第11話 特待/教師
数日後―――
僕とディークはあの事を学園長に話した。
学園長が言うには『相手の目的と出方が分からない以上、警戒しかする事が無い。』らしい。
そして、1ヶ月に1回の学力テストが終わり、結果が食堂前に張り出されるらしい。
シエン「アズ〜、アリス〜、ルーディ〜、早く早く〜」
ルディア「今行くよ〜」
アリス「急いだっていい事ないわよ。」
僕達4人はテスト結果を見に行った。
シエン「よっしゃ〜!682点!」
ルディア「よし!694点だ〜!」
アズマ「アリスはどうだった?」
アリス「ん、688点よ。」
「そう言うあなたは?」
アズマ「えーと、僕の点数は...」
僕は食堂前に張り出された点数表を下から登っていった。
アズマ「あった、648点。」
アリス「やっぱりあなた、特能学の実技は0点なのね。」
アズマ「まぁ、仕方ないね。」
そうアリスと会話していると横から声がかかる。
?「君達が羊寮の特待生候補の1年かい?」
声の方を向くと水色がかった白髪の男性と黒髪に赤メッシュの入った男性が立っていた。
アズマ「羊寮1-1のアズマです。」
アリス「同室のアリスです。スエラレギン先輩」
スエラレギン「あれ?俺の事知ってる?」
アリス「えぇ。3年連続特待生保持者のスエラレギン先輩に3年連続学園内成績1位のラーゼルファン先輩。」
スエラレギン「1年に知られてるとは光栄だね!ゼル。」
ラーゼルファン「...」
スエラレギン「はぁ...相変わらずだねぇ、ゼルは。」
「ま!いいや、俺は『スエラレギン・グレイシアス』蛇寮の4年生、こっちの仏頂面は『ラーゼルファン・ロッドマン』俺と同じ寮の4年生だ。」
アリス「それで、何か用ですか?」
スエラレギン「特待生になると生徒会としての席も同時に用意される。今日の放課後に生徒会室に来て欲しいって話。」
アリス「分かりました。同室の特待生のシエン、ルディアにも言って置きます。」
スエラレギン「そう?ありがとさん♪」
そう言った瞬間、スエラレギン先輩がラーゼルファン先輩に首根っこを掴まれた。
ラーゼルファン「要は済んだ。行くぞ、レギン。」
スエラレギン「ちょちょちょ、ゼル?!俺はまだ用が――」
ラーゼルファン「お前の分の生徒会の仕事が山積みだ、今日1日は仕事をしてもらう。」
そう言いながらラーゼルファン先輩はスエラレギン先輩を引きずって行った。
アズマ「凸凹コンビだね、あの先輩達。」
アリス「入学した時からあの調子だったらしいわよ。」
アズマ「それは...凄いね...。」
―――――
寮室に戻った僕達4人は先輩に言われた内容を2人に言う。
アリス「そう言えば、アズマ以外の3人は、特待生になったわよね。」
ルディア「そうだね!」
アリス「それでスエラレギン先輩から伝言を預かっていてね。新たに特待生になった3人は放課後生徒会室に来て欲しいそうよ。」
その言葉にルディアは怪訝な顔をして返す。
ルディア「え...今日は放課後バイト何だけど。」
シエン「じゃあアズ君に出てもらえば?」
アズマ「...え?僕?」
突然の方向転換にびっくりする。
シエン「うん。だって特待生になる為の条件って『学力テストで650点以上を取る事』と『学園内成績の上位10人になる事』の2つで、1つは満たしてるじゃん?だから放課後に余裕の無いルーディの代理としてアズ君が出ればいいんじゃない?」
アズマ「ルディアと学園長先生が良いなら僕は良いけど...。」
ディーク「宜しければ私がラティーナ殿に確認しましょうか?」
ルディア「ぼくも行くよ。元はぼくのわがままだし。」
アズマ「それじゃあディーク、学園長先生に念話で今から行っても大丈夫か聞ける?」
ディーク「えぇ。只今『10分後に迄に来て頂ければ』と言伝を貰いました。」
ルディア「それじゃ、早速行こうか。」
―――――
――コンコン、コンコン。
アズマ「失礼します。」
ラティーナ「えぇ。どうぞ。」
その言葉に、僕達は学園長室に入る。
ラティーナ「おや?シエン、貴方まで来たのですか?」
シエン「うん、おばあちゃん。ボクにも関係有る事だからね〜」
ルディア「本題に入ってもよろしいでしょうか...?」
その言葉にラティーナ学園長は優しく微笑み、返す。
ラティーナ「えぇ。どうぞ。」
ルディア「実はぼくが特待生になった事による生徒会の件に関してお話がありまして」
ラティーナ「えぇ。そうね、おめでとう。」
ルディア「ありがとうございます。そこでぼくの事情により、生徒会活動が難しい状況にありまして。」
ラティーナ「そうね。貴方の家庭の事情は把握しています。」
ルディア「そこで、友人のアズマくんをぼくの生徒会活動の代理人として活動させて頂く事を許可して頂きたく存じます。」
ラティーナ「その結論に至った真意は?」
ルディア「アズマくんは特能学の実技以外の点数が殆ど満点です。ぼくの代理人としては充分頼れます。」
ラティーナ「成程...ですがアズマ君は特待生ではありません。生徒会活動をしていくうちに反感を持つ生徒も出て来るでしょう。そこに関してはどういう対応を考えていますか?」
予想外の言葉にルディアは言葉を詰まらせる。
ラティーナ「まぁ、先程言った様に貴方の事情は把握しています。特例としてアズマ君の│使い魔のであるディークの実技を加算し、アズマ君を特待生としましょう。」
ルディア「...!ありがとうございます!」
ラティーナ「ですが、アズマ君?」
そこになって初めて僕に話が振られた。
アズマ「...はい」
ラティーナ「貴方は異例の11人目の特待生となります。貴方のランクを加味すれば反感を持つ生徒が出て来る事でしょう。それでもなりますか?」
アズマ「元より承知の上です。それに友人の頼みですから、断る道理がありません。」
僕の返しに学園長先生は満足そうに頷いた。
ラティーナ「よろしい。では、ディークはこの後私とアズマ君に加算する実技のテストを行います。貴方達は今日は休日なのですから、十全に休みなさい。」
ルディア「はい。失礼します。」
―――――
学園長室から寮室に帰る途中に僕達は話し合う。
シエン「いや〜、良かったね!ルーディ。」
ルディア「うん!それにしても緊張したな〜。」
アズマ「確かに、何度会っても慣れないね。」
そう僕達が会話していると、前から2人の先生が歩いてくる。
ラピネット「お!シエン達じゃないか!教師塔でどうした?」
エドウィッド「声がでかいぞ、ラピ。」
声を掛けてきた2人の先生は特能学教師のラピネット・ウェジェット先生と数学教師兼特能学実技非常勤講師のエドウィッド・ウェンディッヒ先生だ。
シエン「学園長先生にお話があって、その帰りです!」
ラピネット「そうかそうか!今日は休みだからちゃんと休んで明日の授業に備えろよ!」
シエン「は〜い!」
話を終え、寮室に帰ろうとするとエドウィッド先生に再度呼び止められる。
エドウィッド「アズマ。」
アズマ「はい?」
エドウィッド「お前の実技の点数は目も当てられない物だったな。」
アズマ「...お恥ずかしい限りです。」
エドウィッド「だが、数学は最後の計算のケアレスミス以外は満点だ。」
「これからも精進していけ。」
アズマ「...!はい。」
名前:エドウィッド・ウェンディッヒ
家族:妻 息子
種族:人間
属性:金
能力:幸と不幸の橋渡/シエテ・イ・セイス




