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To create on CAMPUS  作者: 紫晶 朔実
12/19

ゲームこそコミュツール + 一般人俺、なんか思ってたんと違う

 退屈。

 授業も聞いてて眠くなるし、教科書を開く気にもならない。休み時間も移動が多くて寝られないから眠いし、なにより

ネモ「なんで学校にモン○ナ売ってないんだよ……」

とにかく眠い。でも寝ていたら起こされる。

 ので

ネモ「(ゲームしてたら起きてられる)」

 そろそろこの時期になってくるとクラスの大半は授業中に遊び始める。まぁもともと聞いていた人が半分以上いたのかすら定かではないが。

 ちなみに彼がやっているのはスマホゲーのFPSだ。


 昼休み。彼はいつも通りFPSをプレイしているといつもの人が教室に入ってくる。

ツキガセ「よぉー遊びに来たぜぇー」

 確か、機械科の先輩たちだ。暇なのだろうか。

吹雪丸「こんにちはー!……後ろにいる人は誰です?」

イト「ぷえー!」

 いつも入ってきたのはツキガセとヨネクラだったが、今日は後ろに一人増えている。深緑の天然パーマの男の人だった。

ヨネクラ「気まぐれで連れてきちゃった、スガさん」

 全身真っ黒で死んだ目をしている。ついてきたと言うよりは、長袖を引っ張られて連れてこられたのほうが正解だろう。自分が言うのも大概だが、この時期に真っ黒の長袖のパーカーを着ているとは、暑くないのだろうか。

 最近は黒と白が、来た先輩たちと話ながら弁当を食べるのが習慣らしい。授業をサボるのならここがいいとか、あそこの飲食店はあれが美味しいとか。ツキガセ先輩は、吹雪丸と第五○格をマッチして盛り上がってたり、最近来た隠岐と四葉と小説を山積みにしてずっと読んでいたり、結構コミュ力が高い。その後ろをヨネクラ先輩が静かに追っている。あの人はなんで居るんだ?

 そして今日はまた一人、来たが、なにもしゃべらない。

ネモ「(……あ、負けた)」

 よそ見していたら撃ち抜かれていたようだ。

スガ?「それ、俺もやってる」

ネモ「うわビックリしたっ」

 先ほどのスガさん?がいつの間にか近くにいて、スマホの画面を向けていた。おなじFPSのゲームだ。

ツキガセ「あ、それ最近流行りのゲームじゃん、俺もやってる~すがっさん、ゲーム強いぜ?」

 そう言われても、本人は表情も変えず黙りこくってスマホを弄り始めていた。するとゲームのチャットから「ピロン♪」と音がなった。

〈ロク〉『一戦チーム組みませんか』

 いや普通に話しかけないんかい。

〈旅ネモ〉『いいですよ』


ヨネクラ「おーいそろそろ帰る……って汗だくじゃん」

 椅子に座った自分の横でスガトウ先輩は机の横で床にあぐらをかいて座ってマッチングしていた。二人ともゲームに熱中、この5月下旬の気温もあって汗が流れていた。

スガトウ「……最悪、ベトベトになっちゃった」

 スガトウ先輩は「よっこいしょ」と立ち上がって、

スガトウ「対戦ありがとう」

 と一言残して教室から出ていった。後々プロフィールを見るとプラチナバッジを持つ重課金上位ランカーだった。

 その後、プレイ中にネモが欲しいと呟いていたゲーム内の課金限定装備一式がプレゼントで送られてきていた……。

吹雪丸「ここの先輩は誰かに課金限定あげるの好きなの?」(同じくゲーム内でツキガセ先輩から好きな衣装送ってもらってた人)


 六月上旬、梅雨。

 蛙の遺伝子を持っていない限り、誰でもイヤーなじめじめした日々が来た。

イェン「まだエアコンの許可降りてねぇのかよ、あちぃなぁ」

 机に収まらない長く細い足を前の席の椅子の足の間に入れ込んで、腕を机から垂らしてぶらぶらしていた。

YOU「暑くなってきましたね……」

四葉「そろそろ夜寝苦しくなってきた」

 電気がついているのに、いつもより暗く淀んだ教室に京極先生が出席簿をもって入ってくる。さすがに先生もすでに半袖のTシャツに長ジャージになっていた。

ほむら「(扉の向こう側に誰か……二人ぐらい待ってるなぁ)」

京極「暑いわねぇ……さ、みなさん、また転入生が来ましたよ。」


不安と期待を胸に、呼ばれた名前に答えて教室の扉をくぐる。

 ……しかしそこに待っていたのは、それを塗りつぶすかのような景色だった。異常な身長、服装、本当に動く偽物じゃない翼、なんか背中から出てる奴もいるし、そもそも手が人の形してないやつも居るし……俺、もしかして地獄の学校に間違えて手続きしたかな?夢かな?

??「(と、隣の人は普通そうだけど……いや人っぽいのもいる……)パウロスです、よろしくお願いします」

 表じゃ超平然とした顔してるけど一刻も早くここから出たい。あれここって、創作活動を助長してくれるそんな科じゃなかったの?いかにもそんな雰囲気じゃない。

ツキフエ「ツキフエです、月の裏から来ました」

パウロス「(……うん……全然普通じゃなかった……!!!)」

 え、一般人が此処に居て良いんだろうか。早速暮らす事態が場違い?嘘でしょ?

京極「二人の席は一旦後ろね、また後で調節して変えますから。さ、一時間目から実習遅れないように。以上。」

 あっさり終わった~どうすればいいんだろう。回りはなんかそれぞれ道具とか持ってるけど……筆記道具じゃない時点でなんか違いますねなんも持ってないしむしろ武器持ってる人いません?なんの実習?


黒「あのひとなんか固まってるけど大丈夫かな……?」

白「どうしたの」

隠岐「なにしてるんだろうね、おーい遅れちゃうぞー」

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