第36話 複数戦
モートウ大陸に渡ったティノ達は、最初の町のソーツを拠点にして行動することにした。
「たー!」
“ザクッ!”
現在マルコは、大型犬位の大きさの火を吐く蛙の魔物、ラーナ・ディ・フゥオーコを相手に戦っている。
「ゲコッ!」
2匹いた内の1匹がマルコにショートソードで斬り倒され、それを見ていたもう1匹が頬を膨らませる。
この蛙が、火を吐く兆候である。
“ボウッ!”
1瞬のタメの後、ソフトボール大の火の玉をマルコに向かって吐き出した。
「うわっ!」
マルコは、飛んできた火の玉を少し危なげに躱す。
“ボウッ!”
「やー!」
“ズバッ!”
続いて飛んできた火の玉を躱すと同時に、マルコは蛙との間合いを詰めショートソードで真っ二つに斬り倒した。
「フー!」
少し危なっかしい戦いだったが、1人で魔物を倒せたマルコは一息ついた。
「まあまあだな……」
ティノ達がこの町の周囲を回っていたら、丁度良くこの蛙の魔物を見つけた。
Eランクの魔物で、数匹の仲間と行動する習性があるこの魔物が、今のマルコの訓練に適していた。
今までは、1匹の魔物を相手に戦わせてきたが、いつも相手が1匹とは限らない。
その為、マルコに数匹の魔物と戦う練習をさせたいと思っていたティノは、都合の良い魔物がこの町の近くにいたことに、これで毎日温泉に入れると内心喜んだ。
「ちゃんと敵を視界に入れて戦うようにしないから危ない目にあうんだぞ!」
「はいっ!」
ティノは先程のマルコの戦いの修正点を伝え、また蛙の集団を探しに向かった。
「それと魔法も使いつつ戦うようにならないとな!」
「……むずかしいでしゅ」
毎日魔力を使い、睡眠を十分に取り、マルコの魔力は少しずつだが増えてきている。
魔力のコントロールはまだまだだが、あの蛙の火の玉を防ぐ位の水を出す事はできると思い、マルコに魔法を絡めての戦いもティノは促してみた。
しかし、魔法はまだ集中しないと使えないので、マルコは素直に呟いた。
「そうか……、まだ難しいか? じゃあ剣だけの戦いで良いからさっきの注意を忘れるなよ?」
「はいっ!」
よく考えたら3才にはまだ難しいかと思い、マルコの場合一気に色々やらせるよりも、1歩1歩進ませる方が合ってると思い、今出来ることをやらせるようにしようと考えた。
そしてしばらくの間マルコに蛙を相手に訓練させ、宿に帰り温泉で疲れを取る事を繰り返した。
――ステータス――
〈名前〉マルコ・ディ・ルディチ
〈種族〉人族
〈性別〉男
〈年齢〉3
〈能力〉Lv 6
HP 18/18
MP 32/32
攻撃力 11
守備力 11
力 9
素早さ 9
賢さ 10
耐久 9
〈スキル〉
剣術 (Lv 1/10)
水魔法 (Lv 1/10)




