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ショートショート10月〜5回目

鉄砲は数打っても当たらない

作者: たかさば

『下手な鉄砲も数打ちゃ当たる』


私はこの言葉を胸に、日々努力を重ねてきた。


たとえ下手くそでも、何度も何度も挑戦して…経験を積み重ねるうちにいつか成功につながるのだと信じた。

何度も何度も打っているうちに、自分の技量が上がって精度が増し、狙った的を射抜くようになるはずだと疑わなかった。


打てば打つほど己の糧となるのだと…、がむしゃらに弾を打った。

下手でもいい、数を打つことこそが最も優先するべきことなのだと…、無我夢中で弾を打った。


弾を打ち続けるのは、とても…とても大変だった。


弾は、無限に湧いて出てくるものでは…無かったのだ。


弾を打つことだけに執着した結果、弾の精度はどんどん下がっていった。

的を撃ち抜く事はもちろん、的に届かないような…貧弱な弾ばかりを打つようになった。


打っても打っても、かすりもしない弾。

打ったところで、全く当たらない弾。


……鉄砲を撃つ意味が、解らなくなった。


何百、何万、何億と打ってきた弾は、1つも…当たらなかったのだ。

これから先、どれほど弾を打ったとしても…当たらないとしか、思えない。


もう、鉄砲を、むやみやたらと打つことは…やめよう。


私は、太ももに仕込んである小型ナイフを一本、手に取り。


満身の力を込め…、的に向かって投げつけたのだった。


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