あっけない決着
アリステラの号令に人間族の兵士たちが一斉に退く。
「何をする気、アリスちゃん?」
「この村は元々、森精族の国に攻めるための拠点にするために襲ったのだ。獲れるのなら、落とすまで」
アリステラは腕の震えを抑えて剣を掲げる。
「その構え、まさか!?」
ギルは驚愕する。
アリステラの剣に雷が集まる。
この技は、魔王を倒したときの。
全てを叩き潰すアリステラ最大の一撃。
「終わりだよ、ギル!」
抑えきれず溢れた雷が天を貫く。
「《雷帝の審判》!」
雷が空間を、村を呑み込んだ。
地面は抉れ、家々は破壊され、村は燃え出す。
「アリスちゃん?」
だが、ギルは無事だった。
「お、お前……!?」
人間族の兵士。いや、その死体がナイフでアリステラの横っ腹を刺していた。
「上手くいったわね」
疲労で顔を青ざめるカルネラがギルの隣で嗤った。
「なんでもかんでもゴリ押ししようとして。それが、あなたの弱点よ、アリステラ」
「……バレていたか」
アリステラも笑う。
「一緒に戦ったんだから知ってたわ。《雷帝の審判》。とても強力な攻撃だけど、その間に雷は剣に集まってしまって、あなた本人を護ってくれない。その瞬間なら刃は通る」
アリステラが血を吐く。
アリステラは自分の腹を刺した人物を見下ろす。
「あなたの負けです。救国の英雄様」
息を切らしたヨツバがアリステラを睨み上げる。
「ああ、君の勝ちだ。良く役目を果たした、ヨツバ」
アリステラはヨツバの頭を優しく撫でると、そのまま彼女に倒れた。
アリステラの死亡により人間族は異端の村で敗北した。
「こんな簡単に死ぬなんて。アリステラも普通の女の子だったのね」
カルネラが悲しげに呟いた。




