表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/110

88:父から届いた物

「クロックムッシュ、ファリオのフリチュール、とうグラタン、そら豆とこんさいのスープ。

 今日のメニューは以上ですね。さっそく作りましょう」


「はい!」✕すう


 いつのころからか、料理をならいたい調ちょうこうぐんかたざってごはんを作るようになっている。


 調ちょうこうぐんかたで来られていたのは、下級貴族や平民出身のかたが多かった。元々料理もされていたから、ていこうがないみたい。そんな出身のかたりつが高かったんだが……。最近はみずから料理をする事もないだろう、上位貴族出身のかたえている。


 私から直に教わって、かんしてから家族に作れれば?それって、すごいんじゃないかと気付いたらしい。


 まあ、人がえて助かる事もある。ちょっと調ちょうせまいけど。


 そんな調ちょうに、みんなにはエルフさんと説明している、ハイエルフのジャドゥさんごさいざっていたりするよ。


 ほんらいようが終られたら、ジャドゥさんのご家族もしばら(いっ)しょに生活する。それまでは食事を作るころに来られ、食事が終るとエグランティーヌさんの家へもどられる事になっているんだ。


 メニューのかくにんをしたのは、一週間分のメニューがかべり出してあるから。ぎんぴつで書いて、ばんれんきんじゅつれいにしてり返し使っている。


 コンテナハウスでは、朝ごはんが一番どっしりしたごはん。昼、夜は軽めがほん


 カーニバルのみなさんは、エルフのお二人はご実家に。じゅうじんのお二人は、アレクサンドリーヌさんとマルゴーさんのご実家に、わかれておになっていらっしゃる。


 が、カーニバルの四人がけても、調ちょうこうぐんから来ている料理を作って下さるかたたちに、学者さんたちのじゅうぼくさんたち。


 そこに料理をならいたいかたたちも加わっているから、朝からごはんを作る時も食べる時もにぎやかだ。


 メニューによっては、ネーレさんたちだけでももう作れるから。さいきんは、私がずっとここにいるわけではないけど。今日はとうグラタンの作りかたを教えるので、学者さんたちのためのしょくどうへ来ている。


とうを水切りしてからくずしてマヨネーズ、塩、しょうで味を調ととのえて……。火の通りにくしょくざいは、先に少しだけいためるかすかしておいて、くずしたとうぜます」


 今日はざいは、きのこが三(しゅ)るいと、とりにくうつわれたら、チーズ、パン、ブロッコリーをトッピングしてオーブンへ。取りえず十(ぷん)。その後は、ようを見ながらき上がればかんせい


「トゥオフーがあると、ぐらたんもかんたんだねえ」


「本当本当!トゥオフーの作りかたおぼえたから、かんたんにぐらたんが作れるようになるわね」


 お、グラタン好き?たしかにしいし、冬は食べたくなるよね!


 ……。それにしても、魚組、しずかだな。まだうろこ、取らないのかな?ってー!


うろこうろこ取らなきゃ!口の中、うろこで切りますよ!」


「ああ!それで!前にえいいた物を食べた時、口の中を切ったのか……」


 ごめん……。それは言わなくても知ってると思って、言わなったよ……。


 たまにはこんな事もありながら、ごはんよう調ととのっていく。


「後はおまかせして、だいじょうですか?」


「ああ!だいじょうだよ」


「それじゃあ、後はお願いします」


 じゅんの出来た料理を持つと、コンテナハウスの一(かい)のキッチンへかう。


 そこはクーたちの使っているコンテナハウスに、土魔法でぞうせつした部分だ。ふうじょしつの代わりに、広いキッチンを作ったんだ。二(かい)のキッチンでは、クーたちのごはんを作りながら、大人数の食事を作るにはぜまなんだもん。


 わざわざコンテナハウスへ行くのは、食事中もしつもんやら何やらで落ち着かない。そのため、食事はコンテナハウスで食べるようにしたんだ。


「……、これで出来上がり。作りかただいじょうですか?」


 メモとか取られていなかったけど、良いのかな?


「ええ、だいじょうよ」


だいたいの事は、一度でおぼえられる」


 だいたいの事は、一度でおぼえられるの?!うらやましいのうりょくなんだけど!


「ハイエルフは文字を持たないわ。あらゆる事はおくして、でんで伝えるの」


「だから、おくりょくが良いんだ」


 いやいや。文字を持たないから書きのこせない。だからおくするって!?それはあるしゅのチート!


 ハイエルフさんのおくりょくおどろかされたわ。まあに角、ごはんが出来たので食事にしよう。


 村に着いてから、アベラさん、タドリィおやかた、セーマルくんも(いっ)しょに生活している。冬のかいてきな生活と、日本食がほうしゅうふくまれているからだ。


 ごはんを作っている間、子どもたちのめんどうをアベラさんたちが見て下さっていた。とても助かる。


「お待たせしました。朝ごはんにしましょう」


 二(かい)では、全員(そろ)って食事するスペースがない。そのため、クーたちのスペースにがりをぞうせつして、こたつもやしている。


「おお!良いにおいがしとったからな!みなで待ちわびとったぞ!」


ユウさまのごはん、本当にしいから!楽しみ」


「冬以外も、ユウさまのごはんじょうけんに入れるんだったわ!」


「気を使わなくて良いよって言ったじゃない。春からも、このまま(いっ)しょに生活しますか?」


いまさらじょうけんを変えても良いんですか?!」


かまいませんよ。それに、通うのも大変でしょ?」


 話しながら、みんなでこたつに食事を運ぶ。私はクー、ルー、シルバーのごはんから。


かんすわったほうが食事しやすければ、えんりょせず使って下さい。大人はつうすわるより、あぐらのほうが良いかも」


 ジャドゥさんたちがそくめんぬのったかんを使うか使わないかが決まると、食事となる。


「決まりました?それじゃあ、いただきます」


 クロックムッシュの代わりのごはん、コカトリスの卵のり卵、コカトリスハム。その上にたっぷりチーズを乗せていた物以外、学者さんたちの食事と同じ朝ごはんいただく。


 しょうつぶマスタード、グリーンとブラックタプナードなど、このみの味にしてもらえるよう、調ちょうりょうやソースもすうようしてある。


「昨日のごはんもだけど、このごはん、とってもしいわ」


「ああ、良いね。こちらのトウフのぐらたんもしいよ」


「コカトリスのハムもおいしいよ!」


「人ぞくのごはん、おいしい!」


「おいち!」


 ほ。ジャドゥさんご家族のお口に合ったようで、ほっとする。


 かんかくてきに、しょうじんりょうとかよろこばれそうだけど。


「うーむ。白ワインかニホンシュがみたくなるわい」


おやかた!昨日、チェイサー飲まずに強いお酒()んで大変だったんですからね!ちょっとはひかえて下さいよ!」


おやかたのチェイサーは、アルコールの低いお酒だから。あんまり意味がないような……」


 昨日、ばんはんを作らないから、おびになしのブランデーを置いて行ったんだが……。シュシェーナ王国では日本みたいに、水割りとかお湯割りでお酒をむ事がない。


 前にいちごのブランデーの水割り出した時、出してから気付いたよ。


 海外ではブランデーはストレート、またはロックでしかまれない。良いお酒の味と香りを、そのお酒本来のまま楽しむためみたいだ。

 ここ、シュシェーナ王国もそこは同じみたい。


 そして『チェイサー』という、すいぶんきゅうわるぼうに、メインのお酒とはべつで、水やメインのお酒より弱いお酒をむのが(いっ)ぱんてき

 国によってはぎゃくだったりするけどね。メインが弱いお酒で、チェイサーが強いお酒パターンもある。


 何にせよ、エールはれているがブランデーはれていないおやかたである。ストレートでかぱかぱめば、よいも回るって。

 エグランティーヌさんのおたくから帰ってきたら、二(かい)のダイニングのこたつでっててたもん。


「あ、おやかた。昨日()ちゃってて、あずかったユウさまあての荷物、まだわたせてませんよね?」


「おお、そうじゃったな。あずかった物があったの」


 そう言って、タドリィおやかた無限(インベ)収納(ントリ)から荷物を取り出し、わたして下さった。


「ありがとうございます。お父さんからだ。何だろう?」


 中身は後でかくにんしよう。


 ◇


 食後、ちょっとゆっくりしてからかくにんした荷物。


『インクがかんせいした。それに合わせて調ちょうせいも終わって、かんせいひんが出来たから送る』というメッセージがえられていた。


 転移して来た早いだんかいで、パソコンを見たかたたちからかいはつねつぼうされていた物。


 パソコンはとお伝えすると、何か文字を表すどうたのみたいとの事で、かいはつちゃくしゅした。


「タイプライター!シュシェーナ王国のきょうつうげんばんのタイプライターと、がいこうげんばんのだ!やった!

 最後はお父さんにまかせきりになったけど、出来たんだ!」


 タイプライターがかんせいする前に調ちょうこうぐんに出る事になり、最後はお父さんにまるげになってしまったけいがある。


 それでも私がかかわった物の中で、一番(かい)はつに時間のかったしな、タイプライター。それが、お父さんからとどいた物だった。

お読み下さって有難うございます。

お楽しみ頂けましたら幸いです。


面白かった、良かったなど、お気楽に下の

☆☆☆☆☆

にて、★1から★5で評価して下さいね。


いいね!も、宜しくお願いします。


続きが気になった方は、ブックマークして下さるとすっごく嬉しいです!


感想や応援メッセージもお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ