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終わりから始まる傭兵団  作者: mask
第一章 新たな戦争
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村会議

 アリステラが去った夜のこと。村の男たちは村で一番大きい村長の家に集まっていた。

「敵の規模は分からないが、部隊に一年前に魔王を倒した勇者が居る」

 その事実に村人たちは唸る。

「村人は百人ほど。そのうちで戦えるのは半分も居ない」

「逃げるしかないのか?」

「逃げてどうする。俺たちを迎え入れてくれる場所などないぞ!」

「だが、戦って勝てると思うのか?」

「この森の村もやっとの思いで辿り着いたんだ。捨てたくない」

「でも戦だって無謀だ」

 男たちの心は何事もなく家族と過ごしたい。しかし、そのための方法が纏まらなかった。

「ギルさんはどうしたら良いと思う?」

 一人の言葉に男たち全員がギルを向く。

「僕は皆さんの行動を決められない。いや、決めちゃいけないんだ。僕はあくまでも村の傭兵。この村のために戦うのが僕のやること」

「ギルさんは村で一番強い。ギルさんが勝てるって言うんだったら戦うし、無理なら俺たちも逃げる」

「戦に勝てるかどうかじゃないんです。僕は戦わなくちゃいけない。幼馴染みのアリステラを止めて、そしてこんな姿の僕を受け入れてくれた皆さんを守るために。僕のこの呪いの身体を役立てるときは今なんですから」

 ギルは頭蓋骨の頭で微笑む。

「だから皆さんは安全な場所に居てください。敵を倒したら必ず迎えに行きますから」

 ギルの言葉に男たちは俯く。

 本心ではギルと共に戦いたい。だけど争って命を落とすのがとても怖かった。

 異端の村の人々は迫害されてきた民。だからこそ家族や親しい者を失う痛みを常人より知っている。

 だからこそ、ギルは彼らに戦ってほしくない。

「僕が勇者を止めてみせます」

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