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浮浪の不老者  作者: ポリ 外丸
第3章
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第28話 パワーレベリング

 サブタイトルでバレバレですがパワーレベリングです。

「ティ、ティノしゃま! こ、ここは………?」


 今日は、朝からマルコを連れて近くの森に来た。

 この森はセービ周辺で最も危険な森で、場合によってはAランクの魔物が出る事もある。


「今日はここで魔物と戦う!」


「!!?」


 ティノに言われたことに驚いて、マルコは口を開いて固まってしまった。


「大丈夫だ! 別にお前にやらせる訳じゃない」


「…………?」


 ティノの言葉にマルコは首を傾げた。

 その姿を見て、ティノは1から丁寧に教えることにした。


「良いか? 魔物を倒すとレベルが上がる」


「はい!」


 ティノの説明にマルコは、昨日の夕食の時の事が嘘のように、元気に返事をした。


「じゃあ、1匹の魔物を2人で倒したらどうなる?」


「……? わかりましぇん」


 3才では分からなくて当然だ。

 また首を傾げたマルコの頭を撫でながら、ティノは説明を続ける。


「まあ、俺にもどう言った原理か分からないが、魔物に与えたダメージの割合によって分配されるらしい……」


「そうなのでしゅか?」


「あぁ……、と言うわけで、俺が魔物を痛めつけるからお前は止めを刺せ!」


「わ、わかりましゅた!」


「よし、じゃあいくぞ!」


 マルコの返事を聞いて、ティノはマルコを連れて更に森の奥に入っていった。

 ティノがやろうとしているのは、パワーレベリングである。

 マルコ自身で弱い魔物をコツコツ倒させるのが1番なのだが、昨日の様子を見る限りどうも難しい感じがしたので、あまり良くないのだが、こうすることにした。

 何故良くないかと言うと、確かにこれにより、レベルが上がりやすいのではあるのだが、スキルの修練にもならず、レベルの高さとは裏腹に技術は未熟な状態になってしまう。


「まあ、少しでもお前のレベルが上がればお終いだ」


 森の中を歩きながら、ティノは説明を続けた。

 今のティノからしたら、この森に住む魔物は大した驚異ではない。

 なので余裕の顔で奥へ、奥へと進んでいった。


“ガサッ!”


「シガャーーー!!!」


 ティノとマルコの正面から、タルタルーガ・ラピーダと呼ばれる足の速い亀が襲いかかって来た。

 この森において最強とも言えるAランクの魔物だ。


「わ、わわ……」


 普通の牛ほどの大きさのAランク魔物の亀が、ものすごい速さで近づいて来た為、マルコは恐ろしさから足を震わせて佇んでいた。


「待ってろ!」


“バッ!”


 ティノはマルコに一言告げると、魔法の指輪から剣を取り出し、亀に向かって走り出した。

 確かにこの亀は、動きの速さから高ランクの魔物だが、ティノからしたらその速さも止まって見える。


「ハッ!」


“ズバッ!”“ズバッ!”“ズバッ!”“ズバッ!”“ズバッ!”


 亀の懐に瞬時に飛び込んだティノは、連撃によって両前足・両後ろ足を切り飛ばし、更に首に切り傷を付けて、亀から大量の血液を吹き出させた。


「今だ! マルコ! あそこの首の傷口に剣を突き刺し止めを刺すんだ!」


「は、はいっ!」


 ティノは自分が付けた亀の首の傷を指差し、マルコに指示を出した。

 マルコは声を震わせながら返事をして、剣を構えた。


「う、うぅっ、ヤー!」


 震える体で意を決して、マルコは亀に向かって行った。


「ヤーーー!!!」


“ザクッ!”


 全部の足を無くし、血を大量に流した亀は身動きできず、マルコの剣が首に深く刺さった。


「グガーーー!!!」


“ドサッ!”


 止めを刺された亀は、最後に大きな声を上げて、長い首が地面に崩れ落ちた。


「ハア、ハア、ハア……」


 勇気を振りしぼり止めを刺したマルコは、肩で息をしていた。


「良くやったぞマルコ!」


 指示通りに頑張ったマルコの頭を、ティノは優しい笑顔をして撫でて誉めた。


「はいっ!」


 ティノに誉められマルコは嬉しそうに返事を返した。




――ステータス――

〈名前〉マルコ・ディ・ルディチ

〈種族〉人族

〈性別〉男

〈年齢〉3

〈能力〉Lv  4

    HP  5/12

    MP  4/11

    攻撃力 7

    守備力 7

    力   6

    素早さ 6

    賢さ  7

    耐久  6

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