第18話 ハンソー王国
ハンソー王国
ハンソー王国から見ると北西に位置する隣国、リンカン王国とはお互い不可侵の協定がなされている。
協定がなされる前は、国境付近で幾度となく戦闘が行われ、一進一退を繰り返していた。
西南にはミョーワ王国が有り、そちらとは友好的な関係を築いている。
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「あう~」
「ん~……、確かにカルロが赤子の時の面影はあるかな?」
マルコの顔を見て、ティノはかつて見た息子の面影を見た。
ティノは、現在ハンソー王国に来ていた。
リンカン王国では、マルコを育てる事など出来ない。
見つかれば即逮捕で即処刑だ。
「この国ならお前も大丈夫だぞ」
仲が悪い為、リンカン王国からの追っ手がこの国迄来るはずがない。
「この国は久しぶりだな……」
そう呟きながらティノは昔を思い出していた。
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昔トウダイ村でドラーゴと戦った後、川を流されたティノは、そのまま海に流された。
丁度その時ハンソー王国の船が通り、拾われたティノは、そのままハンソー王国に連れて行かれたのだった。
拾われてから1週間は、気を失ったままでいたので、気が付いたときは、ハンソーの港町の漁師の家に寝かされていた。
ハンソー王国に来て1週間後、目が覚めたティノは、助けてくれた漁師のヴィットリオの家で世話になっていた。
「ありがとうございました。ヴィットリオさん」
死にかけの自分を面倒見てくれたヴィットリオに、礼を言って出ていくことにした。
「本当に行っちまうのか? その体で……」
ヴィットリオは70才近くの老人だが、力仕事のせいか、かなりガタイが良い男性で、片手片足が無いティノの事を本気で心配していた。
ヴィットリオは片手片足が無いティノが、入水自殺したと思っていたのである。
「田舎に息子を置いて来ているので……」
ティノは、カルロと帰ると約束していたので、早くリンカン王国に戻りたいと思っていた。
「そうかい……、その体じゃ大変だと思うけど頑張りな!」
「本当にありがとうございました。この恩は必ず返しますので……」
ティノも命の恩人であるヴィットリオに、お礼に何か送ろうと思ったのだが、ヴィットリオ本人に断られ、今は何のお返しが出来ない為、そう言う事しか出来なかったな。
「あんま気にするなよ。今度は息子の顔でも見せてくれや!」
「ありがとうございました。それでは失礼します」
そうヴィットリオに言ってティノは、ハンソー王国の港町ジョセンから、リンカン王国の国境に向かって行った。
――ステータス――
〈名前〉ティノ
〈種族〉人族
〈性別〉男
〈能力〉Lv 108
HP 187/187
MP 407/407
攻撃力 93
守備力 89
力 87
素早さ 52
賢さ 227
耐久 71
〈スキル〉
農業 (Lv 4/10)
火魔法 (Lv 5/10)
水魔法 (Lv 6/10)
風魔法 (Lv 3/10)
土魔法 (Lv 3/10)
雷魔法 (Lv 2/10)
闇魔法 (Lv 2/10)
光魔法 (Lv 2/10)
無詠唱 (Lv 7/10)
剣術 (Lv 4/10)
武術 (Lv 3/10)
〈特殊スキル〉 不老
〈称号〉 浮浪者
ステータスをどうしようか悩んでいます。