第5話「目覚/登校」
...?ここは?
セバスチャン「目を覚ましましたか...。」
アズマ「セバスチャンさ――っ!!」
突如として腹部に激痛が走る。
セバスチャン「あぁ!動かないで下さい。傷が開きます。」
アズマ「傷?」
自分のお腹を服を捲り見ると、驚く程の包帯が巻かれていた。
アズマ「うわぁ...」
セバスチャン「その傷で今起きれる事が吃驚ですよ。」
アズマ「僕はどのくらい寝ていたんですか?」
そう聞くと、セバスチャンさんは逡巡の間の後に話した。
セバスチャン「...1ヶ月です。」
アズマ「い...1ヶ月?!――っ!」
再び響いた傷を抑えながら驚いていると、僕の寝ているベッドにうつ伏せになっていた姉さんが起き上がる。
アン「アズ!?アズ〜〜」
アズマ「ってて!」
アン「あっ...ごめん」
抱き着いてきた姉さんの目には涙が浮かんでいた。
アズマ「心配かけてごめんね」
アン「ううん...いいの。アズが無事だもん」
姉さんが僕の無事に安堵していると個室のカーテンが走り開く。
ラティーナ「おや、起きましたか。」
アズマ「あ...あなたは?」
ラティーナ「おや、自己紹介がまだでしたね。私はアイヘディズ学園学園長の『ラティーナ・ベントクライ』です。」
アズマ「学園長さん?!」
ラティーナ「そのままで良いのですよ、貴方は病人なのですから。」
そう言い、腰掛けるラティーナ学園長は話し出す。
ラティーナ「貴方の懸念点は分かりますよ。入学の件ですよね。」
「実はあの後、国内でも少し揉めまして。まぁ、結論として入学が決定したのですが。」
アズマ「揉めたって言うのはどういう...?」
ラティーナ「無能力者が三強の一角を打ち倒したのです。それで国内で不安の声が挙がってしまって。」
アズマ「それは...何かすいません」
ラティーナ「いえいえ、アンちゃんの弟と言えば全員納得いたしましたよ。」
そう言われ、僕に抱き着いている姉さんに目を向けるといつの間にか寝ていた。
ラティーナ「それと、貴方に特別な授業を受けてみて欲しいのです。」
アズマ「特別な授業?」
ラティーナ「えぇ、魔生学は知っていますか?」
アズマ「確か、ダンジョンに生息する魔物を学ぶ教科...?」
ラティーナ「予習は済んでいた様ですね。」
「魔生学はBランクからAランクに上がる際に使い魔を召喚する儀式を行うのですが、特例でその儀式を受けて頂きたく思っていて。」
アズマ「使い魔って姉さんのシャペルとかですか?」
ラティーナ「えぇ。アンちゃんのシャペルは影犬の使い魔です。」
アズマ「それじゃ、お願いします!」
―――7日後―――
退院した僕はセバスチャンさんに案内して貰いながら初登校をしていた。
セバスチャン「おぉ!そういえば、まだアズマ君の寮を伝えていませんでしたね。」
アズマ「寮っていくつかあるんですか?」
セバスチャン「はい。寮は3つに分けられて、それぞれ『猫寮』『蛇寮』『羊寮』の3つです。アズマ君の寮は確か羊寮だった筈です。」
「丁度、ここが寮塔の入口ですね。」
寮塔は1階から入れる様だ。
セバスチャン「荷物は明日、アン殿が持って来てくれるとの事ですよ。」
アズマ「はい、分かりました。」
セバスチャン「ぜひ、同室の方と仲良くしてあげて下さいね。」
アズマ「もちろんです。案内ありがとうございました!」
セバスチャン「いえいえ。学園生活、楽しんでいって下さい。」




