第35話 温泉
タイトル通り温泉会です。
モーホク大陸にたどり着いたティノとマルコは、この大陸の特徴である温泉に入ることにした。
「おんせんははじめてでしゅ!」
「そういえばそうだな……」
ティノは、以前この大陸に来たことによって元々の風呂好きに拍車がかかった。
風呂つきの宿屋に止まることが多く、マルコもお風呂にはよく入っていたのだが、マルコを連れて温泉地に行ったことはなかった。
今回マルコは、初の温泉に入れることにワクワクしていた。
「まずは宿を探さないとな……」
はしゃぐマルコの手を握り、ティノは宿屋を探し歩いた。
「いらっしゃいませ!」
少しの間探していたら1つの宿屋を見つけ、ティノ達はこの宿屋に泊まることにした。
宿屋に入ると、店員のおばちゃんが元気に挨拶してきた。
「2人で1部屋お願いします。」
「あいよ! ん? お子さんちっちゃいから料金は1人分で良いよ!」
この宿屋を選んだ理由の1つが、そとから見たとき受付が女性だったからだ。
受付が女性の場合、マルコが小さいため大抵1人分で済む事が多い。
「本当ですか? ありがとうございます」
「いいえー、何泊の予定だい?」
「3泊お願いします」
「はいよー、食事は朝と夜は出るから食堂で食べてね。はい鍵!」
「はい、ありがとうございます」
ティノは、おばちゃんから鍵を受け取り部屋に向かった。
「マルコ! 荷物を置いたら着替えとタオルを持って大浴場に行くぞ!」
部屋に入り、ティノは荷物を片付けつつマルコに話しかけた。
「はいっ!」
マルコは、ティノの言葉を聞いて急いで用意をした。
そして2人は温泉に入るべく、大浴場に向かった。
「たのしみでしゅ!」
大浴場の脱衣場で、ティノに服を脱がしてもらいつつマルコは嬉しそうに話した。
「よし! 入るぞ!」
「はいっ!」
ティノも服を脱ぎ、大浴場のなかに入って行った。
「体を洗ってから入れよ!」
「はーい!」
ティノに言われた通り浴槽に入る前に、マルコは体を洗い出した。
「流すぞー」
小さい手で一生懸命体を洗ったマルコに、ティノはお湯をかけて洗い流して上げた。
「あつっ!」
体を洗い終わり、浴槽に入ろうとしたマルコだが少し熱かったのか、ちょっとお湯に付けた足をすぐに引っ込めた。
「温泉は少し熱めな事が多いから気を付けろよ。」
ティノはマルコにそう言って浴槽に入った。
「くー! 気持ちいいな……」
ティノは、温泉の気持ちよさに思わず声を出す。
「ん~……」
まだ少し熱いのか、マルコは我慢しつつゆっくり温泉に浸かった。
「ふ~……」
熱さになれたマルコも、リラックスして温泉を楽しんだ。
そのまま2人はのんびり湯に浸かり、船旅の疲れを癒したのだった。




