第1話_牢獄
30xx年ごろ、我々人類の元に地球を支配しに宇宙人(通称:warman)がやってきた。
そして、完全に支配された地球で人類が管理されるようになった。
人類は全員奴隷として地下で働かされている。
んでGPSが体に埋め込まれてる。場所は首元さ。
地下は大変だよ。
毎日のようによく分からん鉱物を運ばなきゃあかんのさ。
地上ではプカプカ丸っこいやつが空を舞っている。
防犯カメラだ。実際にドローンのように操作されているやつもいれば、AIが自動で動いているタイプもいるらしい。
warmanは大した技術を持っているもんだ。
あとは、警察も進化してる。
もってる武器は拳銃じゃなくて、レーザービームみたいなもん。
犯罪者を拳銃で抑えられるレベルじゃ無くなったからね。
え?今俺はどこにいるって?
地下から脱出して地上で暮らしているさ。
だけど地上で暮らすっつっても、のんびり日向ぼっこしてるわけじゃない。
ビルの廃墟、地下鉄のトンネル跡、燃え残ったショッピングモールの屋上――そういう"死角"でしか生きられねぇ。
見つかったら最後、首元のGPSが発信して、すぐにドローンとポリビーム持ったwarmanが飛んでくる。
あいつら、逃げる人間には容赦がねぇんだ。
けど、俺にはある"バグ"がある。
首のGPS、壊れてんだ。いや、正確には"外した"んだよ。
どうやってって?……
俺は今、地上のとあるカフェ跡に身を潜めてる。
カウンターは焼け焦げ、椅子は倒れたまま、けど電気系統はまだ一部生きてるんだ。
仲間もいる。元エンジニアのナナと、元軍人のケンジ。
「次のターゲットは、物流基地β‐32。AI制御の物資ルートをジャックできれば、地下の連中に食糧を送れる」
ナナがタブレットを叩きながらそう言う。
「でも、そこにはwarmanの本隊がいるって話だぜ」
ケンジが低く唸る。
俺は笑った。
「だったらちょうどいい。GPSがねぇ人間が、本物の脅威ってもんを教えてやる時だ」
さて、反撃の始まりだ。
warman、お前らにとっての“誤差”が、やがてバグとなり、そしてシステムを破壊するウイルスになるんだよ。