盛大な乱入者
午後の教室。
授業が終わり、のんびりした放課後にひとつ違和感がよぎる。
いままでの授業で、なぜか人気のないところから目線を感じていた。
隠岐「......」
特に彼は。
まだ来たばかりなのに、まだ慣れてすらいないのにこの悪寒がするのは……。
教室にはいる勇気がない!
むしろ私はここの教室に入れるのか?
四葉は教室の扉のところからそっと目当ての人物を見つつ落ち着きがなかった。
イト「どしたの~?」
四葉「ひぃっ!……お、驚かさないでぇ……」
イト「入りたいの?はいろ?」
四葉「選択肢ない感じですか?」
イトは四葉の腕をその三本指の手でがっしり掴んで教室の中に引きずり込んだ。
隠岐「やっぱり君か」
四葉「ぎゃー人がいっp……人じゃない!!」
なにいってんだこいつ、という雰囲気のなかで辺りを見回すと、「ほ、ほんとだ……」という雰囲気に変わった。
イェン「俺人外じゃねぇよ!?」
黒「え、違うの?」
吹雪丸「一応人間……」
YOU「……え」
ほむら「一ヶ月経ってようやく気がつかれた誤解」
白「意外と人内が多いのかしら」
ia「……人内……??」
黒「ハク……人間って言いたかった……?」
白「……うん……」
白い肌が耳まで仄かに赤く染まって、席で肩をすぼめて顔を背けていた。眉毛が垂れ口もぎこちなく、はにかんでいた。
三日月「まさか先に教室にいるなんて……最初からここに来ればよかった……」
三日月先生が汗を流しながら教室に入ってきた。HRの時間だ。
三日月「知っての通り転入生が一人……いや、二人居ます。」
雨宮「(あれ、写真は一枚しかなかったような……)」
三日月「皆さんよりも校内について知らないと思いますから、しっかりと案内してあげてくださいね。」
三日月「それで……君の家の話なんだけど。」
四葉「ないです」
三日月「ううん、そういわれても放課後六時以降は定時制の授業が始まるから居られないし、だからといってそれ以降は警報器がなるからなぁ……なんとか帰れないかしら……」
しかしそんなに簡単に話が進むわけもなく。
四葉「居候させて!住む場所押し入れでもいいから!!」
と言い出す始末。困り果てて、向かった先は解放されている屋上と反対側の貯水槽がある屋上。
三日月先生が宝石の飾られたステッキを振ると、シンプルで小さな小屋が出来た。
三日月「どんな部屋がいいか思い浮かべながら入ってみなさい」
四葉は背中を押されるがまま、言う通りに入っていった。閉じられた扉の先で歓声の声が小さく聞こえたとき、先生は微笑んでその場を後にした。