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翠玉の継承者  作者: ☆舞厨★
MISSION1
3/4

#3

六月十八日。

この日も授業が終了し、僕は七川と帰路を共にしていた。

「でさ、どう思う?零威」

「は?」

「だから、俺たちこれから大学進学するじゃん。その時の学費って、自分で払うもんなのかって思って」

「さぁ…?てかなんでいきなりその話?」

「別に、進路相談みたいなのがあったから」

「ああ、あったねそんなの」

「考えてみたんだけど、塾の講師って儲かるらしいじゃん。やろうかなって思ってさ」

「補習すらマトモに出ない奴に言えることか…?それ」

「無理か」

「無理だろ」

「ならファーストフードか?」

「よせ、給料以上に働かされるよ。勧めはしない」

「いらっしゃいませ、こちらでお持ち帰りですか?」

「無理矢理返そうとするな。店で食うのか先に聞け」

「御一緒にポテイトゥは如何ですか?」

「何でネイティブなんだよ」

「御一緒に甘藷は如何ですか?」

「甘藷は薩摩芋じゃないのか?」

「ふうむ」

七川は困ったように顔を下げる。

「アルマイトは俺には不向きなのか」

「アルマイトなら大向きだよ、お前」

そういう謎の事はこいつ得意だからな。

「第一、何でいきなりそんなこと言い出したの?」

「だってさ、大学生活マトモに送りたいじゃん」

「先に学校生活マトモに送れや」

「大学生活ってアパート暮らしが主流じゃん」

「そう…なのか?別に自分の家から通ってもいいんじゃないの?」

「そこで将来俺はここに住むことに決めたんだよ」

「ん?」

七川が指差す方向を見ると、そこには灰色の布で覆われた物が建っていた。

「ああ、建設中のアパートね」

「そうだ」

てか今までのコレは振りかよ。

さすがに長いよ。

「しっかし長い間建設してるよね。いつになったら完成するの?」

「え?一時期建設ストップしてたじゃん。知らねえの零威?」

「は?」

知らないぞ、そんなこと。

「あれ見ろよ」

「?」

示された方向を見ると、そこには電柱が一本地面から突き出ていた。

「この電柱がどうした?」

「そこじゃねぇ、下の方だ、よく見ろ」

「………あ」

視界に入ってきたのは、

「…花束?」

一輪の、花束。

献花台…ではなさそうだが。

「交通事故…?」

「理由は知らないけど、ここで最近事故があって人が死んだんだってさ。それで建設会社の奴らが疑われて、参加月くらい建設を自粛してたんだと」

「そ、そうなのか?」

全く知らなかった。

「ま、大方酔っぱらったおっさんが頭ぶつけて死んだとか、そんな感じじゃないの?」

「そんな仕様もない理由で花束設置されるか…?」

「ま、どっちにしろ関係ない話だけど。んじゃな」

「ああ、それじゃまた明日」

僕は七川と別れ、路地へ入って行った。



「………?」

視界が眩しい光に包まれた。

「なんだろう…これは」

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