第25話 子孫
「あう~……」
ティノの腕に抱かれ、嬉しそうにティノの子孫のマルコは声を出す。
カルロが貴族になり、自分が側にいる必要を感じなくなったティノは、色々な国を旅して回った。
しかしカルロの事は、いくら自分よりも老けても息子なので、年に数回は様子を見に行っていた。
そしてカルロが亡くなった後は、孫、曾孫と、子孫達の人生を遠巻きに見守って来た。
だが、現在ティノが抱いているマルコの父であるフランコが領主になってから、少しずつ不穏な空気が流れ始めた。
それでもティノが長い間見守って来た中で、何度か似た状況になったことがあった為、その内鎮まるだろうと思っていたのだが、事は一気に進みティノの救出は間に合わず、1族滅亡の危機に陥った。
1歩手前でマルコを助けられたので、滅亡ではないのだが……。
「お前はどうなるんだろうな……?」
ティノが調べた結果、ルディチ家は陰謀によって滅ぼされた。
フランコと妻のアイーダは、屋敷の火災によって焼死した。
国王軍の進行を察知し、息子のマルコを助ける為に、執事に託したのはどうやら正解だったようだ。
だが、この事を成長した時にマルコが知ったらどうなるだろう。
両親の敵を取るため復讐に走るのだろうか?
それとも真っ直ぐ新天地で生きていくのか?
「まぁー、どちらでもいっか……」
どちらを選ぶにしても、選ぶのはティノではなくマルコだ。
「あう~」
「お前がどちらを選んでも良いように育ててやるからな……」
マルコは、ティノの腕の中が居心地が良いのか終始笑顔でティノを見上げていた。
「随分人懐っこい坊だな?」
初対面のティノに、最初から懐いているマルコを見て、やや不安を覚えつつ子孫を育てる旅が始まった。
――ステータス――
〈名前〉ティノ
〈種族〉人族
〈性別〉男
〈能力〉Lv 574
HP 2186/2186
MP 6327/6327
攻撃力 672
守備力 609
力 528
素早さ 791
賢さ 1455
耐久 502
〈スキル〉
農業 (Lv 10/10)
火魔法 (Lv 10/10)
水魔法 (Lv 10/10)
風魔法 (Lv 10/10)
土魔法 (Lv 10/10)
雷魔法 (Lv 10/10)
闇魔法 (Lv 10/10)
光魔法 (Lv 10/10)
無詠唱 (Lv 10/10)
剣術 (Lv 10/10)
武術 (Lv 10/10)
錬金術 (Lv 10/10)
〈特殊スキル〉 不老
〈称号〉 浮浪者
今回で2章は終了です。次回から3章に入ります。
この物語を書き始めた時に思い付いた副題、〝子孫と一緒〟に入ります。




