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浮浪の不老者  作者: ポリ 外丸
第4章
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第74話 砦内へ

 酒場から出たティノは、町から5分程離れた場所にある砦に向かい、暗闇に紛れて中に侵入した。


『入ったのは良いけど将軍はどこいるんだ?』


 砦の中には、隠れる場所があまり無いので迷っている暇はない。


“ガシャ!”“ガシャ!”


『!!? やばっ!』


“バッ!”


 見回りの兵士らしき足音が聞こえてきたので、ティノは慌てて天井に張り付いた。


“ガシャ!”“ガシャ!”


 天井がやや高かったのが幸いしたのか、兵士は気付かずティノの下を通りすぎて行った。


『あっ! そうだ!』


“スタッ!”


“ドカッ!”


 ティノは思い付いたように床に降り、歩いていた兵士を一瞬で伸した。

 そして、近くにあった部屋に連れ込み、兵士が付けていた鎧を剥ぎ取り、気を失っている兵士を縛り転がして、剥ぎ取った鎧を着て、何食わぬ顔で砦内を歩き出した。


『さっさと将軍を見つけないとな……』


 ティノは5階建ての砦内の将軍の部屋を探して歩きまわった。

 そして、ようやくそれらしき部屋を見付け出した。


『さてと、どう切り出そうかな……』


 侵入に関しては不安は無かったが、どうやって将軍に首を渡そうか、ティノは扉の前で考え始めた。


「……人の部屋の前で何をしている?」


 ティノが扉の前で顎に指を当てて考えていたら、右側から声をかけられた。

 誰かと思って見たら、オルラルド本人が立っていた。


「ハッ! オルラルド将軍に御報告したき事がありまして参上しました」


 ティノは兵士らしい口調で、オルラルドに言葉を返した。


「報告……? まぁいい、中には入れ!」


「ハッ! 失礼します」


 オルラルドに促され、ティノは室内に入っていった。


“ドサッ!”


「それで……、報告とは?」


オルラルドはソファーに深々と腰掛け、兵士の格好をしたティノに用件を問いかけた。


「ハッ! リンカン王国内における、ある情報を手に入れたのでお話に上がりました」


“バッ!”


「!!? ……リンカンの?」


 オルラルドは、深々と腰掛けていた体制から前のめりになり、話の先を促した。


「はいっ! リンカン王国2大公爵家のオルチーノ家、その嫡男の首を手に入れました」


「!!? …………貴様! 何者だ!?」


 話の内容を聞いたオルラルドは、ようやくこの兵士が自分の部下で無いことに気付いた。


“ニッ!”


「……それは秘密だ」


 正体がばれたティノは口の端をあげ、言葉遣いを変えてオルラルドに対応しだした。






────────────────────


 担任のアルマンドが他の生徒に向かって、マルコの実力の高さから参戦終了に決定した事を告げた。

 他の生徒も、マルコの戦いを見ていたので、アルマンドの言葉に納得と、戦わなくて済むようになった事に胸を撫で下ろしていた。


「……残念だな。ちょっとお前と手合わせしたかったけどな……」


 唯一、ロメオだけは残念そうにマルコに話しかけていた。


「また、その内手合わせできるって……」


 マルコは苦笑しつつ、ロメオの事をなだめた。


 結局マルコが外れたこの戦闘訓練で、優勝したのはロメオだった。


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