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ムクドリたちの夕暮れ

作者: 奥田 繭

さみしいさみしいと おまえは鳴くのかムクドリよ

母の姿をさがして 声の限りに鳴き続けるのか

もう日は傾いて 友達たちも帰って行った

ひとりで飛んだ 今日はおしまい

人の子たちも 家路を急ぐ


守護神はいつでも見ている おまえのそばで優美にうなづきながら

温かな巣には懐かしいにおい 生まれたときから知ったるにおい

母よ母よどこにいるのか 私はあなたを捨ててはいない

ただひとりで飛びたかっただけなのだ


恋しい恋しいと 鳴くのはやめたかムクドリよ

帰るべき道をたどって 帰っていくのか

大丈夫 おまえの母はいつでも待ってる

優しく羽を広げて 我が子を抱く


孤独の西風 その子の道連れになっておくれ

深遠なる異国の唄で その子の心に勇気を与えて

曲がりくねった道の先に やがて燃えるような光がもれよう

肉の痛みはいずれか消えて 光の中心に飛んで行け


母よ母よと鳴くのはだれか ここにいるよと声がする

黒き眼には慈愛のぬくもり 生まれたときから見つめるひとみ

ムクドリ二羽が飛んでいくよ 今日の景色はこれでおしまい

天地の神よすべてをつつみ 母子の姿を星へと変えてしまえ

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