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浮浪の不老者  作者: ポリ 外丸
第6章
150/260

第150話 退治

 ルディチ王国の王都、トウダイの西に位置するナイホソの町に、マルコはロメオとクリスティアーノを連れてやって来た。


「想像以上に荒れてるな……」


 マルコは、町の状態を見て思わず呟いた。

 町外れの田畑は荒れ、作物が枯れた状態で植わっていた。

 犬だか猫らしき動物の白骨も転がっていたり、どこからか腐敗臭が僅かに香って来ている。

 町を歩く人々は痩せ細り、骨と皮といった状態になっている。


「噂通り若い男性がいないな……」


 町の中を歩き回ると、老人と子供を連れた女性しかおらず、マルコ達を見ると逃げるように室内に入っていった。


「……やっぱり警戒されてるな」


 マルコとロメオは冒険者の格好をしているが、クリスティアーノは執事服のままついてきている。

 若い男性がいるだけでもおかしな事なのだが、そこに執事服の男までいる事に市民は警戒してるようである。


「クリスティアーノさん、何で執事服なの?」


 ずっと思っていたのだが、マルコが注意しないので黙っていたロメオが、我慢が出来なくなりとうとうその質問をする事にした。


「執事ですゆえ……」


「…………そうっすか」


 クリスティアーノの答えにならない答えに訳の分からない圧力を感じたロメオは、そこから先突っ込む事が出来なくなった。


「取りあえずここの領主の屋敷に行ってみよう!」


 話し合いをするにも、まずここのトップと会わないと話にならない。

 マルコ達は市民の警戒の視線を受け流し、領主屋敷に向けて歩いていった。



◆◆◆◆◆


「…………ボロボロだ」


 領主屋敷に着いたのは良いが、ここも暴動でも起きたのか、屋敷はボロボロでとても人が住んでいるようには見えなかった。


「どう致しますか?」


 クリスティアーノが、マルコに対して今後の行動を尋ねて来た。


「町の人にあたって見るか……」


 まだこの町に住んでいる人なら何か知っているだろうと、マルコ達は周辺を回って話をしてくれそうな人を探し始めた。

 しかし、クリスティアーノの服装が気になると言うだけでなく、こんな町にやって来た冒険者を疑問に思っているのか、町の人は室内に入ってしまって外を歩く人が見当たらなくなってしまった。


「困ったな……」


 話をすることが出来ず、町のメインストリートのど真ん中で3人は立ち尽くした。


「マルコ、どうすんだ? これじゃあ話し合いも何もあったもんじゃねえぞ」


 ロメオも、これではお手上げとばかりにマルコに話しかけた。


「……………どうしよう?」


 マルコも何も思いつかず、ただ良い方法がないか頭を巡らせていた。



「んっ? 何か来たぞ!」


 しばらく立ち尽くしていたら、遠くから数人の人間がマルコ達の方に向かって来た。

 

「あ”っ!? 何だあいつら!?」


 10人程度の若い男達が、マルコ達を見つけて近寄ってきた。


「……おもいっきり盗賊だよね?」


「……そうだな」


 姿からして盗賊風の男達は、武器を取り出してマルコ達を囲むように立ち止まった。


「ガハハハハ……、お前ら冒険者か? まあいい、持ってるもん全て出せ! そしたら命だけは勘弁してやらないでもないぜ!」


 リーダー格らしき男がにやけた顔で話しかけてきた。


「マルコ、もしかして……」


「そうみたいだね……」


 マルコ達を見て逃げていた市民は、どうやらマルコ達を盗賊の仲間だと思っていたのだろう。

 マルコ達が話しかけようにも、取り付く島もないのも頷けるといった感じである。


「オイッ! 聞いてんのかよ!?」


 小声で話すマルコ達が全く驚かないようなので、盗賊は高圧的な態度で脅しにかかった。

 その時、


「じいちゃんを返せ!」


「痛っ!」


 盗賊に対して、小さな男の子が石を投げつけてきた。

 その石は見事に盗賊のリーダーの頭に当たり、盗賊のリーダーは血走った目で子供を睨み付けた。


「この餓鬼ゃー!!」


 盗賊のリーダーは、持っていた斧を振り上げて、石を投げた男の子に向かって行った。


「ヒッ!」


 男の子は盗賊の男の形相に恐れを抱き、その場から動けなくなった。


「ふべらっ!!」


「盗賊風情が偉そうに……」


 男の子の手前まで来た男を、一瞬で先回りしたマルコが、キレイな右ストレートを顔面に喰らわし吹き飛ばした。


「少年! 室内に入ってなさい!」


 盗賊をぶっ飛ばしたマルコは、腰を屈めて少年の目線に合わせると、避難しているように話しかけた。


「……う、うん」


 目の前で起こったことに口を開けて驚いていた少年は、マルコに言われた通り近くの家の中に入って行った。


「ロメオ! クリスティアーノ! やっちゃいな!」


「おう!」「畏まりました!」


 マルコの言葉を待っていたかのように、ロメオとクリスティアーノは囲んでいる盗賊達に対して攻撃を開始しだした。


「へ、へめ~!」


 マルコの拳で鼻が折れ、前歯も無くなったリーダー格の男は、立ち上がると同時にマルコに向かって襲いかかってきた。


「……臭いな! お前風呂入ってないだろ?」


 斧を振り回す男の攻撃を躱しながら、マルコはメンタルに口撃を加えた。


「へめ~!!」


 マルコの口撃は成功し、男は怒りで攻撃が大振りになっていった。


「ふぎゃ!?」


 その攻撃に対して、マルコはカウンターで折れた鼻の部分を右ストレートで打ち抜いた。

 攻撃を受けた盗賊は、仰向けに倒れ気を失って動かなくなった。


「マルコ様、こちらも片付きました」


 マルコが倒した男を縛り上げていると、クリスティアーノ達の方も終わり、1ヶ所にまとめられていた。

 一応殺してはいないようで、全員気を失っているようだ。


「んっ?」


 盗賊達を全て倒し終わると、3人の老人達が隠れていた家から出てきてマルコ達に近寄ってきた。


「盗賊達を捕まえて頂きありがとうございます」


 老人達は、マルコ達に頭を下げてお礼を言ってきた。


中途半端な感じで終わってすいません。

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