第17話 滅亡
リンカン王国には3つの公爵家が有り、その中の1つサヴァイア家の3女、アイーダに見初められ、11代目当主フランコが、結婚をしてから次第に狂い始めた。
フランコは、歴代のルディチ家の当主と比べるとやや優秀と言った所である。
武術も魔法も領地経営も、特に秀でているわけではないが良い方である。
しかし、他貴族との腹の探りあいが苦手で、そう言った類いを極力避けて生きてきた。
リンカン王国は国王派と王弟派が有り、サヴァイア家は国王派、他の2家の公爵家は王弟派に別れていた。
そして国王が急死した。
国王の死には色々な噂が広がった。
病によって亡くなった、毒殺された、等の噂が広がったが、子供のいなかった国王に代わって王弟が次の国王になることになった。
そして新国王によって、前国王の死はサヴァイア家による毒殺と発表された。
サヴァイア家からしたら事実無根の話である。
しかし、他の2公爵家の裏工作によって証拠をでっち上げられ、サヴァイア家1族の死罰が与えられた。
そして、サヴァイア家の3女であるアイーダとその子供であるマルコも死刑を与えられた。
「そんな……、バカな!!」
王都から妻と子供を大人しく引き渡せ、との書状が送られてきた事に、フランコは激怒した。
「義父上が前国王を毒殺したと言うことだっておかしいのに、何故罪もない妻や息子を渡さなければならないのだ!!」
納得のいかないフランコは、新国王に何度も再捜査の進言と、妻と子供の罰の撤回を求めた。
だが国王はフランコの進言など聞く耳持たず、いつまでも妻と子供を引き渡さないフランコも同罪とし、貴族達にルディチ家討伐の命令が下された。
「ハァ、ハァ……」
1人の男が赤子を連れて、トウダイの町外れを身を隠しながら走っていた。
体に切り傷が有り、特に腹には深い傷を追ってかなりの出血をしている。
「グゥ……、マルコ様……」
“ガクッ”
赤子を抱いたまま男は力尽きた。
“ザッ!”
「間に合わなかったか……!?」
力尽きた男の前にティノは現れた。
「アウ~」
「赤子は無事か……?」
服にルディチ家の紋章がついているので、どうやら男はルディチ家の執事のようだ。
赤子を男の腕から持ち上げ、男の懐にあったルディチ家の歴史が書かれた本を取った。
「確か……、マルコだったか? こいつの事は俺に任せな!」
力尽きた男に語りかけ、マルコを連れてティノはその場を離れた。
もっと細かく書きたかったのですが、なかなか進まないと思いこのような形になりました。