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浮浪の不老者  作者: ポリ 外丸
第4章
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第93話 城壁作り

 今後の事を考え、ティノはダイトウの防衛の強化を計ることにした。


「……と言う訳で、町の防壁の強化をしようと思うんだけど……」


 まず、現在町の建築を指示している、クランリーダーのアドリアーノに話に行った。

 これからハンソーとの関係に注意を促し、もしもの為の防衛強化をティノがするとこを話した。


「……お前が言いたいことは分かった。今防壁の強化に関わるほど人はいない状況だ。お前が勝手にやってくれるなら別に文句はない」


 アドリアーノ達クランエローエの幹部達も、それぞれ町の建設に関わっているので、手の空いている人間はいない。

 防壁の強化は理解しているが、それに着手することができずにいたのも事実のため、アドリアーノからしてもティノの提案は願ったり叶ったりだった。


「そうかい。じゃあ勝手にやらせて貰うよ」


 アドリアーノの言葉を聞いて、ティノは笑顔でその場から離れようとした。


「そうだ! カセターニ家とグリマンディ家の連中はまだ着かないのかい?」


 人手が足らずアドリアーノ達が忙しいのも、ルディチ家と親交のあった、元リンカン王国貴族の2家の到着が遅れているせいでもある。

 以前1ヶ月で到着すると言われていたが、1ヶ月は当に過ぎているのだがまだ着かずにいた。


「今週中には着くそうだ。色々あって海路から来るそうだ」


 2家ともモーホクからハンソーに向かって、それから陸路でダイトウに来る予定だったらしいが、新聞でその2家がダイトウに向かっているのを知ったハンソー王国側は、どうやら到着を遅らせるような動きを取ったらしい。


「そうか。……急いだ方が良いかもな」


 その2家を遅らせるような行動を取ったと言うことは、着く前にハンソーはダイトウを手に入れるために動く可能性がある。

 その事を感じたティノは、防壁の強化を急いだ方が良いと思い、その場から移動していった。


◆◆◆◆◆


「ん~……、こりゃまずいな」


 町の防壁を見て、ティノは思わず呟いた。

 以前の木で囲っただけのような物から、石を積んで囲った物になってはいるが、高さが全くない。


「簡単に飛び越えられるじゃないか……」


 大人なら飛び越えられる程度で、城壁と呼ぶにはお粗末な状態である。


「苦労しそうだな……」


“ゴゴゴゴ……!”


 愚痴を言いつつ、ティノは魔力を右手に集め、土魔法を発動した。

 町の外側から放った土魔法によって、土が盛り上がり、城壁へと形を変えていった。


「ふ~……、こんなもんかな?」


 ティノの魔法によって、高さが5m位の城壁が出来上がった。


「先は長いな……」


 出来たと言っても、まだ横は3m位しか出来ておらず、町の周囲を全部やるには終わりが見えず、ティノは思わず呟いた。






────────────────────


「いよいよ勝負だなマルコ!」


 3回戦の準々決勝に勝ち進んだマルコとロメオは、とうとう本日第1試合で戦うことになった。

 会場の入り口前で、西と東の控え室に別れる前でロメオはマルコに話しかけた。


「訓練でマルコに一撃も喰らわせられなかったけど、今日は絶対一撃入れてやるからな!」


 ロメオはマルコとの訓練で、嫌と言うほどマルコの強さは理解しているつもりである。

 なので、ロメオは勝つとは言わず、一撃入れることが目標になっていた。


「そうはいかないよ。僕は痛いの嫌いなんでね」


 マルコもまだロメオには喰らうわけにはいかないと思い、軽いジョークでロメオに返した。


「じゃあな!」


 そう言ってロメオは、マルコに拳を突き出した。


「うん!」


 そう返事を返してマルコも拳を突き出し、ロメオの拳と軽くタッチした。

 その後2人は、無言で西と東に向かって歩き出した。


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