ヨツバに出来ること
「……仕方ないわね」
カルネラが呆れて首を振る。
「料理は今は置いといて、別のことをさせてみましょ。そうだ! 私、洗濯物が幌馬車に溜まってるんだ。それを洗わせてみますか!」
「それは良い考えだね、カルネラ! ヨツバもそれで良いかい?」
「はい。マスターのお役に立てるのなら」
落ち込んでいたヨツバもやる気を出す。
そこからは早かった。
洗濯、掃除、雨漏りの修繕、料理の再挑戦に森での狩猟に至るまで、ヨツバは仕事をこなすことが出来た。ヨツバは仕事が出来ない子なのではなく、仕事の方法を知らないだけだったのだ。
それから二週間。
出来ることが増えたヨツバはギルに何か仕事はないのかと、ねだるようにまでなっていた。
「ヨツバ、お茶」
「はい、カルネラさん」
そして何故かカルネラはギルの家に居座り、ヨツバをパシっていた。まあ、需要と供給が成り立っているので誰も文句を言わないが。
「ヨツバがとても嬉しそうだ」
「そう? 笑っているところを見たことないけど」
「表情に出にくいだけだよ」
ギルは頭蓋骨の頭で微笑む。
「まあ、ギルが満足しているなら良いけど」
カルネラが紅茶にカップに口をつけたときだった。
「大変だ、ギルさん!」
玄関の扉がノックもなしに勢いよく開かれる。
近くの村に住むエルフの男だ。
「どうしたんですか!?」
男の慌て方にギルも心中が穏やかではなくなる。
「聴いてくれ、ギルさん! 村に人間族の兵士が近付いてきてるんだ!?」
男の言葉にギルたちは争いへの覚悟を決めた。




