第32話 現状
すいません昨日投稿し忘れました。今日の分と合わせて投稿します。
ルディチ家滅亡後の、この3年間リンカン王国は様々な事が起こっていた。
ルディチ家11代目当主フランコ・ディ・ルディチ、そしてその妻ルイーダ、更にその息子マルコは焼死し、ルディチ家の滅亡が王国全土に知れ渡った。
フランコの妻のルイーダの実家である公爵家、サヴァイア家には3つの有力貴族家が存在していた。
ルディチ家を筆頭に、カセターニ家、グリマンディ家の貴族がサヴァイア家を支え、前王とサヴァイア家によってこの王国は支えられて来た。
そして前王が亡くなり、サヴァイア家・ルディチ家が無くなった事によりカセターニ、グリマンディの両家は、現国王と2公爵の次の標的になった。
しかし、その事をいち速く察したカセターニ家は南のミョーワ王国に、グリマンディ家は西南のチョーダ王国に亡命する事で難を逃れた。
――――――――――――――――――――
この大陸の西には、オーセン王国の一部から、デンオー帝国と呼ばれる新興国が5年前に生まれた。
その出来たての帝国とオーセン王国が戦争を繰り返し、帝国はオーセンの東南地域を奪い取る成果を上げた。
帝国は、元々オーセンの軍のほとんどを率いて出来た国であった為、この結果は当然とも言えた。
この事に驚異を覚えたリンカン王国は西に向けて、帝国の北に位置するリューキ王国は大陸北部の統一に隣国リミド王国へと進軍した。
リンカン王国の西にあるラーオ王国は、西のオーセン・東のカンリン・南のチョーダに囲まれながら、長年領土を守り続けてきた。
だが、デンオー帝国によってオーセンの南部が奪われ、ラーオ王国は西南のデンオー帝国の動向にまで気を張る事になった。
そして、ラーオ王国は各国の侵略に対処出来ず、最終的にリンカン王国によって滅ぼされた。
それから帝国は東へ、リンカン王国は西へ領土の侵略を続けている。
――――――――――――――――――――
「そろそろこの国もまずいかな?」
リンカン王国はオーセンと、デンオー帝国はチョーダと侵略の為の小競り合いを始めている。
元々ハンソーと仲が悪いリンカン王国、更に好戦的なデンオー帝国は今の侵略がすんだら、次の狙いはハンソー王国になるだろう。
大陸統一を目指す時に、目の上のたんこぶの排除に動くのが分かりきっている。
ティノは、マルコをこのままこの国で育てるのは難しいように感じ始めていて、他の大陸に移るか考え始めていた。




