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ネコミミ王子と嘘つきメイド  作者: 花言葉
嘘つきな落ちこぼれメイド
5/23

3

 そのころキャイルとサグナは話し合っていた。

「まさか、キャイル様が、ララ・メローとメイド長を同じ部屋にするとは……、キャイル様も人が悪いですね」

「そうか? 落ちこぼれなら、一番良い指導者をつければ、すぐによくなると思ったのだけれど……」

「天然ですね、キャイル様は、それとも、わざとやっているのですか? どちらにしても、ララ・メローが苦労しそうですね」

「?」

 キャイルは、不思議そうな顔でサグナを見つめる。

「ララ・メローにそれだけ期待しているんだ」

「そうですか、キャイル様の期待で押しつぶされないような、心の強いメイドだといいですね」

「ララ・メローは大丈夫だと思うぞ」

「どこから、そんな自信がわくのですか?」

「瞳だよ瞳、妙に、何かを感じたんだ」

「そうですか」

 サグナも反論できず、黙った。

「そう言えば、そのララ・メローですが、何だか部屋割りに不満があったのでしょうね、様子が変でした」

 サグナは、少し、勝ち誇った様にそう言った。

「変と言うと?」

「いつも明るい彼女が、まるで抜け殻のようになって、突っ立っていたように見えたんですよ」

「それは、大変だ!」

「キャイル様、絶対、大変だと思ってらっしゃらないですよね?」

「どうかな?」

 キャイルは、笑顔でそう返した。

「では、何を言っても、まだ、ララ・メローはかわいそうじゃないんですよね?」

「もったいぶるな、彼女がどうした?」

「ボーとしていたのですが、泣いていたんですよ、涙が流れていました。それを見たらかわいそうに感じてしまって……」

「そうか」

「私は、ララ・メローなど、正直どうでも良いのですが、一応報告です」

「う~ん、やっぱり、泣くほど嫌だったか……悪い事してしまった気分だよ、サグナもそう思う?」

 困った顔でキャイルはそう言った。

「キャイル様が決めたことです。何も言う事はございません」

「サグナ、微妙に、言葉にトゲがあるぞ」

「気のせいです」

「ところで、魔女は見つかったか?」

「いいえ、まだです」

「ネコになってしまっては、困るからな、その前に必ず見つけ出せ」

「はっ」

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