プロローグ
俺が、今いる場所は
南半球に浮かぶ小さな島。
「白い砂浜! 青い海! そして、ナイスバディな、お姉さん!!。」
俺は、目の前ので馬鹿言っている、悪友を殴った。
悪友……憂樹律は、俺に殴られた所を涙目になりながら、自分の手でそこを、撫でている。
涙が出るほど、強く殴った覚えはないが……どちらにせよ、自業自得だ。
俺こと日向火景は、律と共に島の洞窟で、[あるもの]を探索中。
ここまで来るのは、苦難の連続だった。
気持ち悪い、生き物に襲われ。
インディアンみたいな、裸族に襲われ。
夜は、又、気持ち悪い、生き物に襲われ、寝る暇を惜しんで、逃げた。
何故、楽しい夏休みに、そんな辛く苦しい思いまでして、背筋が凍りそうな生暖かい風が吹く、薄暗いジメジメした、洞窟に居なきゃいけないんだ。
しかも、今日は、夏休み最後の日……。
普通の人なら、バカンスから帰ってきて、焦げ茶色に焼けた肌を恨みながら、悲鳴を上げて風呂にでも入ってることだろう。
だが、俺の肌は焦げ茶色どころか、茶色にだって焼けてない。
そらそうだろう、だって俺は夏休み中、ずっと飛行機で世界を飛び回ってたからな。
一見楽しそうな、バカンスに思うだろうが、全然違う、最早馬鹿ンスだ。
振り替えって見れば、今年の夏休みは散々だった。
そもそも、散々な夏休みになったのは、律に訳のわからない、バイトに誘われ、バイト先に連れていかれた事から始まった。
――そして、驚くことに、そこのバイト内容は
世界各国を周り、宝探しの手伝いをする事……
最初は、スケールがデカイと、思ったがやってみると、スケールがデカイ以前に、危険度が半端ない。
前に、フランスのパリでの仕事で、絶景の夜景を撮りたいがために、エッフェル塔に上らされたことがあった。
なかなか、綺麗だったが上り下りするときは、一時も、気が抜けなかった。
命綱はしていたが、あんな高いところに上らされれば、誰だって気が抜けない。
気を抜けば、あの世に真っ逆さま。
律の野郎は、高所恐怖症と言うことで、俺が一人で行かされたわけだ。
その前は世界一デカイ鮫の黄金色の歯を、採りに行かされた。
勿論生きた、鮫だ。
歯を採ろうと、手を口に突っ込もうとしたら、急に鮫の口が閉じて、手が無くなったかと思った。
そして少し、血は出たが見事、鮫の歯をゲットした。
イン○ィージョー○ズか、俺は?!
歯をゲットした瞬間、突っ込んだ俺。
もっと驚いたのが、鮫の歯が手で簡単に抜けたことだ。
もともと、抜け掛けだったらしい。
律の野郎は、泳げないと言うことで、又、俺一人でが行かされた。
……薄々気づいていたが、律はこの夏休み、全然働いていない。
俺が、体張って仕事をこなしているのに、この馬鹿は傍で応援するだけ………………。
――いや、ぶっちゃけ応援すらしていない。
だから、今回は嫌がる律を引きずりながら、ここまで来た。
そしたら次は、ここに来て、海だ、砂浜だ、お姉さんだと、騒ぎ出す始末…………。
人が大事な夏休みを無駄にしてまで、付き合ってやったと言うのに……それが、冒頭で殴った理由だ。
だが、そんな散々な夏休みでも、楽しいことはあった。
それは、バイト先での出逢いだ。
機械いじりが得意で、何でも作れるかなり貞子似の天才
萌えっ子LOVEで、ゲームの話をすると、エンドレスに、ゲームは良い、特に萌えはと語ってくるオタク
部屋には鞭、三角木馬、完全に拷問道具であろう
代物を置いている気が強い超ド級のM
同室で、いつも弟のMを虐めている、気が弱い超ド級のS
お嬢様生まれのお嬢様育ち、超英才教育を受け、武術、剣術、銃術何でもこなす、生粋のセレブお嬢様
天才・オタク・ドM・ドS・お嬢様
彼らをまとめあげるのが、世界の宝は自分の物、金を愛し、美しいものを好み、財布が軽いのを嫌い、汚いものを拒む、俺と同い年の男勝りな女の子。
みんなその子をボスと、呼ぶ。
聞いただけで、わかると思うが全員、変わっている。
唯一マシなのが、お嬢様位だ。
逆にこの中で、一番変わってるのはボスだろう。
こんなに変わっている人達だと、出逢いも普通じゃない。
いや、こんな人達だからこそか……………………。
俺が変人達と出逢う、きっかけになったのは律のせいだ。
否、律のおかげでもある。
主人公
氏名・日向火景
年齢・16歳
職業・高校生
その他・喧嘩は強い。
運動神経も良い。
でも、馬鹿。
無口な姉と、姉みたいな義妹と、生活中。
父と母は、主人公が6歳の時、登山をしていて行方知れず。
余り、友達を作るのが得意じゃない。
友人
氏名・憂樹律
年齢・16歳
職業・高校生
その他・頭が良い。
友達も多い。
運動神経はダメダメ。
よって喧嘩はもっと、ダメダメ。
父は借金を作ってしまい、母と律を置いて逃げた。
以来、母はこつこつ働き、律を世話しながら借金を全部返済した。