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浮浪の不老者  作者: ポリ 外丸
第4章
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第63話 説明

「敵ではない? 覗きの犯人がか?」


「覗き……? どういう事です? リーダー!」


 明らかに、エローエのリーダーが戦闘モードになった事で、他のメンバーもティノに対して身構え出した。

 そしてリーダーの言葉に、デボラが今にも飛びかからん形相で、ティノを睨みつつ問いかけた。


「あぁ、悪かったね。でも本当に敵ではないよ。何ならナイホソの状況を教えようか?」


“ピクッ!”


「何であんたが、ナイホソの状況が分かるんだ?」


 ティノの言葉を聞き、関心を持ったのか、リーダーは反応を示した。


「実はちょっと調べて来たんだ。……知りたいかい?」


「……聞かせてもらえるか?」


 リーダーは素直に、ティノから情報を聞くことにした。


「良いよ。まずここトウダイに集まった人間を、戦闘員と非戦闘員を合わせて、ざっと数えて約6000って所かな? ……で、ナイホソには戦闘員だけで5倍の30000はいたかな?」


 ティノは、室内のメンバー全員を見渡しながら説明を始めた。


「……くっ! そんなにか……」


 ティノの言葉に、ヤコボは苦虫を噛み潰したような顔をした。


「……で、指揮をとる貴族は…………」


 ティノは言葉を貯めて室内のメンバーの注目を集め……


「……オルチーニ公爵家嫡男、ベリザリオだよ」


「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」


 室内にいたメンバー全員が公爵家の名前を聞いたとたん、驚きと共に強力な殺気を放ち出した。


「…………オルチーニ公爵家」


「…………あの」


「……ルディチ家に濡れ衣を着せた張本人」


 誰からともなく1人言のように連鎖し、全員の形相が怒りに満ち溢れていた。


「……殺す! 刺し違えても必ず!」


 これまで1番冷静だったリーダーも、公爵家の名前が出たとたん、手から血が出るほど拳を握りしめていた。


「……怒っている所悪いけど、無理だね」


 ティノは空気を読まずに、しれっとつっこんだ。


「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」


 ティノのつっこみに、室内の全員が光線が出そうなほどの目で、ティノを睨み付けた。


「数が違いすぎるでしょ? 無理無理!」


 全員の殺意を受けても、ティノは平然と軽い言葉を繰り返した。


「……テメエ!」


 ティノの軽い態度に、気の短いデボラは押さえきれずティノに殴りかかった。


“トンっ!”


「……!?」


 しかし、一瞬でデボラの背後に回ったティノは、デボラの後頭部を人差し指で軽く突いた。


「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」


 ティノの実力の一端を見た全員は驚きで、一瞬で殺気が治まった。


「そんな皆に提案があります!」


 驚きで固まっているメンバーに、ティノはある提案をするのだった。






────────────────────


“カラ~ン!”“カラ~ン!”


 マルコとロメオが話していると、寮内に鐘の音が聞こえて来た。


「おっ! 確かこの時間だと食事の鐘かな?」


 自室の鍵と一緒に渡された、寮内でのルールが書かれた書類に目を通していたマルコが鐘の音に反応した。


「へぇ~、じゃあ、食堂行こうぜ!」


「うん!」


 会話をかわした後、マルコとロメオは2人で食堂に向かった。

 食堂には、半分位の生徒が集まっていて、全員同じメニューの食事をカウンターで受け取り、トレイに乗せて思い思いの席に座っていた。


「取りあえず、空いてるところに座るか?」


「そうだね」


 マルコ達も料理を受け取り、隣の席に座り食事を取り始めた。


「お前がマルコって奴か?」


 食事が終わり、片付けようとしていたマルコに、1人の生徒が話しかけてきた。


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