はじめてのボス
「えっ?上位魔霊...!」
まあ驚くのも仕方ない。悪魔元帥 腐豚皇帝 怪魔妖霊 大鬼魔神 竜種吸血鬼 という五大厄災魔獣の次に強い、Sランク魔獣の中の1つだ。
ちなみに俺がぶん投げた、ネロは種族は悪魔元帥だが、使役を使わなくとも知性がある個体だ。
知性があるものは魔人と呼ばれ、魔物とは別とされている。
「使役したのでな。」
「あなたは、使役もできるのですか?」
タクトはワナワナ震えている。
「言い忘れてたが刻印の術者は、校長のアヤツ・ラレテールだ。校長室にのりこむぞ!」
俺は古びた木と石造りの校舎の中で、一番ゴッツイ扉を蹴り飛ばした。
「さて、やってやりま...。」
扉の先に待っていたのは、瀕死の校長と3体の魔霊だった。
「主様こいつでございます。主様が裏があるとおっしゃたので、現在聴き込み中でございます。」
待って、今、校長生きてる?
名前 アヤツ・ラレテール
種族 半人半精霊
スキル 精霊加護《守護精霊無》 精霊武装《守護精霊無》
煌鑑定眼《使用不可》精霊魔法《守護精霊無》
耐性 封印済み
状態異常 瀕死
瀕死だそうで
精霊に頼りきったステータスだな。守護精霊無ってどういうことだ?
あぁ、悪事を働いた為、精霊に見放されたのか...。かわいそーに(棒)
「おい!アヤツ!生徒に何をした!」
タクトが怒鳴る。
「あb#ksi*&+;=kskxweけ」
ろれつが回っていない。しかし、確実に意思のある言葉だった。
突然、タクトが俺に斬りかかって来た。命令刻印が発動したのだ。
それと共に、沢山の若者が部屋に、流れ込んで来た。全員この学校の生徒のようだ。
全員が虚ろな敵意を持って魔霊達に攻撃を加える。
タクトの斬りは凄まじく絶対防御を発動していなかった俺は、かわせず、大剣が頬をかすめた。
時空間魔法でタクトの後ろに回る。
「おい!お前ら!反撃はするな!」
即座に反撃の準備をした魔霊たちに叫ぶ。この学校の生徒だ。絶対に怪我はさせない。
「校長を殺せ!情報は後だ。」
「了承しました。」
クロニクルが校長に魔法を放つ、校長が絶命した。魂はセメタリーの死霊術により完全に散り散りになった。蘇生防止だ。
その瞬間、ふと生徒たちが我にかえる。安心して俺は絶対防御を切った。魔力はとてつもなくあるが、
魔力を消費している時は、なんかあまりいい気分ではない。
油断していた。鑑定眼で気付いた頃には、腹の数センチ前に、大剣があった。タクトだ。
身を引くが間に合わない。時空間魔法も使うほど時間はない。無詠唱でも時間差があるのだ。
目を瞑る。カーン!大剣が弾かれた。
「油断するな。」
威厳に満ち溢れた、上から目線の言葉、シカタだ。
どうやら、ずっとスキル 守護霊を使ってくれていたらしい。
「は!なぜ?ここに?校長は?」
タクトの自我が戻った。命令刻印はまだ残っている。
タクトだけ、別の術師が?大賢者之知識でも、誰が術師かは分からかった。
しかし、学校の生徒の刻印は消えたようだ。一部の強者を除いて。
「まさか、上位魔霊5体を使役しているとは...。始末しろ。」
暗い空間に重い声が流れた。