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砕球!!  作者: 河越横町
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邂逅

 これで通算五作目になりますが、本作に登場する「砕球さいきゅう」という仮想スポーツは二年以上前に思い付いたものです。

 目指せリアル競技化!……というのは冗談です。観てみたいですけどね笑

 ではでは、戯言はこのへんで

 本作をどうぞよろしくお願い致します!

心力バイタル》。

 科学では説明できない人智を超えた異能の力。

 その力を一握りの天才たちしか持ち合わせていなかった時代はいつのことだろう。

 

 現在、全人類の九割以上が個人差はあれど《心力》を扱えるようになっていた。

 人類の性質が変われば社会が変わる。特殊な力を悪用した犯罪者たちは後を絶たず、それに対抗するための新たな組織が誕生した――しかし、それはまた別の話。

 

 漫画に出てくるキャラクターたちのように派手なことができるようになれば、それを使って何か楽しいことをしたいと思うのは自然なことだ。

 そう、つまり、人類の能力が変わればスポーツも変わる!


『来たぁあああああ! 四チーム総勢二十人の戦士たちが、待ち侘びた観客たちの惜しみない拍手を浴びながら登場だ! ゴリゴリに隆起した野郎の筋肉! 適度に引き締まった品のある乙女の肢体! 眼福なコントラストが織りなす至高のアンサンブルだ! しかし、ここは強者の集う戦場! 響き合うのは奇声と剣戟! それを民度の低いお前らの怒号と罵声、そしてほんの僅かな良心ちゃんこと悲鳴と喝采が閉じ込める!』


 砕球。

 ともすれば人を殺め兼ねない《心力》を存分に発揮できる、新世代の球技にして史上最強のスポーツ。


『さあ、そろそろ時間だ! 遠慮はいらねえ! 今日もバチバチにやり合おうぜ!』



「さあ、目にもの見せてくれ! やつらを叩き潰すんだ! 行くぞぉ!」


「自覚しろ! 誇りをもて! トロフィー取んのは俺たちだ!」


「……蛮族が喧しいですわね。ちょっと黙らせましょうか。豚に真珠。相応しいのは彼らではなく私たちです。勝ちますわよ、必ず。いざ出陣!」


「あーあーああ、皆さん、血相変えちゃって。恐い恐い。それじゃお客さん、ちびって逃げちゃうよ……砕球ってのは魅せるもんでしょうに。ってことだから、みんな――楽しんで天辺登ろうぜ」



《心力》を使った派手なアクションや、血は沸き肉躍る戦士たちの熱き戦いは、民衆の心をがっしりと掴み一躍人気スポーツへと昇進した。

 国際大会の開催。企業によるビジネス化等々。

 今では学生の砕球プレイヤーのための携帯端末や、砕球のプロを目指すための専門校までもが誕生したほどだ。

 

 そんな砕球の強豪校の一つ――九十九学園に、一人の編入生がやってきた。

 四月一日、同校の管理する西洋風の建物前にて。


(ここか……)


 蓮剛羽ましろこうはは手にしたメモから目を離し、眼前に屹立する苔むした建物に目を向ける。

 

 コミュニティ彩玉リ・バレッドの砕球強豪校、九十九学園の一般寮。

 蔓や苔で覆われた幽霊屋敷のようなこの場所で、今日から暮らすことになる。

 校舎から三十キロ以上も離れたところにあり、しかも小高い山の頂上に位置することから、正直言って交通の便はよくない。この寮とは別に学園敷地内にも一般寮があるらしいが、そっちは既に満員だそうだ。

 

 住めば都という言葉を信じ、剛羽は気を取り直して両開きの大きな木戸をゆっくりと開けていく。

 ギギィといった乾いた音に一抹の不安を抱きながら建物の中へと入ると。


「ヨーロッパだな」


 思わず感嘆の声を上げてしまう。

 染み一つない赤い絨毯。壁に飾られたお高そうな調度品の数々。屋内を明るく照らすシャングリラ。

 悲惨な外観とは裏腹に、一歩踏み込めばそこは海の向こうの世界にある建物だ。そして。


「ようこそ、円卓騎士寮へ」


 正面の階段を昇った踊り場に、一人の少女が腕を組んでこちらを見下ろしていた。

 腰の高さまで伸びるハーフアップにされた金茶色の髪。

 少し吊り気味の宝石のような紫紺の瞳。

 シックな色合いの制服を内側からぐぐっと艶かしく盛り上げる胸部や、スカートからすらりと伸びる健康的なお御足から、スタイルの良さは一目瞭然だ。

 

 同年代の男子たちと比べると異性への関心が薄い剛羽だが、今この瞬間ばかりは眼前の美少女に目を奪われていた。

 絵に書いたような、満場一致の美人。

 新雪のように白い肌や余裕と自信のある立ち姿も相まって、外国のお姫様のような雰囲気を醸し出している。

 

 よく言えば高貴な、悪く言えばプライドの高そうな印象だ。

 そして、そんな外見の印象を裏切らずに。


「早速ですが、これから試験を開始します」


 尊大そうな少女はその綺麗な髪を手でなびかせ、異論は認めいないと言わんばかりにそう宣言するのであった。


お読みくださりありがとうございました!


キャラクター紹介

蓮剛羽ましろ こうは、主人公

性別:男

誕生日:5月30日

年齢:15歳(高校1年生)

身長:175cm

ポジション:守手ガードフィールダー

好きなもの:家族。砕球。練習。チーム。食事


作者コメント:書・き・難・い!クールキャラ――一応、剛羽もクールキャラのつもりで書いてます――って難しいんですねと日々実感する作者泣かせキャラ。作者に盾突いてどうするつもりなの!?まあとにかく頼むよ主人公!!



~砕球ポジション解説~

球砕手ブレイク・フィールダー

 球を壊す人。試合開始と同時にできるだけ早く相手チームの球操手フラッグ・フィールダーを探して叩く。というシンプルな仕事が戦闘バ……動物諸君の間で大人気! 

 相手球操手を追い詰めれば追い詰めるほどサポートに来た動手(*次話のあとがきにて解説します)が湧いていろんなやつとたくさん戦えるぞ!

 通称「ブレイカー」「戦闘民族」「肉食系」「犬畜生」

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