表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
浮浪の不老者  作者: ポリ 外丸
第3章
42/260

第42話 護衛

「チリアーコさん! 消しました!」


 追いかけて来たティノに向けて魔法を放った男が、ティノの姿が見えなくなり、火の玉が直撃したのだと理解して、チリアーコに報告した。


「ご苦労様です! 護衛料金を奮発しただけありますね」


 この大陸に関わらず、夜に異動するのはとても危険だ。

 夜行性の魔物は多く、闇に紛れて襲ってこられると対処が難しい。

 その為夜に移動する時商人は、護衛を雇って移動するのが常識である。

 闇奴隷商のチリアーコは、ギルドに依頼が出来ないため、金に困った有力冒険者を金に物を言わせて雇うようにしている。

 今回雇ったこの魔法使いも、借金から奴隷に落とされそうになっていたのを肩代わりして、雇うことに成功した冒険者である。

 それと、この魔法使いの他にこれまでずっと雇ってきた近接戦闘タイプの護衛が他に2名いる。


「何者かは分かりませんが、仕方がない事です。気を抜かずに行きましょう!」


 この馬車を追いかけて来てる時点で味方で無いことは確かなので、確認せず人を殺した事を気にせず意識を馬車の操縦に移した。






――――――――――――――――――――


〝“ドンッ!”


「何だ……!?」


「なんのおとでしゅ?」


 馬車の中のマルコ達は外が見えない為、聞こえてきた爆音に驚いた。


「チリアーコさん! 消しました!」


 外から聞こえてきた護衛の言葉に、ちょっとした戦闘があったのだと分かった。


「外で戦闘があったみたいだな?」


 奴隷の首輪をした獣人の男は、頭に付いている耳をピクピクと動かし外の様子をマルコに伝えた。


「そうみたいでしゅね?」


 マルコはティノが来たことに気付かず、爆音による恐怖で身を縮めて固まっていた。






――――――――――――――――――――


「……!!? 止まれ!!」


「ヒヒーーン!!」


 光の魔道具によって馬車の前方を照らしつつ馬車は走っていたのだが、前方の街道に人が立っているのを見てチリアーコは馬車の手綱を引いて制止を促した。


「うわっ……! 何だ?」


 護衛の1人が、急停止にバランスを崩し慌てた。


「な、何ですか……? あなたは?」


 急停止によって馬車の操縦席から落ちそうになったチリアーコが、馬車の前方に佇む人間に問いかけた。


「……いきなり魔法ぶっ放ちやがって! 危ねぇだろうが!!」


 馬車の前方に立っていたのは、ティノだった。


「……!? まさかさっき追いかけてきた人ですか……!?」


 ティノの言葉を聞いて、チリアーコはさっきの人間だと気付いた。


「……護衛達! 出番ですよ!」


 すぐに考えを切り替えて、チリアーコはティノの殺害を護衛達に指示した。


「「おうっ!」」


「はいっ!」


 接近戦担当の護衛2人と、ティノに火の玉を放った魔法使いが馬車から降りてティノとの戦闘体勢に移った。


「カルロッタ! いつも通り俺が先行く!」


「分かったわ! タンマーロ! セラフィーノと私の援護頼むわよ!」


「……分かった!」


 ロングソードを持ったセラフィーノと呼ばれた男が先にティノに向かい、カルロッタと呼ばれたショートソードを二刀流に持った女性が、セラフィーノが作った隙を突くためティノの死角へと移動し、タンマーロと呼ばれた魔法使いが2人を援護するフォーメーションでの戦闘となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ