぎちゃったけどね」


いやあまさかこんな所で会えるとは思わなかった上に、最近お兄ちゃん分が足りないと思っていたから余計だよね。

そういえば見ないなあ……とは思っていたけど、計画も大詰めで忙しくって遊びにも行けなかったし……。

うん……お兄ちゃんか。


「……あやつに計画は話していないのだろう?」

「うん。これはあくまでも、昔からアインズヘイルに住む者の悲願だからね。新規移住者には……後でどうするか判断してもらう事にするのさ。勿論、反対なら生活等の保証はするけどね。おかげでボクも領民の一部も節約の毎日さ……」

「随分と懐いているようだが、あ奴が断ったらどうする気だ?」

「それは……しょうがない事だよ」


何よりも安定と平和を望むお兄ちゃんだもん。

その可能性だって無いわけじゃない。

むしろ、高いと言ってもいいだろう。

だからそれは、仕方のないことだ。

寂しいけれど、それでもこれはボク『ら』の悲願であり、ボクだけの想いではないからね。


「……もしあ奴がアインズヘイルを出るというのなら、余の国に招待してやるとするか。奴が作る物は大概面白い。余のライバルでもあるしな」

「はっ。君がお兄ちゃんのライバルだって? 器の違いに恐れおののくがいいさ」


何と言ったって、お兄ちゃんは大きいのも小さいのも女王様も、妹も弟もいける男だぜ?

……あれ? お兄ちゃんってそういえば隼人とも仲がいいんじゃなかったっけ……?

……んまっ!


「吠えおるわ。……失敗したら、貴様も来るがよい。その時は囲ってやる」

「……しないさ。そのための根回しだ。でもありがとう。その時は数千人を受け入れておくれよ。勿論、アインズヘイルまでお迎え付きだろうね」

「ふっ。余を顎で使うか。いいだろう。その分貴様をこき使ってやるから……死に急ぐなよ」


おっぱい信者の下で働くなんてごめんだから絶対失敗なんかするもんか。

準備は万端だ。

しっかりと連携さえしていれば、領民には危害が加えられる事は無いだろう……。

最悪、ボク一人の首謀という事にもできるようにしてあるしね……。


「すぅ……はぁ……あー心臓がどきどきしてきた」

「今更……柄にもなく緊張しているな」

「そりゃあ大一番が近いんだから緊張もするさ。あーあ……ここは一発お兄ちゃんに種付けでもされてくるかな」

「はっ。その態度を改めればチャンスはあろうものを……年寄りは面倒くさくていかんな」

「ははっ。馬鹿言うなよ。つまらない恋に意味はないだろう? 楽しんでるのさ。ボクが本気出したらお兄ちゃんなんて一瞬だぜ?」


そうともさ。

つまらない恋も、つまらない人生にも意味はない。

……そんなつまらない、意味のない人生を送らねばならない子が、昔のミゼラちゃんのような子がまだ沢山いるんだ。


以前、お兄ちゃんはボクに『戦争をする気か?』と言ったね。

戦争はしないよ。

戦で住まいを追われ、悲しみに暮れながらもアインズヘイルを作った先人やボク達が戦争なんてするわけないだろう。


だがボクは『平和的に解決する』とは言ったんだ。

……小を切り、嘘の上に成り立つ平穏を是とする王国に対して、平和的に『独立』を叩き付けてやるのさ。

フラグセッツ!

案内人さんはギャグ。こっちはシリアスだね。

全部まとめて12章でやるからね。


あとはまったり帝国で出来る事をして、最後に最大のフラグを落として、11章は締めかな。

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― 新着の感想 ―
[一言] >……小を切り、嘘の上に成り立つ平穏を是とする王国に対して、平和的に『独立』を叩き付けてやるのさ。 見え見えの分かり易いシナリオをここまで引っ張って読者に隠す必要があったのか疑問
[気になる点] >平和的に『独立』を叩き付けてやるのさ。 >「……あやつに計画は話していないのだろう?」 >「うん。これはあくまでも、昔からアインズヘイルに住む者の悲願だからね。 最も違和感を覚える…
[一言] アーノルドって処刑されちゃったのかな 追放くらいの扱いだったらアインズヘイルに抱き込めないかなって思った
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