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浮浪の不老者  作者: ポリ 外丸
第3章
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第27話 3才の戦闘

「えい!!」


“スカッ!”


 スライムを倒そうとマルコは、小さい体でショートソードを振り回す。

 しかし3才のマルコの攻撃は、躱されてばかりで当たらない。


「ピピー!」


 マルコの攻撃を交わしたスライムは、隙だらけのマルコに向かって反撃を仕掛けて来た。


「うわっ!?」


 襲いかかるスライムに恐ろしさから、マルコは腰を抜かす。


“パンッ!”


 スライムの攻撃がマルコに当たる寸前で、ティノの手刀によってスライムは弾け飛んだ。


「マルコ、大丈夫か?」


「はい……、しゅいましぇん……」


 これで7度目の失敗である。

 それにより、すっかり自信を無くしたマルコはうつ向いてしまった。


「まだ少し早かったのかな……?」


 魔物の中で最弱とも言えるスライムだが、さすがに何のスキルも無い3才児では、難しいかったのかもしれないとティノは思い始めていた。


「…………!?」


 ティノの呟きを聞いて更にマルコは落ち込んでしまった。


「あっ……!?」


 そんなマルコを見て、ティノは自分の呟きを聞かれたことに気が付いた。


「あまり気を落とすなマルコ! 次上手くやれば良いんだから……」


 本来は3才の子供に、スライムとは言え魔物と戦わせるなんて馬鹿げた行為である。

 マルコに限らず、3才で魔物を倒すことは難しい。

 しかし、マルコを強くする為にはレベルを上げるしかない。

 普通なら、小さい頃から武器の素振り等の訓練をする事によって、スキルを得てから魔物退治をさせるのが安全な方法なのはティノも分かっている。

 ティノは、十分年令を重ねてから戦った為、才能とスキルを持たなくても倒せた。

 そして分かった事だが、レベルが上がってからの方がスキルを獲得しやすいようだ。

 なのでマルコのレベルを上げて、スキルを獲得しやすくするため、魔物退治をさせているのである。


「……はい、がんばりましゅ……」


 ティノの期待に答えられない事に元気を無くしつつ、マルコは武器を構えた。






――――――――――――――――――――


 結局10回スライム退治を行ったのだが、1度もマルコの攻撃は当たらなかった。


「…………」


 ティノ達は、現在セービの町にいる。

 その宿屋で夕食を食べているのだが、先程からマルコは食事が進んでいないでいた。


「マルコ! ちゃんと食べないとダメだぞ!」


 原因は分かっているので心苦しいのだが、ティノはマルコに声をかけた。


「……はい」


 マルコは、やや弱々しく返事を返した。


「…………」


 その姿を見てティノも、隔世遺伝で自分に似てしまった事を申し訳なく思ってしまう。


『スライムなら倒すことが出来るかと思ったんだけど……、あまり良くないけど次の手で行くか?』


 マルコ自身の力で、魔物を倒すことが出来れば良かったのだが、今日の様子だとなかなか難しく感じ、ティノは心の中で次の手段に移る事にした。


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