表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
浮浪の不老者  作者: ポリ 外丸
第4章
89/260

第89話 あっちこっち

 オルラルドの殺害はセコンド達に任せて、ティノは砦内の帝国兵を片っ端から消して行った。


「おっと!?」


 砦内の廊下を走り、人の気配がするところへ向かうと、3人の反乱軍が傷だらけで帝国兵達と戦っていた。


「まだ生きてたか……」


 その事に気付いたティノは、更に加速してその場に向かった。


“シャ!!”


 その場に着くと、ティノは剣で反乱軍を囲んでいる帝国兵達を切り刻んだ。


“ドサッ!ドサッ!ドサッ!……”


 そして、その場の帝国兵を倒し終えると、


「……回復薬は持ってるか?」


 と、怪我をしている反乱軍の男に声をかけた。


「あっ、ああ……」


 その男は、今起きた出来事に理解が追い付かない状態ながら、ティノに返事を返した。


「そんじゃ!」


 ティノは一言告げて、もう一組の反乱軍のメンバーの所に向かった。



◆◆◆◆◆


“タッタッタッタ……”


「……ヤバイ!」


 廊下を走りつつ気配を探ると、こちらの反乱軍のメンバーはほとんどやられて、最後の1人が止めを刺される寸前だった。

 その事に気付いたティノは、足だけ身体強化をして、音速並の速さで走った。


「!? ハッ!」


 帝国兵が、反乱軍の生き残りに剣を振り下ろす姿が見えたティノは、その帝国兵に向かって魔法を放った。


“パンッ!”


 ティノが放った高速火炎弾が帝国兵の頭に当たると、その帝国兵の頭が弾け飛んだ。


「!!? 何だ!?」


 頭が弾け飛んだ姿を見た他の帝国兵は、慌てて魔法が飛んできた方角を見た。


“シャ!!”


 しかし、そちらに顔を向けた瞬間、現れたティノを認識する間もなく命を落とした。


「…………あっ!? …あ、…んた、…は?」


 反乱軍の生き残った女性は、体中傷だらけの片足を失った状態で、途切れ途切れに言葉を呟いた。


「……待ってろ!」


 その女性の足が離れた場所にあったので、ティノは一言告げてその足を拾って持ってきた。


「…何、…を?」


 ティノのその様子を見て、女性は疑問の声を出した。


「……繋げる! ハー……」


 ティノは言葉少なに返し、魔力を集めて、切り離された女性の足を繋げるイメージで回復魔法を放った。


「…………フー! 後は深い傷を……」


 足を繋げる事にかなりの魔力を使い、一息ついた後、体の内臓近くまで切られた深い傷を回復させた。


「……よし。後は回復薬ででも飲んで直しな!」


 回復魔法によって一命をとりとめた女性に対して、ティノはそのように一言告げた。

 

「リリアーナ!!?」


 ティノが回復を終えて立ち上がると、そこに反乱軍のセコンドが現れた。






────────────────────


「全く……、楽勝かよ!?」


 マルコが西口から控え室に戻ろうとしすると、ロメオが少し呆れ気味に話しかけてきた。


「ははっ……、まぁね」


 マルコは苦笑ぎみに返事を返した。


「ロメオもそろそろ準備したら?」


 2人で話している間に、第3試合が開始されていた。

 ロメオは第4試合なので、マルコは軽く忠告した。


「……そうだな」


 その言葉の返事に、ロメオは少し間が空いた。


「……ロメオ、もしかして緊張してるの?」


 それほど長い付き合いではないが、これまでの付き合いから、マルコはロメオの顔が固くなっているように思えた。


「……ちょっとな」


 図星をつかれたロメオは、正直に呟いた。


「大丈夫! 力を出し切れば勝てるって!」


 これまでの訓練で、ロメオの実力は上がっている。

 それを側で見てきたマルコは、ロメオに太鼓判を押した。


「……おう! じゃ!」


 まだ固いながら気合いが入ったようなロメオは、軽い挨拶をした後、準備をするため自分の控え室に入っていった。


「……さてと、荷物取って客席に行くか?」


 ロメオを見送ったマルコは、自分の控え室に戻って荷物を取ってロメオの試合を観るために、客席に向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ