王国の崩壊
我が王国が閉じていく
音の奔流 策を弄するあの男
月を中心に非対称に星々を
繋ぐ 銀糸
指差す乙女の向かう先
一度死んだ光なら恐がることはないと
そう言ったのは魔女だったか
最果てを己に見出だす
(貴奴は汝の敵なりき)
天の遣いの間を縫って
(あれらは汝の敵なりき)
我が王国の中枢へ
香りと音
それのみを頼りに
拘束が解かれるあの場所へ
腐りかけの衣を棄てるあの場所へと
開かれる扉は黒々と
見えない光で責め立てる
糸を断ち切り別れも告げずに
銀糸を、引き抜く