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質問

又、あの長いローかを、歩かされるのか

と、部屋を出てうんざりしていたら、希奈さんが部屋の扉の壁を二回、ノックした。



「"…………はい……"」



何処からか、聞こえた声に驚いたが、キョロキョロ辺りを見渡すと、希奈さんの前に、小型の画面が現れていた。



「テストする、プランDを頼む」

「"……了解………………"」



プランって事は、他にも、テスト内容があるのか

でも、何でDなんだと、思っていたら、小型の画面が消えて、壁だった所が、開いた。

ここは、秘密基地か!

そこに次に現れたのは、赤い布が敷かれた、階段。



「それでは、軽くテスト内容を、説明させていただきますわ」



現れた、階段の前に立ち塞がる様に、微笑みながら、立った。



「先ず、合否は、ありませんわ。貴殿方は既に採用された身。このテストは、丹に貴殿方にあった、能力を探すための物ですわ。ですから、失敗したら、クビなんて事、絶対にありませんから、ご心配なくってよ?」

「因みに、お前らがやる、テストプランの達成者は……0だ」

「「!!」」



俺の聞き間違いかと、思った。

だが、律も驚いているところを、見ると、どうやら、聞き間違いではないらしい。

達成者0のプラン、どれ程難しいんだろう。

俺が、疑問に思っていると、律が俺より、一歩前へ出て、手を上げ口を開いた。



「……3つ質問、良いですか……?……」

「どうぞ」



微笑みながら言った、マリアさんを見て、律はゆっくり上げていた手を下ろした。



「…………マリアさんは、このテストは能力を探すため、って言いましたよね?……その、能力ってなんですか……?」

「そうですわね…………例えば、先程お会いになった、貞子……じゃ、なかった、髪の長い女性。彼女は、雨実(アマミ)ちゃん、ここの科学者でして、私達が使う、道具は全て彼女が作っているんですわ。貴殿方と初めて出逢ったときの、戦車。あれは戦車じゃなくて、雨実ちゃん力作の、車ですわ。」



貞子、恐るべし。

心の中で呟いた俺は、又、マリアさんの話を聞く。



「つまり、それが雨実ちゃんの能力。機械で、家でも、車でも、ましてや人までも創れる能力。…………まぁ、簡単に言ってしまえば、人がより才能を発揮できる、事。それを私達は、能力と呼びますわ。」



成る程、馬鹿な俺でもわかる、見事な説明だった。

俺が、感心していると、律が次の質問を聞き始めた。



「……達成者0って、どういう意味ですか」

「そのままの意味ですわ。貴殿方がやるプランは、貴殿方を合わせなくても、数えきれない程の人がやりましたわ。しかし、その中の一人もプランを、最後まで受けた者はいません。他にも、プランはありますが、どのプランも達成者は0。」



どうしてかしら、と溜め息混じりに呟いたマリアさん。

そんなにやったのに、達成者0って……俺達最後まで受けれるのか?

先ず、俺が出来ても、律がなぁ…………メチャクチャ不安だ。

そんなことを考えていたら、律が最後の質問を聞き始めた。



「今更ですが、バイト内容ってなんですか?」



律の言葉に驚いた、マリアさん達。

勿論、俺も。

マリアさん達は、驚いた顔のまま、俺の方にクビを回す。

マリアさん達の顔を、見ていた俺は目があった瞬間、拭いてしまった。

実に恥ずかしい。

普通、バイト内容を、知った上で面接とかに来るもんだ。

しかもこいつは、バイト内容も知らないで、俺を誘いやがった。

確認しなかった、俺も悪いが。

頭良いんだから、自分で調べとけよ!

心の中で、突っ込んだ。

今、律は俺より一歩、前に出ているから、顔が見えないが、きっと真剣な顔で聞いたんだろう。

端から見れば、俺達は只の間抜けだ。

全く、呆れて物も言えないとは、まさにこの事だ。

沈黙の空気を変えようとしたのか、マリアさんが咳払いをした。



「……バイト内容は、トレジャーハンターの、手伝い。つまり、ここにいるボスの、アシスタントをしていただく事ですわ。」

「具体的にどんな、アシスタントですか?」



間抜けな俺達に、ちゃんとバイト内容を、教えてくれたマリアさん。

それに又、質問を重ねる馬鹿が一人。

もういいよ!内容、説明して貰えただけで、充分ありがたいわ!

いい加減、注意してやろうと、口を開こうとした俺より先に、マリアさんの口が開いた。



「う~ん、この話は、長話になるので、普通テストが終わってからゆっくり、話すものなんですけど……良いですわ。先ず、ここの仕組みについて、お教えしますわ。ここの仕事は主に、2つ。1つは、依頼を請けて、お宝を探し、それを依頼人に高値で売り付ける。2つは、ボスが欲しいと思った、お宝を見つけ、それを保管する。ボスはトレジャーハンター……つまり、お宝を探してとるのが仕事。そして私達は、その時に、使う道具、必要な情報の提供や、安全に保管したり、依頼人との交渉をしますわ。ですが貴殿方がやるのは主に、後者。私達と同じ仕事ですから、ご心配なく。まぁ、時々ボスと一緒に、現場で危機体験して貰うことも、あるでしょうけど。」


貞子



氏名・伊藤雨実(イトウアマミ)

年齢・不明

職業・トレジャーハンター補佐

能力・科学

その他・元、引きこもり。髪は顔が隠れるくらい長い。

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