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翠玉の継承者  作者: ☆舞厨★
プロローグ
1/4

#1

二作目投稿です

過去、と聞いて、人は何を思うだろう。


昔。

終結したこと。

思い出。

なかったこと。

トラウマ。

どうでもいいこと。


思い出、と聞いて、人は何を思うだろう。


楽しく遊んだ思い出。

つらい思い出。

失敗をした痛い思い出。

嬉しかった思い出。


殆どの人間が、『過去』と『思い出』に対して、深い考えを持っていないような気がする。

僕もそうだった。

大半の人間は、『過去』を過ぎ去った時間ととらえ、『思い出』を時偶現れるフラッシュバックの様な物にしか思っていないのだから。

僕も過去なんて考えずに、前だけを見続けて生きてきた。


あの何の変哲もなかったあの日の帰り道、『あれ』を拾うまでは。


今から話すのは、下らぬ僕の一人語りだ。


拾ってから世界が変わった、あの話を。




夕陽が照らす学校のチャイムが鳴り響く。

今日一日の学業の終結を知らせる音色だ。

「…帰るかぁ」

下駄箱の中のローファーを取り出す。

「よう!零威れい!!」

「ん…あぁ、七川ななかわか、どうした?」

「いやぁ別に?それより、早く家に帰って勉強した方がいいぜ!」

「…はぁ?」

「んじゃっ!!」

ローファーに履き替えるなり、七川は物凄いスピードで昇降口を駆けて行った。

「………?」

あいつ、あんな元気なやつだったっけ?

いつも気怠そうにしてる奴だと思ったのにな。

すると、背中に強い衝撃を感じた。

「ああっ!ごめん!三沢みさわ君!」

「なんだ、八代やしろか…。どうしたんだよ、慌てて」

「そ、それより、じょう君見てない!?」

「えっ…七川ならさっき走って帰って行ったけど」

「ええっ!?」

「………」

そんな目を見開いて驚かれても困る。

告白でもするつもりだったのか、こいつ。

「何かあったのか」

「だって城君…これまでに計五回補習サボってるから、それで今日も来ないっていうから、先生に頼まれて私が探してたの」

「…あそ」

なるほどわかった。

七川よ、冥福を祈る。

「あいつ、どうせ家に走って行ったんだろ」

「あ、本当?」

「お前、自転車だよな?」

「え?私?うんそうだけど」

「なら楽に七川を捕まえられんだろ。家に逃げ込まれるまでに早く捕獲して来いよ」

「分かった!また明日ねー!」

ローファーに履き替えるなり、八代も物凄いスピードで昇降口を駆けて行った。

「七川…」

あいつ、そんなに補習サボってたのか。


そして僕もローファーに履き替え、私立鮫島高校を後にした。



学校から徒歩二分の所にある地下鉄若松河田駅、その駅の正面にある建物の横の路地へと、僕は入っていく。

その路地の左曲がり角にある一軒家が、僕の家だ。

「ふう…」

溜息をつき、道を歩く。これから家に帰り夜が過ぎて朝が来て学校に行く、ような決まりきったルーチンワークが続くのかと思うと、少し憂鬱な気持ちにもなる。

「…ん?」

晴れない気分だったため自然と頭が下がる。その視界に、小さな光が飛び込んできた。

「………?」

気になって近寄ってみると、それは宝石だった。

少し大きめのエメラルドが、綺麗な光を放っている。

「本物だ…誰が落としたんだろう」

………。

「見てるだけならいいよな…?パクるのはさすがに駄目だけれど」

そして、しばらくそれを眺め続けていた。


その刹那、

全くスピードを緩めない一台の乗用車が、僕に向かってくる。

「………ッ!」

気付いた時には時すでに遅し、何せ宝石が落ちていたのは車道だったのだから。

思いっきり歩道側から外れていた。

そのまま乗用車のバンパー部分が、僕に真っ直ぐ突き刺さった。

「ぐアぁっ!!!!」

力のエネルギーはおさまらない。そのまま僕は重みを失った紙切れのように吹っ飛んだ。

「ぐぅ…」

そして、


息が、途絶えた。

設定がわん@の物といきなり被ってしまったので

設定変えます


指輪から宝石になりました

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