表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
浮浪の不老者  作者: ポリ 外丸
第3章
43/260

第43話 救出

「オラー!」


 チリアーコの護衛の1人、セラフィーノがロングソードでティノに襲いかかった。


“スッ!”


 しかし、その攻撃をティノは難なく躱す。


「ターッ!」


 躱したティノの背後から、チリアーコの護衛の女性カルロッタがショートソードを二刀流で攻撃を仕掛ける。


“スッ!”


 ティノは、これも余裕で躱した。


「ハァー!」


 2人の攻撃を躱したティノ目掛けて、タンマーロが魔法で火炎弾を放った。


“ボンッ!”


 ティノが立っていた場所に着弾した火炎弾が、大きな音を立てて爆発した。


「やったか……?」


 セラフィーノが、戦闘中言ってはいけない言葉を放つ。


「…………」


 火炎弾の爆発による土煙が晴れると、そこには無言で無傷のティノが立っていた。


「なっ……!?」


「無傷……!?」


「そんな……!?」


 3者は、それぞれ無傷のティノを目にして驚きを隠せなかった。


「S、A、Sランクってところかな?」


「「「!!?」」」


 ティノは、3人が正式冒険者だった場合の実力ランクを正確に呟いた。

 先ほどの攻撃で、無傷のティノを見て驚いていた3人は、その呟いた言葉に更に驚いた。


「痛い目に遭いたくなければ、大人しくしていてもらえないかな?」


 ティノの言葉を聞いた3人は、実力の違いを理解したのか金縛りに遭ったように固まった。

 そのことを見たティノは、無言でセラフィーノの横を歩いて通り過ぎた。


「……なっ!? 何をしているのですか!? 早くその男を殺しなさい!!」


 3人が何もせず、ティノを馬車に近付けていることに焦ったチリアーコが焦り、声を荒らげる。


「「「…………」」」


 しかし、チリアーコの言葉を聞いても3人は動く事が出来ず無言になっていた。


「何をして……、くっ……!!」


 3人に続けて文句を言おうとしたチリアーコだったが、3人が反応しないのでチリアーコは諦めて次の手段に動いた。


「近寄るな!?」


 馬車の中に入り、出てきたチリアーコは馬車からマルコを人質にして出てきた。


「!!? ティ、ティノしゃま……!?」


 チリアーコにナイフを突き付けられつつ馬車から連れ出されたマルコは、目の前にティノがいることに驚いた。


「おぉっ! マルコ! 無事で良かった……」


 マルコを人質に取られたティノだったが、出た言葉は、多少の傷をおった程度のマルコを見て安心したような言葉だった。


「うぅっ……、ごめんなしゃい……」


 ティノの顔を見たマルコは,申し訳無さから泣き出してしまった。


「…………」


 ティノは自分の揉め事に巻き込まれただけのマルコが、3才ながらティノを思いやる心の美しさに心を打たれた。


「マルコ!! 俺が訓練で言っていた事を思い出せ!!」


 しかしティノは、心を鬼にしてマルコにこの言葉を告げた。


「……!? ……!!」


 ティノの言葉を少し考えた後、マルコはティノの言葉の意味を理解した。


「……ハッ!」


“ボッ!”


「!!?」


 人質のはずのマルコが水魔法を放ち、チリアーコの手からマルコが離れた。

 マルコの突然の魔法に、マルコを離してしまったチリアーコは、慌ててマルコを捕まえ直そうと手を伸ばした。


“ガッ!”


 しかしその伸ばした手は、一瞬で距離を詰めたティノに捕まれた。


“ギリッ!”“ギリッ!”


「この子は諦めろ……!!」


 握力でチリアーコの手を握りしめ、ティノはチリアーコに忠告をした。


「痛たたたたた……、分かった! その子は諦める!」


 ティノに捕まれた手に強力な痛みを感じ、チリアーコはティノの言葉に従った。


「ティノしゃま……!!」


 チリアーコから救われたマルコは、助けてくれたティノに泣きながら足にしがみついた。


「無事か? マルコ……」


 足にしがみついたマルコの頭を撫でつつ、優しくマルコに問いかけた。


「ティノしゃま! じゅうじんしゃんをたしゅけてくだしゃい!」


「……?」


 助けたマルコの言葉にティノは首を傾げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ