1,夢の始まり。悪夢の入口。
どっちが裏切ったかなんて、犯人探し、もう過去の事。
今思えば、全て夢だったのかも。
あの頃の想いも、涙も…全てあなたのウソが見せた夢だったのかも。
私は今も…夢に縛られたまま。
共犯者―夢の始まり。悪夢の入口。
あれは…中学3年生の時だった。
その年、中学に入学して以来初めて、綾と違うクラスになり、一樹とは久しぶりに同じクラスになった。
小学校の頃は仲が良かったと言っても、2年も話していない、親友の彼氏と言うのは微妙に距離を感じる相手だった。学校以外の接点は高校受験の為に通っていた塾なのだが、学年でもトップクラスの成績の一樹と、平均点60点の私が同じクラスなわけもなかった。
と言うわけで、記憶に残るような会話もせずに秋になった。
学校生活で、秋と言えば文化祭というのは定説だが、やはり私達のきっかけになったのは文化祭だった。
そう、始めはただの会話のきっかけ…だと信じてた。
秋になると暗くなるのが早くなってくる。普段ならこんな時間まで学校に残る事は許されないのだが、文化祭まであと1週間と迫った今、先生から放課後の長時間活動が許されたのは、本当に嬉しかった。
でも、私は1つ大切な事を忘れていた。
同じ方向に帰る友達がいない事。
自慢ではないが、私の地元は田舎で、夜に1人で歩くのは、それはもう怖いものだった。
「どーしよ。暗いし、怖いし、でも準備は残りたいし…。」
私にはこの頃から、焦ると独り言を言うクセがある。
ふと前を見ると…
《あっ、一樹だ。》
確かに彼氏も放課後準備に残っていたが、担当が違ったので見かけたのも一度や二度だ。
声をかけようかと思って…戸惑った。
《何話せばいいんだろ…》
クラスメイトに話しかけるのに戸惑う私は、意気地無しだろうか…?
それとも変な感が働いていたのか…。
「なぁ、江本…。そんなに後ろから睨まれると気まずいんですけど…。」
最初にそう切り出したのは一樹だった。
「ご…ごめん!話しかけようとはおもったんだけど…なんて声かけていいかわからなくて。」
その言葉を聞くと、一樹がフッと鼻で笑った。それが、相変わらずバカだなとでも言われたみたいで、
「1人で寂しいなら、一緒に帰ってあげてもいいよ。」
と強がりを言ってみた。
「相変わらずバカだな。」
「あっ、また言ったな!」
「一回しか言ってないけどな。」
2人の間に笑いが起こる。
これが全ての始まり。
私は手に持ったままのハガキに視線を戻した。
一樹からのメッセージの下にはケータイのアドレスが書かれている。
私は…まだ決めかねている。ただ、昔の友達に会うだけなら、こんなに迷わない。
別に悲劇の悪役になるつもりなんて無いし、ヒロインになんて…なりたくもない。
やっと話が始まりました。ここまで読んで下さった皆様ありがとうございます。
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