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プロローグ
アタシは「外側」からアンタを見ていた。
頑丈なガラスで覆われたアンタはとても綺麗で、
ちょっぴり羨ましかった。
ああ、この黒い手が邪魔な壁をすり抜け、その美しく赤い体に触れることが出来たら。
……常日頃、そう思っていた。
私は「内側」から貴女を見ていた。
広い外の世界でしなやかに、自由に動き回る貴女を見ていて、微笑ましいと同時にちょっぴり憧れを抱いていた。
いつかこの水に覆われた世界を飛び出して貴女の胸に飛び込むことが出来たら。
……そんなことを思っては、悲しくなる日常だった。