表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/110

97:買い物三昧

「おとんは、もうとんとんをごぼうですか?」


「ええ。かるくてあたたかくて、使わせてもらってすっかり気に入ったの」


「あのとんは、本当に良いよね」


とんなら、あたたかいのはちがいないな」


 昨日、一()しょのトンネルが完成した。私たちは次のトンネルかいつうていに移動するまでの間、ゆうにしていて良いそうだ。


 そこで、ジャドゥさんたちの買い物のつづきに、なかの町へり出している。


 コンテナハウスを買っても、ベッドやとんとかはついていないからね。そういうのを、買いそろえる予定だ。


「お!このとんは良いぞ。とんに魔物のの糸を使っているんだが、とくしゅこうがしてあってな。糸同士はそれなりにくっつくが、他の物はほとんどくっつかない。糸もじょうで、なかなか切れない強度がある。

 そのとくせいで、もうび出しにくいんだ」


「あ、それは良いね!もうとかったり、じくれると、ふかふか感ものうも落ちる。

 中のりにくいと、ふかふかがながちしそうだね」


「まあ、そうなの?じゃあ、このの使われているとんえらぼうかしら」


「ああ、そうしようか」


 地球では、の糸にヒントをた糸のかいはつをしているかたがいらっしゃったはず。こちらでは、の糸その物を使うらしい。


とんは、ベッドの大きさに合わせたらいいのかしら?」


「一人ならそうです。冬、大きなとんで二人でると、すきが出来てさむくないですか?それをどうにかするなら、とんべつ(べつ)で。上に大きなカバーをけて、べつ(べつ)って分からないようにしたりするかたもいらっしゃいますよ。

 さむくてもくっついていたいかたは、大きなとんに二人でくるまってねむられます。

 どちらが良いか、どちらがこのみかによりますね」


「なるほど。子どもたち、ぞうが良くないから……。みんなべつ(べつ)とんで、人数分買うのが良さそうね」


「そうだね……。冬なのにとんをベッドの下にり落としてしまっていて、とんかぶっていない事もあるね……」


「だってね、とんは落ちやすいよ?」


「うん。するするって。落ちちゃうこともあるよ?」


「あ、もしかして。ベッドは、かべに付けて置いていますか?」


「ええ。そうしているわよ」


「それがどうかしたかい?」


「はい。ベッドをかべに付けていると、とんがズリ落ちやすいんです。かべから十センチくらいはなすと、意外ととんが落ちにくくなるんですよ。ためしてみて下さい」


 こたつとんみたいに、ズレぼうひもとかを付けても良いとは思う。が、子どもでもゴロゴロすれば、すぐひもが切れそう。なら、ベッドを少しはなすとかのふうもんだいかいけつするなら、それで良いと思う。


「後は『スリーパー』とか、ぐに足が出せなくっても良いなら『ぶくろ』とか。そういうのを使ってみるのも良いと思います」


「そうなの?」


「帰ったら、かべからベッドをはなすのはさっそくためそう」


ゆうの部屋のベッドが、かべぎり(ぎり)に置いていないゆうはそれか!」


「ん?お父さんも知らなかった?」


 そんな事を話しながら、しんを一通りえらび終わる。


 ふくろじょうのカバーは、まだまだこうきゅうひん。なので、冬用のしきパット。夏用にはしくためけん、ベッドカバーけんとんの一番下に入れてよごれよけに使うフラットシーツをえらんでいらっしゃった。


 ハイエルフさんも、かなりのれいきみたいだね。


 しんは、このお店だけでそろった。あたり前だが、なかの町は西部からのもつりゅうつうりょうが多い。


 西部は、もうざいてきした鳥が多くって、もうなどのりゅうつうりょうも多いのだ。みずうみなんかも多いし、みずどりが多いからだろうな。こちらのお店は、そういったしょうひんにはとくに強いのだそうだ。


 しかもこのお店、おうしつようたしなんだよね。そのためしん関係のざいは多いらしい。


 ユリシーズさんは、こっそりダウンコートを買っていた。ここは元々(しん)せんもんてんで、りょうしつもうあつかっていた。そこから、ダウンコートやダウンベストなど、アウターにも手をばしたらしい。


 アウターのあつかいは、私のダウンベストを見たかたからのらいがきっかけらしいが……。


 ユリシーズさんが買ったのは、デジレさんとミラさんの物。ユリシーズさんは、何回か私のダウンベストをた事がある。それに今は、ユリシーズさんが自分で買ったダウンコートも持っていて、ダウンコートの良さを知っている。それで、お二人の物をさがしていたんだって。


 しかし、ユリシーズさんのお買い物はみんなに知られちゃってね。後で時間があればさがそうと思っていらしたジャドゥさんご家族も、ここでダウンコートを買っていらした。


「フィリベールくんも、このがいとう買う?」


 フィリベールくんは、私が作ったかわのコートをている。


「うううん、いらないの。フィリね、ユーと同じが好き!」


 それならと、にダウンコートは買わず、ダウンベストを買った。


「お父さんとお母さんはには、お母さんに良いかわわたしたから。かわのコートをたてててくれると思うけど、ダウンコート、る?」


 サーラちゃんとカールくんは、ダウンコートをていたから。買うなら、ダウンベストかな。


「うーん……。なやむなあ……。それぞれ、良いところがあるからなあ……」


「じゃあ、ダウンベストは?たんぴんるも良し。コートの下にるも良し」


 それを聞いて、みんなダウンベストをついで買っていた。


 あ、コンテナハウスとしん以外のおしな。それは、ジャドゥさんたちのばら。コンテナハウスのだんを知って、それ以外の買い物の、こっからのはらいは退たいなさったんだ。


 ハイエルフさんの、だいな魔法(こう)使へのほうしゅうとしては少ないのでは?と、王太子殿(でん)もキナル王子も言葉をくされた。


 ありがたいお話だが、自分たちがこれくらいがたいとしてじゅうぶんと思えるだけ。それだけいただけたら、それ以上はもらい過ぎだって。なさった。


 そしてさいしゅうてきに、コンテナハウスとしん一式がほうしゅうとして落ち着いた。


 ハイエルフさんって、ぶつよくもないんだな。



 話はれるが、この。いつだったか、ユリシーズさんのためいただいた物とちょっとだけかんけいがある。


 いただいたは、とんに使われているの、ほんらいかいはつもくてきなんだ。ぼうじんかいはつするていで、ダウンせいひんてきしたかいはつされたんだって。


 使われている、魔物のしゅるいちがうらしいけど。


 ダウンせいひんに使うは、よく見かけるしゅるいぼうじんが作れるのは、一番強度のある糸をしゅるいなのだとか。


 で、その強いの糸で、ややあつを作るでしょ?すると、ぼうじんのうになるんだって。今、それは、ギャンベソンうらに使われ始めているそうだ。


 でもねー、せいさんりょうがとても少ない。だから、出来たぼうじんは、全部軍へ行ってしまう。かいはつが国からのいらだ。かたないね…。


 そんなおしなで、つうでは手に入らないからさ。ほうしゅうとして、ぼうじんいただけないかおうかがいしてみたんだ。ありがたい事に、いただく事が出来た。今ではすっかり、ユリシーズさんの主力のぼうとなっている。


「あ!ダウンのラップスカートがある!レッグウォーマーも!これ、デジレさんとミラさんのおみやにしようかな?ユリシーズさん、どうかな?」


「母さんはさむがりだから、あたたかく過ごせるふくよろこぶと思う。おやは、手足だけが冷えやすいらしいから。やっぱりよろこぶと思う」


「そうなんだ。じゃあ、これにしよう。お母さんとサーラちゃんと……。カールくんも使うかな?お父さんも使う?」


 おみやは色々(わた)したけど、ダウンせいひんはなかったからあげていない。これは今度帰る時のおみやか、お父さんにあずけるかな。


「いや、家()てるんだ。そっちへ回せ」


「それはだいじょうもんだいないよ。

 あ!えりカバーもある!」


「いや、そうだろうけどな……」


 アウターコーナーには、ちょこちょこ目ぼしい物があった。


 ジャドゥさんたちも、ここでけっこう買いまれていて……。みんな、なかなかのきんがくの買い物になった。


 ジャドゥさんたちはこの後、どうギルドでもかなりの買い物をなさったんたけどね。


 ちゅうこうひんしつな魔石の原石とか、宝石の原石。そういった物を、いつくか買い取りに出されたんだ……。それはこうひんしつ過ぎて、ちょっとしたさわぎになったりした。


 そんな事もあったけどね。色んなお店を回って、買い物(ざん)まいの二日間を過ごした。


 買い物をしながら、ほっとした事も多い。この世界のテンポで、この世界の人たちにひつような物が、この世界の人たちの手によってかいはつされた物をたくさん見たからだ。


 ゆっくりがこの世界のテンポなら、それで良いよね。

お読み下さって有難うございます。

お楽しみ頂けましたら幸いです。


面白かった、良かったなど、お気楽に下の

☆☆☆☆☆

にて、★1から★5で評価して下さいね。


いいね!も、宜しくお願いします。


続きが気になった方は、ブックマークして下さるとすっごく嬉しいです!


感想や応援メッセージもお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ