第34話 船旅
「ティノしゃま! これからどこへむかうのでしゅか?」
マルコは、これから向かうところがどういう所なのか気になり、ティノに笑顔で問いかけた。
「それなんだが……」
「……?」
ティノが少し言いにくそうにしているのを見て、マルコは首を傾げる。
「この大陸から出ていこうと思っている」
マルコには、出来れば両親の国を見せてやりたかったが、今の状勢では不可能だろう。
マルコ自身両親の国を見たいはずだと分かりつつ、ティノはこの大陸を離れる決断をした。
「……ほかのたいりくでしゅか!?」
ティノの予想とは反して、マルコはキラキラとした瞳で喜んだ。
「じゅうじんやまじんにあえるのでしゅか?」
「……ああ、モーホクの大陸に行く予定だからな、会えるぞ」
マルコの反応に戸惑いつつ、ティノはモーホク大陸への移動を伝えた。
「モーホクでしゅか~……」
マルコがどんな想像をしているのか分からないが、どうやら嬉しそうなのでひと安心してセービの港に向かい大陸行きの船を探した。
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「すごいでしゅ! うみでしゅ!」
モーホク大陸行きの船に乗り、出発してしばらくするとあたり1面の海にマルコはおおはしゃぎしていた。
「マルコ! あまりはしゃいで海に落ちるなよ!」
「はいっ!」
マルコに注意しつつ、子供らしい反応にティノもなごんでいた。
15日ほどの船旅は何事もなく進み、二人は無事モーホク大陸にたどり着いた。
「よしマルコ! 温泉に行くぞ!」
「ふぇ? おんせんでしゅか?」
この大陸は色々な所で温泉が湧いている事で有名な大陸である。




