7,弱虫の笑顔。強がりの涙。
彼のためとか、彼女のためとか…カッコつける為の言い訳はたくさんあったけど…、
これはただの懺悔でしかない。
共犯者―弱虫の笑顔。強がりの涙。
堕ちるのは簡単だった。
どうにかすると言う一樹との約束は私の意地であり、懺悔だった。
頭がいい訳でもない私が思い付いた作戦はとても子供染みたもの。
「聞いた?綾ちゃんと一樹君が別れたのって、舞子が原因って言われてたでしょ?あれって全部嘘らしいよ。」
噂好きの女子達は私を食い物にする。
「えー、何それ?どういう意味?」
でも、それゆえに私の作戦は成り立っている。
「だからぁ、舞子が2人を別れさせようとして、一樹君と一緒に帰ったとか、キスしたとか嘘ついてたんだって!」
それ自体が私の嘘なのだが…。
人間と言うのは、なぜ人の噂がこんなにも好きなのか。
「舞子…最悪じゃん。」
…何とでも言えばいい。最悪なのは事実だ。
「私、あの子って昔から苦手だった。」
…仲良しなんて言葉でくくられた仲は、しょせんこんなもの。
「確かに元々そういう事しそうな子だったじゃん。」
話した事もないのに…よく言うよ。
私が堕ちていく…。
気付けば私は1人になっていた。
自分から望んだものだから、喜ぶべきなのかな?
悲しくない…涙なんか出ない。
楽しくない…笑顔ってどんな顔?
1日1日が長くて気が遠くなる。
焦る事はない。卒業は目前なのだから。
耐えていればいつかは終わるから。
じゃあ…いつかっていつ?
私が欲しいのは、いつかなんて未来の希望じゃなくて、自然と笑えるそんな日常。
「な…何言ってるのよ。」
慌ててコーヒーを口に運ぶ。
「日本が一夫多妻制なら良かったのに。」
一度自分の欲を口にした一樹はもう余裕に溢れている。
「綾が泣くよ。」
わざわざ綾の名前を出すのは自分への予防線。
「綾は…あの時に流した1回だけだけど…、俺、舞子の事何回くらい泣かせたかな?」
気を抜くと涙が溢れそうだった。
底が見えないまま…どこまでも堕ちる。
短い上に、絡みがまったくありません。
なんか…プロローグ的ですね。
でもこの1話が重要だと思ってます。
ありがとうございました。




