第21話 提案
遅くなって申し訳ありません。
書いてる途中で寝てしまい、遅くなってしまいました。
「王子とは知らず、申し訳ありませんでした!」
ヴィットリオは、ティノと一緒にいた王子のアルミロをティノの息子だと思い普通に接していたのだが、王子だと聞かされすぐにひれ伏した。
「気にするでない。我らはティノ殿に救われた身、そのティノ殿を救ったそなたを多少の事で害そう等とは思わぬ」
ひれ伏したヴィットリオに、アルミロは優しく声をかけた。
「そうだ! お詫びと言っては何てすが、チョーヒヤ隣のセービまでは陸路より海路を使った方が速い、私がそこまでお送り致します」
王都のチョーヒヤへの道程が短縮されると聞いて、ティノはヴィットリオの提案に乗ることにした。
「漁の方は良いのですか?」
しかし、ティノからしたらありがたい提案だが、長い間ヴィットリオに、仕事である漁を休んで良いのか気になった。
「漁の方は、息子のジュリアーノに任せとけば大丈夫だ」
ヴィットリオには一緒に住む息子がいて、最近週の半分は、ジュリアーノに任せる事が多いらしい。
ティノを拾った時は、偶々ヴィットリオも漁に出ていたらしい。
「王子、彼にお願いしてもよろしいですか?」
「我々としても早く着けるのはありがたい。ティノ殿の判断にお任せします」
海での戦闘はあまり経験はないが、少しでも早く手足を治したいティノは、ヴィットリオの提案に乗って海から王都を目指す事になった。
陸路で1ヶ月の所、海路で約18日で王都の隣のセービまで行き、そこから1週間で王都に着くと言う道順でティノ達は向かうことになった。
「失敗した……」
船上にいるティノは、思わず呟いた。
長い間生きてきたティノは、船に乗っての移動も経験した事はある。
ただその時と違い、今は片手片足が無い状態である。
その為、船の揺れに慣れない片足では対処出来ず、酔ってしまいずっと気分が悪いティノだった。
「ティノ殿大丈夫ですか?」
船に酔い、何度も嘔吐するティノを見兼ねて、リヴィオは声をかけた。
「あまり大丈夫ではないですが、お気に為さらず……」
ティノは勝手な事を言っているとは思っているが、出来れば放っといてほしいと思った。
「騎士殿、船に酔ってる相手は放っとくのが一番ですぜ」
船旅の経験豊富なヴィットリオは、酔っている人間の心情を理解しているのか、ティノの望んだ事を王子の従者騎士であるリヴィオに告げた。
「初日からこれか……、これが18日も続くのか……?」
ティノは海路による移動を初日から後悔した。
この船に乗っているのはティノと王子のアルミロ、そして従者騎士のリヴィオと船長のヴィットリオ、そしてヴィットリオとその息子のジュリアーノの下で働く若手の船乗りが数名乗っている。
その中でティノ1人が船に酔い、船室で横になっていた。
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船旅の日数が進むにつれ、ティノはようやく船酔いに慣れた。
「ティノ殿! 私に魔法を指導して下さいませんか?」
船旅も残り半分になった時、顔色が元に戻ったティノに、アルミロはキラキラした瞳で話しかけてきた。
「私の魔法は我流なので、王子には相応しくないかもしれません」
ティノの魔法は全て我流、本を読んで、使う魔法を何度も練習する事で得て来た。
「私は3男の為、父も兄達にも期待されず、剣はリヴィオに習っているのですが魔法は全然習ったことがありません。ですので我流であろうと構いません。お教え願えませんか?」
他国とは言え、王族は王族で色々あるんだなぁと、ティノはのんきに思った。
「私の教え方で良ければ……」
そう言ってティノは、残りの王都までの旅路でアルミロに魔法を指導する事になった。
しかし、その時のティノは知らなかった。
後にティノの指導を受けたアルミロによって、ハンソー王国が他国よりも魔法に秀でた国家になるという事を……。




