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カメの甲羅

作者: まえとら

一匹のカメが生まれました。

どこだかわからない終焉をめざして。


生まれた時から甲羅を背負っています。

重たいな。脱ぎ捨ててしまいたいよ。

脱ぎ捨てることはできません。


甲羅を背負うことはカメの宿命?

なんで私はこんなものをずっと背負っていかなければならないの?


もう疲れたよ。

白い雲を見ていたら、ソラガメさんと出会いました。ソラガメさんは甲羅を背負って空の彼方へ飛んでいきました。


海まで歩いてきたカメの目から涙が流れました。

ウミガメさんと出会いました。ウミガメさんは甲羅を背負って海の彼方へ泳いでいきました。


流れ星を見ていたら。

ホシガメさんと出会いました。ホシガメさんは甲羅を背負って星の彼方へ飛んでいきました。


みんな同じ。でも。みんな違う甲羅。

みんな違う。でも。みんな同じ甲羅。


歳をとるごとに大きくなっていく甲羅。

今日も甲羅を背負って歩きます。

一歩一歩前を向いて。

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